表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は勇者になるはずだった  作者: 大木戸いずみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

132/142

132

 リーシャを横目で見る。

 無表情で冷静なままだ。彼女にとって、いつものことなのだろう。

「レグネル様ってルナ様といい感じだったんじゃないの?」 

「彼女が奪ったのよ……」

「美男美女でお似合いだったのに……。私の目の保養が……」

「よくここに顔を出せましたわね」

 聞きたくない雑音が耳に入ってくる。彼女たちはコソコソと話すことをやめたのか、あえて私たちに聞こえるように話し始めた。

「レグネル様があの化物を好きになるなんておかしいわ。きっと呪いをかけたのよ」

 もう限界だった。

 私はリーシャのことを化物と言った女性の元へと静かに足を進めた。カツカツッと私のヒールの音がやけに大きく聞こえた。

 私が動き出した瞬間、周りの空気が変わった。緊張感が走る。

「エルヴィ様……」

 リーシャの小さな声が後ろから聞こえた。

 大丈夫よ、リーシャ。あの女に貴女を侮辱したことを後悔させる。

「な、なによ……」

 桃色の髪が特徴的で丸みのある大きな目が私を睨む。彼女の周りにいた女性たちは私の存在に怖気づいたのか、自分は関係ないという表情をして、この場を離れる。

「ちょ、ちょっと、どこいくのよ、卑怯よ」

 逃げ出す女性たちに桃色の髪の女は慌てた様子でそう言った。

 それほど薄い仲だったということだ。偽りの友情が分かって良かったじゃない。

 私は桃色の髪の女の前に立ち、じっと威圧的に彼女を見据えた。ヒィッと小さな悲鳴を上げる。

 喧嘩する度胸もないのに、喧嘩を売るなんて馬鹿じゃないの……。

「さっきの言葉、取り消してくださらない?」

 私は丁寧に重い口調でそう口にした。

「……私は悪くないわ。真実を言っただけだもの」

 桃色の髪の女は絞り出すように声を出す。私はその言葉に顔を顰めた。

「真実を言った?」

「ええ、そうよ」

 彼女は私の殺気に怯えながらも、強く睨みつけて話を続けた。

「この女は怪物よ! 皆、分かっているもの! 魔物によって呪われているんだから! ……私が暴いてやる! 証拠はあるんだもの!」

 桃色の髪の女は甲高い声を上げて、リーシャの方へと勢いよく突進した。私が止める間もなく、女はリーシャの口元を覆う布を容赦なく掴んだ。

「……やめて!」

 リーシャの嘆きの声と共に、女は力強く布を引っ張った。

 次の瞬間、リーシャの隠されていた顔が露わになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ