表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/428

77回 本隊合流からの敵勢力への攻撃

 邪神官とイビルエルフは部隊を展開していく。

 ユキヒコの策の通りに。

 その為に、既に実施していたユキヒコの参加していた部隊から、指導役のゴブリンが他の部隊に加わっていく。

 作戦内容を知るだけなら指揮官達に伝えれば事足りる。

 しかし、実際にどんな作業が必要なのかまでは分からない。

 そこを補う為に、兵士に直接伝える者達が必要になる。

 それを担う者達が多数あちこちの部隊に入っていった。

 可能な限り大勢にやり方を教える為だ。

 その為にユキヒコの所にいたゴブリンが100人ずつ他の部隊に加わる。

 これくらいの人数がいないと一人一人の兵士にやり方を伝えられない。

 一人二人の教官を派遣して終わり、とはならないのだ。

 それこそつきっきりで手取り足取り教えねばならない。

 でなければ経験の伝授など出来るものではない。



 代わりにユキヒコの所には他のところから100人ずつやってくる。

 これで部隊の総数は変わらない。

 頭数だけならば同じ状態になる。

 しかし、経験のない者達を加えるので兵力という面では落ち込んでしまう。

 こればかりはしょうがない事なので文句は言えない。

 やってきた者達に色々と教えていくしかない。

 実際に作業をしてきたユキヒコ達も、結局は訓練に時間をとられる事になる。



 しかし、このおかげで各部隊に必要な知識や情報が流れる事になった。

 実際にやって上手くいくかどうかは分からないが、失敗は大幅に減るだろう。

 全く何も知らない状態ではない。

 教わった分くらいは何かが向上している。

 その向上分が作戦の成功率を上げてくれるはずだった。


 そして動き出していく。

 合流した本隊を加え、総勢1000程の軍勢が動いていく。

 なお、本来1500は兵がいるのだが、このうち100余りは先に別方面に連れていっている。

 これらは今後の布石であり、同時に捨て石でもある。

 頭数だけ見れば勿体ない事ではあるが、まともに使えない駒など必要が無い。

 もとよりゴブリンの中でも粗暴だったり無能だったりする者達である。

 いない方がまだマシという事もあり、戦力として勘定はされてない。

 それらを差し引いても、更に幾つかが戦場以外の場所に散っている。



 200余りのその他は、後方との連絡のために配置されてる者達などである。

 これらが一定の距離毎に待機して、伝令の中継や道案内などをしていく。

 それらを除いた者達が純然たる戦闘部隊となっていく。

 このうち、邪神官やイビルエルフなどがいる司令部要員が陥落させた町に残り、当面の占領を続ける。

 その残り、およそ1000近く。

 これが実際の作戦要員となる。

 ユキヒコはこれを更に三つに分けて作戦を開始していった。



 それぞれの部隊がやる事は基本的に同じである。

 村を一つ一つ潰していき、避難民を作っていく。

 物資と女を奪い、残った連中を町へと送り込む。

 送り込んだ者達が町を食いつぶすまでの間、外部との連絡手段や物資の搬入を阻止する。

 これを繰り返し、敵を確実に追い込んでいく。

 目の前にいる負傷者。

 減少していく食料などの物資。

 外部との連絡の途絶。

 商人などによる物資運搬の消滅。

 これらが町の者達の精神を追い込んでいく。

 まだ食料に余裕があり、ゴブリンらが襲ってきてないのに。

 先々への不安は焦りを生む。

 予想される先のない未来は、状況の打破を求める。

 少なくとも現状への不満を抱く。

 その現状が破滅しか想像出来ない未来に続いているからだ。

 これを変える為に、今の状態を壊す事を求めてしまう。

 そこで必要なのが、苦しい現状を耐え忍ぶ事であってもだ。

 結果として、いたずらに無駄な騒ぎを起こし、余計に疲弊していってしまう。

 軍勢が手を下すよりも先に自ら弱っていってくれる。

 そうなってからゴブリンが止めを刺していく。

 多少なりとも弱ってる人間はゴブリンでも簡単に制圧できるようになっている。

 まともな抵抗が出来る町など全く無かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ