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冒険の書  作者: Shinji
11/23

1-3

――廃れた商店街の裏路地。


 蹲っている学生。鉄パイプや木刀を持った人相の悪い十数人の男達。


「よぉ……、山下。てめぇ、粋なことすんじゃねぇか」


「……」


 向かい合って山下は立っていた。


「俺らの誘い蹴っただけじゃ飽き足らず、こいつのために俺らの仲間に手ぇ……出すとはよぉ」


 なんで、お前らの仲間にならなきゃいけねぇんだよ。


 べらべらとしゃべっている男は学生を蹴った。


「やめろ」


「あぁ!? なんだ、聞こえねぇよ!」


 更に蹴り上げる。


「……」


「ぐっ……!? やりやがったぁ!! 今日は一人や二人じゃねぇんだぞ!? イかれてんのか!?」


 無意識に殴っていた。


 その勢いでよろけた奴を仲間が支える。


「もうこいつ相手にすんのはやめません? ……怒るとやべぇって、リーダーも言ってたっしょ! やっぱり放っときましょうよ!!」


 支えた男はホストでもしているような格好をしている。柄の悪い男に囲まれて一人だけ浮いているように見える。


 兄貴、んなこと言ってんだ。


 リーダーという言葉に山下は見に覚えがある。


「こんな人数いて、なんでびびってんだよ! アホぐわっ!?」


「帰っていい?」


 松田助けて、ちゃっちゃと帰ろうか。


 学生に目をやる。


「いい加減にしろよぉ……、やっちまえ!!」


「――まかしとき、殺したる!!」


 叫びながら男達が襲い掛かってきた。




「しっかりしろ、生きてるかー。……死んだ?」


 殺風景な空き地に移動して、一旦落ち着く。


「そんなわけないでしょ」


 松田は気を失っているようだ。


「それにしても、君も強いね。本当に同じ人間なのかね?」


「……井上さん、なんでついてきたの?」


 ホスト風の男もついてきていた。


「君に何かあったら大変だからね。……リーダーの弟さんってこと、俺しか知らないですし」


「……腹減ったなぁ」


「聞いといてその態度ですか……。君らは兄弟揃って自分勝手で困りますよ? 直したら?」


「……?」


 山下の前に、黒いオーラを纏った何かが現れた。


「な、なんだいそれ!」


 ……ネックレス?


 黒く不気味なものを光のように放っている。


「っ! ……?」


 反射的に後ろを振向くと、闇があった。


「どこいくんだよ!」


「知らね」


 刺激がほしかったのか、ただの好奇心か、無意識に俺は闇へと近づいた。


「……え?」


 直感だが、死にはしないだろ。


「……消えた?」



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