第一部 十二話 昼食と我が家
目を覚ます。
寝たはずなのに、俺は確か神様と会って・・・また寝たのか。
こういうのはあまり人に話さない方がいいかもしれないな。
さて、今日は何から始めようか。
①魔術の強化
②探索の準備
③剣の調査
④仲間の募集
③と④はカイアスが帰ってきてからじゃないと出来ないな。じゃあ今日は①と②だな。
俺は朝食をそそくさと済ませ、朝の街へ繰り出す。すまないが俺は日本人(元)なんでね。食事に時間はかけないんだな。
朝の街では朝市が開催されており、運がよければ品物を普通よりも遥かに安く手に入れることができる。
そのせいか、街を歩く姿は殆どが同業者か仲買人のようだった。
俺は素早く探索用のアイテムを売っている店を漁る。すると路地の中程にちょうど良く、冒険者の専門店があった。恐らくは街を点々とする行商人が開いているのだろう。ここらでは見たことのない品が所狭しと並んでいる。
それらを眺めていると、隅に何やら見慣れた物があった。
よくあるガチャのカプセルのような容器に家が入っている。
おまけにそれは俺の家にそっくり、いや、瓜二つだ。
「このカプセルはなんですか?」
よくわからないので質問する。
「ああ、これかい?これは収縮型野営キットだよ。野営の時はこれに魔力を注げばあっという間に野営地の出来上がりってわけだ。食糧や設備も一通り入ってるよ。でもこれは少し訳ありでね。」
「訳ありというと?」
「いや、魔族から流通してきた品らしいんだがね、なかに入ってるキットが何だか誰も見たことのないテントなんだよ。
作りも頑丈だし、いいんだが誰も詳しい使い方を知らないんだ。だから今なら安くしとくよ。」
そりゃ知るわけないわな。だってそれ俺の家だもの。
「じゃあそれ全部下さい。」
こうして俺は探索&野営用のアイテムをお得に手に入れた。
だが何故、俺の家のレプリカが存在するんだ?おまけに魔族の製品だと?
実は魔族が現実世界に潜入していた・・・わけはないしな。全くもって謎だ。
まあお得に6個もこのポイ◯イカプセル手に入ったしな。この疑問は胸の中にしまうとしよう。
街に鐘の音が響き渡る。
正午を告げる鐘だ。そういえばここのところ日中はクエストに出ていて昼食をとっていない。いつのまにかそれに慣れてしまったのか昼食を意識する事もなくなっていた。
「たまには食べるか!」
こういう暇な日には食を楽しむのもアリだろう。
そう考えた俺は街の食堂へ向かった。
街の食堂は特に高級でも無く安すぎもせず、中流と言ったところか。
残念ながら米はない。ここら一面が荒野なのだから当たり前だ。だったら小麦も・・・とおもったがなぜかここの主食はパンや麺類といった麦製品だ。まあこの際文句はいうまい。
美味しければそれでいいのだ。
俺はとりあえず店員にオススメを頼んでおいた。
しばらくして出てきたのは至って普通のパンとパスタのような食べ物だ。
パンは今まで食べてきたが麺類は初めてである。
とりあえず食べよう。
うまい。
下手するともとの世界のパスタより美味い。
このソースだろうか。手作り感溢れるミートソースが抜群の美味しさである。
これは俺の大好物に追加だな。
そうして俺は感動を味わいつつ店を出た。
さて、腹ごしらえもしたし、次は魔術だ。いちいち詠唱していたのではこの間のような強力な敵に対して使えない。時間短縮できるようなものがあればいいが。
とりあえず魔具屋にでも行ってみるか。




