第六話 『ドール』
僕『ふぁぁ…』
僕は早朝にクローバー探しと色々と疲れたので少し仮眠をとっていた。ゴマ豆腐を出て下に降りると、いい匂いがした。僕は眠っていて、もう昼だということを忘れていた。廊下を歩いていると、
僕『ひぃ!』
家庭被服室からいきなり手が出てきた。
驚いた。そして僕はその手に捕まれて家庭被服室につれこまれた。いい匂いがする。きっとさっきの匂いと同じだ。
死月『こんにちはぁ。びっくりした?あっはっはっはっ!』
僕『す、少し…』
この人はたしか死月さん…あまりよく知らない。ここは家庭被服室…死月さんに割り当てられた部屋だった気がする。たくさんの、ぬいぐるみや人形がおいてある。
死月『お昼ご飯作ったんだけど食べてかない…?…』
僕『あ、ありがとうございます。』
DPGには食事制限や配給がないのでギルドメンバーの生活に片寄りが出ていた。僕は自分ではあまり料理をしなかったので死月さんに食事を誘われて良かったと思った。でも少し気味の悪い部屋だ。緊張と恐怖で言葉が出ない。
死月『熱いうちにどうぞ。さっき作ったエビピラフですよ。』
僕『お、おいしそうですね。い、いただきます。』
死月さんの料理は予想以上に一般的だった。
僕は急いでその料理を平らげた。
僕『ご、ごちそうさまでした。』
死月『あ、早いね。おかわりはどう?』
僕『も、もうお腹一杯です。』
僕は早くこの部屋から出たくてしようがなかった。数千個のドール達から見つめられて今にも僕は倒れてしまいそうだった。
僕『ありがとうございました。では、僕はこれで。』
ガシッ…
(えぇ…僕またこういうパターン入っちゃう?………)
死月『待ってよ。私と遊んでよ。』
僕『!?』
背筋にオカンが走る。身が震える。
死月さんの後ろを見ると、さっきまであった、机や料理が消えている。いつの間にどこへしまったのだろう…。
死月『私、いつも退屈してる。私と遊んで。』
僕『う、うん…』
僕は死月さんと遊ぶことにした。僕はベッドに腰をかけた。死月さんがドアの前で何かしている…。僕は部屋を見ると怖くなるので布団に顔を埋めた。
死月『ラー君。何してるの?』
僕は布団に顔を埋めたまま答えた。
僕『神に祈りを。』
死月『よくわかんない。ねぇ、何して遊ぶ?』
僕『死月さんがしたいことしていいよ。』
僕がそう答えると死月さんは笑い出した。
死月『あっはははははははははははははははははははははははははははは』
僕は色々と心配になって顔を上げた。
すると部屋中のドール達が動いてるではないか…!…
僕は目を擦り自分の目を疑った。これは幻想ではなく死月の能力の『ドールマスター』であった。
死月『あはっ。何でもいいんだよね?いひひ。』
ドール達が僕の体に引っ付いた。
僕『ギャァァァァァァァァァァ!!』
僕は体にむらがったドール取ろうとしてみている。
少林奏 時刻: 19:39