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――繁華街。
「ごめん! あきほ、けっこう待った?」
モデルの仕事は休み。
「大丈夫。……それにしても久しぶりだね、アリス」
今日は友達とショッピングすることになっている。
彼女とは中学校からの仲だ。
「うん。最近忙しくなってきたんだよね……」
「そっか。今日はその分楽しもっか!」
「もちろん!」
「でさ……アリス。また、木刀持ち歩いてるの?」
木刀を覆ったケースをギターケースのように背負っている。
「護身用だよ。何かないと落ち着かないんだよねー。前も言ったじゃん」
家は剣道場で当たり前のように持たされていた。
恥ずかしいことに、中学の時まで持つことが普通だと思っていた。
「……まぁ、いいけどね?」
「それならもう行こうよ! 時間がもったい!」
「きゃっ……」
「っ……!?」
目の前が輝いた。白く光るネックレスが現れた……?
「なにこれ!? きれい!!」
「えっと、なんなのかな?」
「アリス……、なんで後ろに飛んでるの?」
「なんというか、反射的に……」
咄嗟に反応していた。
変わってるのは分かってるから言わないで。
気配を感じて振り返ると、暗く禍々しい……闇?
「これは……?」
逃げようとする。しかし、抵抗も虚しく吸い込まれていく。
「ペンダントが消えた?」
気付けば、一人佇んでいる。
「あれ、アリス!? どこいるの!?」
一瞬の出来事だった。