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異世界で早速お仕事です。

「知ってるか?赤い髪の毛に、青い目をして、黒い刀身のつるぎを持った、少年。」

男が言った。

「あー、それ知ってる、化け物なみの強さなんだろ?」

「ああ、相当ヤバイらしい。」

「でも、うわさだろ?」

「そうだな。」

男2人は歩き出した。歩いていた2人に、フードを被った少年がぶつかった。

「ああ?何だ?てめえ。」

男が少年を睨む。

「すいません。」

「おい、謝んなら、顔見せろ!」

男がフードを払った。少年の顔があらわになる。

「なっ!?」

そこから、赤色の髪の毛がなびいた。少年は、男達を睨んだ、青い目で。

「こ、こいつ、まさか…!」

少年は、腰から、刀身の黒い剣を抜いて、瞬時に男を切断した。男達は、そのまま地面に倒れこむ。血が飛んで、少年にかかる。少年は、ゆらゆら歩き始めた。



我々の住む、水の惑星、地球。そこにいる、1人の少年は、普通の生活を失う。

茜色あかねー?ご飯よー?」

「へいへい、分かりましたー!」

東京に住む、空神そらかみ茜色。中学3年生、中卒予定。

茜色は、晩ご飯を食べるために、階段を降りた、が。

「あれ、母さん?」

1階には、誰も居なかった。

「あれ、おかしいな。」

茜色が焦る。

「出掛けたのかな?」

しかし、茜色はすぐに席に座って、ご飯を食べ始める。

その時だった、茜色は見た、光るゲートを。

「なん…だよ…これ。」

ゲートは、光を増し、茜色を吸い込んだ。



「…か?」

誰かの声が聞こえる。

「やっぱ、もうダメかもしれないな。」

それを聞いたところで、意識を取り戻した。

「ああああああああ!?!?!?!?!?!」

「うわああああああ!!!!!!!!!!」

突然大声で起き上がる茜色と、それに反応してビックリする憲兵。

「あれ!?ここは?」

茜色が、辺りを見渡す。

「君、大丈夫かい?ここに倒れてたんだけど…」

「い、家は!?何処だよ!!ココ!」

茜色が立ち上がる。そこで、憲兵が腰に掛かっている剣に気づく。

「君、このご時世に剣士なのかい?」

「へ?」

茜色が剣を持つ。白い鞘に納められた、高級そうな剣だ。

「魔器具を持たないで、剣士とはねえ、兵長以外いないと思ってたよ。」

「へい…ちょー?魔器具?」

「お前、何にも知らねえのか?魔器具、魔法を使うために使う道具。魔器具通さないと、魔法使えないから。」

「そうなのか…。」

茜色は考え込んでから、歩き始める。

「憲兵さん達、ありがとう。もう大丈夫だ。」

「お、おう、気をつけてな。」

茜色は前を向く。

「さて、俺の推測からするとー?ここは異世界だ。」

素早く察する茜色、まずは自分の服装を確認する。

「これは、この世界の服なのか?」

黒い服で、ローブに似ている。

「あとは、この剣か…。」

茜色の腰に掛かっている白い鞘に納められた剣。

「なーぜか抜けないな。これも魔法使わないと、抜けないのか?ま、いいや。」



異世界に送られ、早10年。茜色は、もうこの世界に慣れていた。

「さて…ここかな?」

茜色は、異世界に来てから、最初の5年はアルバイト的なものをやっていたが、その後は、働くという事をしていない。結果、お金も住む家も失った。それで、今日来たのが、この町の城である。

「まさか、城で働くことになるとはな。」

城の前で立ち止まる。

「やあ、アカネ ソラカミだね?」

城の門から、白髪の男が出てきた。

「あ、はい、アカネです。」

「ようこそ、メソラ城へ。歓迎しよう。」

現在、異世界に飛ばされたアカネのいるここは、メソラという、大きな町だ。そして、今日から働くここが、メソラの中央にそびえ立つ、メソラ城。

アカネは、白髪の男に連れられ、城へ案内される。

「申し遅れました。私は、クレイ アリフといいます。」

「あの、アリフさんは…」

「クレイでかまわない、仲良くしよう。」

クレイが、アカネを訂正する。

「クレイは、剣士なのか?」

クレイは、白いローブのような服装に、腰には細身の剣を掛けている。

「珍しいかい?」

「いえ、俺も剣士なんで。」

「この世界は、昔は魔法も使えない世界だった、その時から、剣はあった。そして、そこから500年が経って、魔法が普及して、剣、なんていう風習は無くなった。君も物好きだね。」

クレイは笑って見せた。

「そうだ。」

クレイは会話を続ける。

「こんな噂知ってるか?」

「噂?」

アカネが首を(かし)げる。

「赤い髪の毛に、青い目をしていて、黒い刀身の剣を持った少年、ちょうど、アカネみたいな色だ。」

クレイが、アカネの目を指さす。

「あ、はい、あります。」

アカネは頷く。

「それが、どうかしましたか?」

「化け物級の強さなんだと、1度見てみたいわ。」

クレイが笑う。アカネはそれを聞いて、間を置いて、話をはじめる。

「あの…」

「ん?なんだい?」

「こんな事言っても、信じて貰えないかもしれないけど…。」

アカネが(うつむ)く。

「なんだ?言ってみろ。」

「俺、10年前に、異世界から来たんです。」

「異世界から?」

「はい、東京から…。」

「トーキョー?聞いたこと無いな。」

クレイが顔をこわばらせる。

「で、ですよねー、あはは…。」

アカネが笑う。

「なるほど、それで、君は魔法が使えない訳だ?」

「よ、よくわかりましたね。」

アカネが目を輝かせる。

「ていうか、信じてくれるんですか?」

「実は、コッチから異世界へ飛ばされた奴を、知り合いで1人知っていてな。」

「そうなんですか。」

「確か、ソルア ソラカミと言った。」

「え!?」

「ど、どうした?」

アカネの声に、ビックリする。

「その人、俺の父親です。」

「そうか!なるほど!」

クレイが手を握る。

「よろしく!」

クレイが笑った。アカネはそれを見て、少し焦る。

「はいはい、そこ、はしゃがない。」

そこに、1人の女性が入ってくる。

「兵長ー、いつまで新入りいじってるんですか?」

「エミリ、もう仕事は終わったのか?」

エミリ、という女性は眼鏡を上げた。

「こんにちは、ソラカミさん。」

「こ、こんにちは。」

アカネは、あいさつを返す。

「私は、エミリ アルシア、エミリでいいわよ。」

「よろしくお願いします、アカネです!」

「さ、行くわよ。」

エミリがすぐに歩いていく。

「行くって、どこにですか?」

アカネが問う。

「仕事よ、早速、トラブルが起こった見たいなの。」

「トラブル…。」

「相当な魔力の持ち主よ、被害も大きいわ。」

エミリが被害届を見ながら言う。

「よかったな!アカネ!初仕事で死ぬかもしんないぞー!」

クレイが大笑いした。

「やめてくれ!クレイ!」

アカネがクレイを怒る。

「大丈夫、お前は、ソルアの息子だ、死なねえよ。

その後、憲兵の各班は、現場へ向かう。アカネは、クレイと一緒に向かう。

「おいおい、コイツはすげえや。」

現場は、炎に包まれていた。

「これ…1人がやったのか…。」

「ああ、コイツは厄介だ。」

クレイが目を細める。

「行くぞ。」

「はい!」

クレイが走るのを、アカネが追う。

「やあやあ、憲兵の兵長、クレイ アリフ。」

「こんにちは、ガレス アルフトス。」

「ガレス?」

アカネが目を細める。

「おや、新入りか?そこの黒髪ボーイ。」

ガレスが、アカネを見て笑う。

「おっと、君の相手は、僕だよ!」

クレイが、地を蹴ってガレスのところまで飛ぶ。

「ほお、望むところです!」

ガレスが、杖型の魔器具を取り出して、魔力を流し込む。すると、魔器具が炎を先端から出した。

「魔法陣展開、レベル1」

そういうと、ガレスの魔器具から、1つ魔法陣が組まれる。そこか、炎が放出される。

「燃えろ!」

炎はクレイに迫る。クレイは、地を蹴って、炎を避けながら、剣を鞘から抜く。素早く抜かれた剣は、ガレスの魔器具とぶつかる。

「ここで消えて貰うよ、ガレス。」

クレイが力を込めて、剣を押す。

「やだよ、捕まるもんか!」

ガレスが、クレイの剣を弾いて、後ろに大きく跳躍、魔法陣を組み始める。

「今度は、ちょっと強めにいくよ。」

ガレスが杖をクレイに向ける。

「魔法陣展開、レベル2!」

今度は、魔法陣が2列に組まれる。そこから、さっきよりも強力な炎が放出される。

「これは、少しまずいかもしれないな。」

クレイは、ローブの中から、小型の魔器具を取り出した。

「守護魔法陣展開、レベル3!」

クレイが魔法陣を組む。ガレスが組んだ魔法陣より、複雑な魔法陣を組む。炎は、クレイの魔法陣にぶつかり、消滅する。

2人は睨み合いを続ける。

「さすが、剣聖と呼ばれるクレイだ、しかし、魔力の容量は少ないみたいだな。」

「ちょっと、やっかいだな。」

クレイは魔力を消耗して、立っているのがやっとだ。そこの前に、アカネが立つ。

「おい、アカネ、お前がかなう相手じゃない!」

「ほお、度胸はあるみたいだね?」

ガレスが魔器具をくるくる回す。

「ここからは、俺の初仕事でお願いします!」

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