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はじまり

 いつもの学校の帰り道。


でも、その日は少し歩くのがつらかった。


『ごめん・・・好きなやつができたんだ・・・』


いつも隣にいた彼がいないから。


思い出したら、また涙が出てきた。


少し止まって、目元を手で乱暴にぬぐった。


―――――次の瞬間、腹部に鋭い痛みが走った。


続いて横からも。


・・・・なんで・・・?


そのまま、倒れそうになったら今度は背中に何か刺さった。


よろよろと前に出たら、今度は私に迫ってくるダンプカー・・・



――――――そこで私の意識は途切れた。



――――――――――――――――――――――――――




『こんにちは』


「こ・こんにちは」


急に、目の前にいる金髪の美女に話しかけられた。


『・・・・・・・』


「・・・・・・・」


チーン。


会話終了。


 なんかしゃべってくれないかなぁ。


 目の前の名無しの美女さん・・・腰まで伸びた美しい金色の髪に緑色の目をしていて真っ白な深いスリットの入ったセクシーなドレスを着ている・・・は、机に頬杖をついてこちらをジッと見つめてくる。


 ううっ、何かミステリアスな雰囲気を醸し出している美人さんにそんなに見つめられると同姓だというのに顔が赤くなっちゃうよ!!あっ、何か鼻から垂れてきた・・・


『ちょっ、ちょっと大丈夫っ!?』


 いきなり顔を赤くして鼻血と出した私にギョッとしたのか、目の前の美女さんが慌ててこちらに身を乗り出してきた。



 ギャー!!来ないでください!!余計に鼻血が出てしまいます!!!


 

 そんな私の思いも届かず、彼女の美しい顔が私の目の前に来てしまった。


・・・もう駄目だ。



 私は鼻から勢いよく鼻血を吹き出し、意識を失った。


 意識を失う直前に見えたのは、血のせいで斑になったドレスだった・・・。




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