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私の日記  作者: 白鯨 現
13/14

飲酒

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私はあまり飲酒をしない。

飲めなくは無いが、飲むと色々見えてくる。

飲み屋で飲むのは特に嫌いだ。

人が多くて、更にたくさん見えてしまう。


酔いはじめは、まだ薄ぼんやりとしか見えない、

だがそれはゆっくり線を結び、

姿形がはっきりとしてくる。


それは、すべての人の肩口あたりにいて、

子供だったり、老人だったり、妙齢の女性だったり、

強面の男性のような姿だったりする。


最初はこれらがなんなのかわからなかったが、

いつしかこれがいわゆる守護霊というものだと理解した。


何故ならどいつもこいつも、

慈愛に満ちた表情というやつを浮かべて、

自分が憑いている相手を一心に見つめていたからだ。


しかしこれらのことは別にいい。無害だから。

問題は、それらとは異なるものだ。


見た目は守護霊というやつに良く似ている。

ぱっと見ただけでは分からない。

でも、よくよく見るとそれは、


目の周りに違和感があって、

なんだか少しズレている。


瞳の位置も違和感がある。


口元も奇妙に皮が弛んでいる。


そして、あの独特の温和な笑みではなく、

歯を剥き出して笑っている。


あれらが守護霊の生皮を引き剥がして被っていると気づいたときから、

酔った帰り道でごくたまに見かける

赤黒い肉の塊のような物が何なのか気づいた日から、

私は酒を飲まなくなった。

1人のときだって決して飲まない。


私の後ろに何がいるのか、

知りたくもない。


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