足はちゃんとあるけど、どこにも行けなかった
出歩けるところは限られていた
足元にかかる足枷で
実質どこにも行けなかった
淡い光りがさして
古びたカーテンの隙間から
下界がのぞく
灰色と白色がにごる街の
穏やかじゃない表情がかげる
今日もなんだかあっという間
終わりがきた
暗い影がどこまでもかげり尽くす
じゃそろそろ適当に
死なない程度に食事して
朽ちた小箱のなかで
腐った足を抱えて
寝そべる
頭がとおくへとおくへ
伸びていく靄が
濃くなる誘いだす
意識を失っているときだけが
せめての救い