表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おにぎり日和   作者: ひろゆき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/41

 五食目  ーー  まぁ、たまには、ね  ーー (5)

 困らせることに変わりはない。

 プレッシャーである。

           5



 時間は朝へとさかのぼる。

 お助けグッズを眺め、溜め息をこぼす。

 ここでキャラ弁を作っても困るだろうけど、別の困らせ方をしてやろうか、と。

 姉にプレッシャーを与えてやる。

 今回、少し手の込んだ弁当を作り、それが普通だと勘違いさせ、いつかボロが出るように姉にプレッシャーを与えたい。

 そこで考えたのがサンドイッチだった。多少手も込んだものなので、ちょうどいいだろう。

 まぁ、直前までキャラ弁にするつもりで、キッチンまでグッズを持ってきていたのだけど。

 まずは卵。本当に僕の場合、頻度が多いな、と笑いながらも水の入れた鍋へと入れ、茹でる。

 茹で上がれば殻を剥がし、みじん切りにする。歯ごたえを残すために白身を大きく残しておき、それをボールにマヨネーズと一緒に投入する。

 味つけに塩コショウも忘れずに。

 一つ目はこれでよし、と。

 次はレタスを捲り、水に浸したあと、水気を取っておき、トマト、キュウリを細切りにしておく。

 あとはハムにスライスチーズもあればいいだろう。

 まずはパンにカラシバターを塗ると、そこにレタスを敷き、卵をたっぷりと塗る。そしてカラシバターを塗ったパンで蓋をする。

 ……意外と簡単だな。

 もう一つも同じように、カラシバターを塗ってレタスを敷く。今度はそこにトマト、キュウリ、ハムにチーズと重ねていき、パンで蓋をする。

 そしてこれを馴染ませるために、ラップを被せてから上にまな板を乗せておく、と。

「……なんか、意外にも簡単だったな」

 置かれたサンドイッチを眺めて腕を組んだ。

 時計をふと眺めると、まだ時間には余裕がある。何せ、姉にバレないように、いつもより少し早く起きていたので。

「……焼いてみるか」

 残っていたパンをふと思い立ち、トースターに入れた。焼くことで見た目にも変化をもたらそうと。

 ただパンが薄いので、焼きすぎに注意をして。

 焼き上がったパンにこれまで同様にカラシバターを塗り、今度はハムを敷いた上に卵をたっぷりと乗せ、パンで蓋をした。

「……よし。これでいいだろう」

 あとはしばらく馴染ませたあと、半分に切って完成である。

 これで文句はないだろう。ちゃんと、作ってやったのだから。

 逆にプレッシャーを与えてやる。この中身を見たとき、どう説明するのか。

 サンドイッチの切り口から色鮮やかな具材が華やいでいた。

 それを満足げに眺めてしまう。気持ちとは裏腹に、口角がつり上がり、不敵に笑ってしまう。

 サンドイッチ、サンドイッチである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ