表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/21

第一部 十一話 技術と勝利

街を歩いてギルドに向かう。

気がつけば既に陽は落ち、夜になっていた。何日か過ごした感じ、イースの時間感覚はどうやら元の世界と同じのようだ。日帰りでクエストが出来ただけマシだろう。

俺はドラゴンの事を考えるあまり、装備以外の何も持っていなかったのだから。


「お疲れ様です。おや、随分とお疲れのようですね。」

ギルドへ帰還し、カイアスの部屋へと行くと、彼女がいた。珍しくカイアスの姿は無い。

俺が今回のドラゴン討伐について彼女に報告すると、

「二等級?いかに最前線とはいえ、魔族がそんな物を投入してくるなんて予想外のケースです。

今回の結果は魔族がまだ私たちの知らない戦力を持っているという事になりますね。まずはクエスト達成お疲れ様でした。ケリィさんにはギルドから後で特別報酬が出ます。」

「そうですか。そういえば、彼はどこにいるんですか?」

いつもなら必ずギルドといえばカイアスと話すのが当然の事だった。こんな時間にカイアスはどこに行ってるんだ。

「カイアス様はただいま遺跡の調査に向かっています。3日後にはこちらにお帰りになるはずです。」

あいつのエセ魔術の開発か。

こうなったらカイアスはリーダー兼技術者のイメージだな。まああいつの魔術の正体は俺しか知らないんだがね。

「では彼が帰るまではどうすればいいのですか?」

「特に新しいクエストはありませんので、何をしてても結構ですよ。訓練や準備に当てもいいかもしれません。」

「分かりました。では。」

俺は一通りの報告を済ませ、ギルドの自室に戻った。四等級のはずがまさかの二等級ドラゴンとの戦闘は始めての俺には過酷の極みだ。

「ふあ〜〜」

ドッと疲れが押し寄せる。

何せ今日が始めての本格的な戦いだったのだ。前の街でも戦いはしたが、あれは正直戦いとは言い難い。

明日からの三日間でやるべきことはたくさんある。

魔術の強化に探索用のアイテム購入。

カイアスが帰ってきたらこの剣の調査と仲間の募集もだ。

目の前の問題から片付けて行こう。


でもその前に今日はもう寝よう・・・


装備を外し、着替えてから俺は眠りについた。



気がつくと、俺はまたあの霧だらけの空間に立っていた。

「やあ、久しぶりだね。調子はどう?」

しばらく聞いていなかったあいつの声が聞こえてきた。

神様だ。俺の現在の状況を作り出した大元の原因がコイツだ。

「久々に現れたと思ったら、次はなんだ?」

相変わらず顔がぼやけている。

「まあまあそんな怖い顔をしないで。ちゃんとこの世界で生きていけているようだね、黒の魔術師さん。今日はアドバイスをしようと思ったんだ。」

「アドバイス?それは俺にとって有益なのか?お前に有益な話なんじゃないのか?」

こいつのやり口はもう分かっている。俺を見て楽しんでいるに違いない。

「お互いに有益な話だよ。まずは騙されたと思って従っておくれよ。

え〜、

君はまずここから先は技術の申し子と行動を共にしなさい。あなたが何かを忘れた時、真実への道が開かれるでしょう。


こんなかんじだね。」

技術の申し子?カイアスの事だろう。じゃあ俺は今のところはこのままでいいってことだな。でも後半はなんだ?何かを忘れた時に真実が見える・・・

忘れてみないとわからないのかもな。まあいいか。

「ふーん、そいつがアドバイスか。そりゃまた大層なのをどうも。」

「そんな邪見にしないでよ。まずはこれに従うんだね。じゃあまた会おう、ケリィ。」

神様が言い終わると急に意識が遠のいて行った。


気のせいか、霧が前より少し薄くなっているような気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ