第七話 精霊使い?いえ、遊び相手です
短めです
俺は自室で目を覚ました。
「あぁ、俺はあの後気を失ったのか、よっこらせイタタタタ!」
全身が凄まじく痛い。筋肉痛を三段階進化させたらこんな感じかも知れない。
「ルーク様動いちゃ行けませんよ、メッです」
そう言って、俺専属の残念………な所は見なくなったので完璧美少女メイドは身体を寄せて再び寝かせてくる。
俺の目の前で綺麗な茶髪と果実がゆらゆらしてる。
お陰で、俺の体は再び寝ているが、今ので別の部分は起きてしまった。(*事実ではありません)
さぁ、完璧メイドよ!どう寝かしつけてくれるのかな?
(*彼は七歳の為、勿論気のせいです、多分)
まあ、そんな冗談はさておき、
あれから六年経ち十四歳と成った彼女は、背も伸びて、顔つきも可愛さだけでなく美しさも備えたかなりの美少女に成長しているのだ。
そして、一番成長したのは果実の成長具合である。
六年前は真っ平だった果実は、年相応より少し発育が良いかな?というところまで成長しているのである。出来れば俺好みのナイスばでぃになって欲しいものである。
俺がクロナをまじまじと見ていると、クロナが俺を見て言った。
「何だか、七歳じゃないみたいですね?」
(何だか、ルーク様は七歳なのに雰囲気も落ち着いていて、背伸びしている感じがして可愛らしいですね)
まさか、クロナは俺の(やましい)視線を察したのか………いかん、紳士と名高い私がこんな簡単に察知されてはいけないな、猛省せねば。
俺は動揺を押し殺して聞く。
「どっ、どういう事、クロナ?」
(まさか、まじまじと見ていたのがバレたのか?)
余談だが………いや、大事だよね。この娘の名前はクロナといい、俺が産まれてくる少し前にアストリア家に就職したらしい。
「いえ、ルーク様は大人びてるいらっしゃるなぁーーと」
(急に焦った顔で子供っぽい感じになるのもギャップが有って微笑ましいですよ)
「ぼっ、僕なんてまだまだ何も(性的なことを)知らない子供だよ」
(いかん、怪しまれてる!視線か視線なのか?)
「でも、普通の子供が見ない様な所も見てますよね?」
(昔、魔導書の作者の欄を見てメモをしてたのには驚きましたね)
「嫌だなぁ~、見てませんよ?」
(完全に胸見てたのがバレてるよぉぉぉー、嫌われるのはいやだぁぁぁーー)
「子供なのに、凄いなぁ~とクロナは感心していました」
(同じ作者の本を探してと言われた時は耳を疑いましたよ)
「そうなの?」
(あれ、嫌われてないみたい………よくわからんな)
「もう、慣れちゃいましたけどね」
(魔物をたくさん倒したと聞いた時は流石に驚きましたけど)
「ごめんなさい…………クロナ」
(呆れられてたぁぁーー!………なんてクロナは心が広いんだ、まさか女神様なのか、うん、そうに違いない)
「ルーク様、何で謝るんですか?」
(むしろ、誉めてるのですが………何故でしょう?)
「これからは、もっと立派(な紳士)になるよ!」
(クロナの優しさに甘えちゃダメだな………)
「はいっ!頑張って立派(な領主)になって下さいルーク様、一生お仕えします!」
(よくわからないけど、ルーク様がやる気になったのなら、良いのかな?)
「任せといて!」
(何故か、ア○ジャッシ○のネタが頭に浮かんだのは何でだろうか?)
「では、話が有るそうなので、御二人を呼んで参りますね」
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俺は父さんと母さんの二人と向き合い、言葉を待った。
父さんがまず口を開いた。
「ルーク………お前に聞きたいことが二つある」
「はい……何でしょうか?」
「一つ目は、ブレスを弾いたあの光についてだ。何か心当たりは有るか?」
「いえ………ブレスを逸らそうと思っていたら、自然と身体が光を纏ってました。」
「……て言うことは、固有スキルで決まりなんじゃないかしら、レイク?」
「ああ、魔法じゃないならそれしかないと俺も思っていた」
「話を聞いた限りだと…………強化系なのかしらね?」
「それだと、ブレスを相殺じゃなくて弾いたのがわからんな………」
「でも、魔物を倒した武器の投擲については説明出来るわよね?」
あっ!これは、精霊のお陰だから説明できるわ。
「あっ、あれは「いや、そうでも無いぞ。考えてみろ、七歳の筋力を強化してもあそこまでの威力は出ないと思うんだが違うか?」
「確かにそうね」
どのタイミングで精霊の事を切り出そうか、タイミングを逃した気がしてならない。
少し議論すると、二人ともうんうん唸りながら考え始めた。
今なら行ける!
「ブレスを弾いたのはわからないけど、魔物を倒せたのは、精霊のお陰だよ」
「「精霊?」」
「うん、あの絵本とかに書いてある精霊だよ」
「ルークは精霊の声が聴こえるの?」
「見えるし、触ることも出来るけど…ってどうしたの母さん?」
突然ガッツポーズを母さんがし始めた。
「あのルークを馬鹿にしたあの貴族野郎にうちのルークの凄さを知らしめてやれるぜぇぇーーー」
美少女な母さんは何処に行ってしまったのか……
まるで父さんの様なざんね……男らしい感じになってしまっている。
というか、精霊が見えるってそんなに凄いことなのか?
「成る程、それなら魔物を倒せたことにも納得がいく」
「そんなに凄いことなんですか?」
「お前は知らないだろうが、この国で精霊が見える人は一人しか居ないんだよ」
「僕以外に精霊が見える人が居るの?」
「あぁ、その方はな……精霊と契約していて見た目によらず滅茶苦茶強いんだよ」
確かに精霊の力をフルに使えば、七歳でも魔物を狩ることが出来ちゃうからね。
「そう言えば、触れるのは良いことなの?」
「よく聞けルーク、精霊との親和度が高い者ほど、精霊に干渉できる度合いが変わるんだが、触れるとなるとお前の精霊との親和度は恐らくこの国でトップだ」
親和度が高いことのメリットがさっぱり解らんな。
「精霊に干渉する力が強いってことは、精霊から干渉されやすい……………要するに精霊の力を自由に行使することが出来るんだよ」
「それは、便利そうですね」
「便利どころじゃないんだが………ルークが変わってるのは今さらか」
とりあえず、強力な力なのは解った。これなら、魔法至上主義のこの世界でも互角のカードになるかも知れないな。
「よし、じゃあルーク準備しろ」
「王都に行くわよ、ルーク!」
「はいっ?」
こうして、俺の王都行きが決まったのだ。
で、俺って結局どんなスキルを持ってるのか分からなかったんですけど……………母さん、父さん
早く、神の紙片が欲しいと思うルークだった。
次回、ルーク王都へ行く。