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第五話 要観察人物

「早く着かないかな~」


「だな~、飛んでいけたらすぐ着くのに・・・・ヘリとか持ってきたほうが良かったかな」


「すぐに燃料切れになって使い物にならなくなるからあまり役に立たないんじゃない」


「いや、めっちゃ役に立つだろ。空から見れば何がどこにあるか一目でわかる。それこそ、集落だってすぐにみつけられるじゃん・・・・今さらだけど持ってこれないかな」


「あそこって死んだ人しか行けないらしいよ。この体はこの世界に来るときに作り出されたんだけど生きてるってことには変わりないからね」


「そうか~、一応俺たち1回は死んだからいけるかなと思ったんだけどな」



目的地に向かう間は特に何事もなかった。そして、煙の上がっているとこまでたどり着くと・・・・


「村かなと思ってたんだけど・・・・でかい街だな」


俺たちがたどり着いたのは、村ではなく街だった。しかもそれなりに大きい。周囲を山に囲まれており、遠くからは煙しか見えない。


「うん、すごくでかいね」


「とりあえずさ、中央にある建物に行ってみようよ。確か役所があるはず」


「へ~ちゃんと調べてきたんだな」


「知らないところに行くんだから当たり前じゃん」


「なら、最初に森じゃなくで街におろしてくれればよかったのにな」


「・・・・早くあの建物にいこう!」


「無視かよ・・・・まぁいいか~」



門のところまで行くとたくさんの人が並んでおり、兵士と思われる人が検閲のようなものを行っていた。

まぁこの世界は戦争中みたいだし、行商人とかに紛れて敵国の工作員などが入るのを防ぐためなのだろう。


「なぁロリッ子、身分証明書みたいなのとか持ってる?」


「いや持ってないよ。それがどうしたの?」


「まじか~」


「なんか問題でもあるの?」


「いやな、この世界って戦争中なんだろ?あそこで兵士みたいな人がいるし、身分証明書とかがないとまずいんじゃないか?」


「たしかに・・・・どうするの?」


「ん~・・・・このままいくか。どうせ街とかに入らないと何もできないし」


「入れなかったらどうするの?最悪の場合、つかまっちゃうかもしれないけど」


「その時はその時でどうにかするしかない」


俺たちは自分たちの順番が来るまでドキドキしながら待っていた。

待っていると二人の兵士が並んでいる人一人一人に魔道具みたいなものを胸のあたりにかざしていくのが見えた。一人一分程度それを胸にかざしており、もう一人の兵士が番号札のようなものを配りながら箱みたいなのに話しかけている。

そして俺たちの番が回ってきた。


「こんにちは、そちらのお二人はあなたと一緒に行動している方々ですか?」


「はいそうですけど・・・・」


「そうですか、ではちょっと失礼しますね」


そういって兵士は俺たち3人の胸に魔道具みたいなものをかざしていき、もう一人の兵士が箱みたいなのに話しかけた後番号札をわたされた。


「今のなにやってたんだろう?」


「さぁな。でも、ひとまず何事もなくてよかったよ」


1時間ほど待って俺たちの番号が呼ばれた。


「354から357番の方!」


「はーい」


「どうぞこちらへ」


俺たちはほかの人と違い、門の近くにある建物に案内され、2階にある部屋へとおされた。

俺たちはドキドキしながら椅子に座った。前には二人の警察官が座っており、机には定番のウソ発見器が置かれていた。一人はメモ用と思われる紙と万年筆を持っている。7人の兵士が壁に沿うように配置されていて厳かな雰囲気を醸し出していた。


「まず、名前と出身地をお答えください」


「名前は姫宮葵、出身地は日本です」


「久神有菜、出身地は同じ」


「姫宮初芽、出身地は同じ」


「二ホン・・・・そのような国は聞いたことがありませんが・・・・一応身分証明書をみせてもらえませんか?」


「あの、それがですね・・・・ないんですよ」


「ない?そちらのお二人もないんですか?」


「「はい・・・・」」


「・・・・困りましたね。魔道具が反応しないので出身地が二ホンということは間違いないと思いますが・・・・ちなみにこの国にはどのような目的で来られたんですか?」


「目的は特にないですね。森の中をさまよっていて偶然この街を見つけたのできたっていう感じですかね」


「なぜ森の中をさまよってたんですか?」


「森をさまよってたのはそこの白髪のロリッ子のせいなんですよ。普通は最初はこういう街に転送すべきなのに、早く魔物と戦いたいからって森の中に転送させたんですよ」


「ねぇ、まだ根に持ってんの?」


「ちがいますー、ただ聞かれたことに答えただけですー」


「・・・・ほんとムカつくわ」


「まあまあ、今はけんかしないで」


「あの、さっき転送とか言ってましたが、それはどういう意味ですか」


警察官は、さっきとは違い、厳しい目で睨んでいた。


「え、えっとですね、ちょっと信じられないかもしれませんが俺たちはですね、その、別世界から来た者なんですよ」


「はい?」


その警察官は、信じられないといった目で俺たちを見ていた。


「そのですね、俺たちはですね、こことは別の世界で死んでですね、転生?してこちらの世界に来たんですよ」


「・・・・信じられませんが、魔道具が反応しないのでうそではない?のでしょうね・・・・最後に一つお聞きしますが、あなたは工作員ですか、またはこの国に害をなすものですか?はいかいいえで答えてください」


「いいえ」


「そちらのお二人は?」


「「いいえ」」


警察官はベルが鳴らないことを確認すると、


「はい、ではこれで終了です。一応あなた方はしばらく要観察人物としてマークされるので、行動には注意してください」


「は、はい」


ヤバイ、要観察人物に指定されてしまった・・・・。

あのおっさんの言う通り、自分の行動には十分気を付けよう。何かやらかしたら即牢屋行きになってしまうかもしれないし・・・・。


「では、次は役所に案内いたします」


「役所?・・・・なんで役所に行くんですか?」


「身分証明書を発行してもらうためですよ。身分証明書がないとこちらもいろいろと困るので」


「そうですか」




「こちらが役所になります」


役所の中は受付があり、その前に椅子がたくさん置かれている。地球の役所とあまり変わらない。


「すいません、この方々の身分証明書を発行してもらえませんか?マーク付きで」


「はい、分かりました。3人で1500クルムです」


「え、あの、お金持ってないんですけど」


「あ、大丈夫ですよ。今回は我々が特別に払いますから」


「あ、ありがとうございます」


俺たちは身分証明書を発行し終えた。

一応この街の滞在が許可され、身分証明書も発行できたのでよかった。あのまま街の滞在の許可が出なかったらまた野宿になるところだったし。

ていうかそもそも最初から街におろしてくれさえすればこんな面倒なことにはならなかったんだけど。

・・・・あれ、そういえば俺たちお金持ってなかったじゃん。ということは結局野宿・・・・

いや、冒険者登録してお金になるものを集めてくれば宿とかに泊まれるかもしれない。さっき役所に入ったときに冒険者登録用受付と書かれた看板が見えたし、それにまだお昼前だからな。


「ふう、やっと解放された~~~!」


「そうだね、ものすごく緊張したよ」


「おまえら、金を稼ぐためにも早く冒険者登録しに行くぞ」


「今日は疲れたし、明日にしようよ。早く宿を見つけて休みたい」


「その宿に泊まれないから言ってんだよ」


「・・・・そうだった。お金、ないんだった」


「まだ昼前だから早くいって稼ぐぞ」


早速俺たちは冒険者登録用受付にいって冒険者登録をした。


「こちらに手をかざしてください」


手をかざすと受付の人がカードのようなものを手をかざしている箱の中に差し込んだ。

手をかざしていると30秒ぐらいたったところでチンという音が鳴り、挿していたカードが飛び出した。

そしてほかの二人も発行を終え、受付の人が確認をしていると急に驚いた表情こちらを見てきた。


「発行が終わりました。・・・・え!?知力と魔力が魔族の平均の10倍以上も・・・・!あ、運動能力は若干低いですね。そしてこちらの二人は・・・・魔力が同じ10倍以上・・・・初芽さんは運動能力が平均の2倍、そして知力が6倍・・・・有菜さんのほうは・・・・知力が少し低いぐらいですかね」


「最初は街のはずなのに、森におりたからな、こいつ。だから知力が低いのは納得だな」


そういうとロリッ子は俺の横腹を肘でおもいっきり突いてきた。思ったよりもめちゃくちゃ痛くて俺は腹を抱えながらうずくまった。


「ふん!」


「あの、身分証明書にはマークがついているのでこのカードの情報は国に報告しますね」


「マーク?何ですか、それは」


「聞いてないんですか?このマークは要観察人物に指定されている人につくマークなんですよ。町や村に入るたびに国にあなた方の情報が送られるんです」


「そうなんですか・・・・何か制限とかあるんですか?」


「何も制限はありませんね・・・・手数料1500クルムは必ず1か月以内に払ってくださいね?それを過ぎたら1週間ごとに100クルムずつ増えていくので」


「ちゃんと払いますので大丈夫です。・・・・よしじゃあ早く金を稼ぎに行くぞ、おまえら」


「わかってるよ。もう野宿は嫌だし」


「楽しみだな~!」


















下手ですが良かったら評価していってください。また、変だなと思ったら遠慮なくご指摘ください。

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