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「ガルロット族の二人の調子は?」
エルヴィの話から話題を変えた。
「オーカス副団長の食事トレーニングのおかげで随分と健康に見えますよ。オーカス副団長の元からカイル団長の元へ移しますか? 身体的なトレーニングはカイル団長の方が」
「いや、今は暫くこのままでいい」
カイルの元へ行くには、まだ体ができあがっていない。
「承知いたしました。……あの、一つお聞きしてもいいでしょうか?」
「なんだ?」
「殿下はどうして王宮騎士団を増やす計画を?」
サラは僕がこっそりと行っている計画について触れた。
……やっぱり、サラは気づいていたか。今のところ、この計画はカイルとオーカスにしか話していない。
僕は一呼吸置いてから、口を開いた。
「ガルロット族のルイスとグレッグの話によると、レグート国はジェガナ国に事前通告なしに侵略してくる可能性がある。それに備えなければならない」
「彼らの言葉を信じるのですか? と言いたいところですが、最近のレグート国の内政を考えてみると否定できませんね」
「この国を攻めてくるのも時間の問題だね」
他人事のように僕はグッと両手を上に伸ばして、体をほぐす。
サラはじっと僕をいぶかし気に見つめた後、「それで、いったい何を企んでているんですか?」を口を開いた。
まるで僕が悪事を企んでいるような口ぶりだ。
「……勇者落ちの連中に騎士団試験を受けさせようと思うんだ」
そう言って、僕は口の端を少し上げた。




