71回 相手の力をそぎ落とすため 3
町の見張りに何人かのゴブリンを潜伏させ、その他は街道沿いに潜伏させる。
隠れる場所はそれなりにあるので困る事はない。
あとは相手がやってくるのを待つだけだ。
その使者は村人達が町に逃げ込んでから三日で出て来た。
人数は20人。
予想よりも少ない数だった。
おそらくそれ程余裕が無いのだろう。
怪我を負ってる村人の世話も考えれば、人手を余計に割くわけにはいかない。
あるいはゴブリンの襲撃を警戒してるのかもしれない。
何が理由であるのかはユキヒコ達に知る由もないが。
それでも、与しやすい相手であるのはありがたかった。
救援を呼ぶ使者は、待ち伏せしていたゴブリン達に襲われていった。
その中で死んでしまった者はともかく、生きて捕まった者は悲惨な目にあっていく。
村人達と同じように、例外なく片手片足を潰され、目も片方は潰される。
指は両手とも破壊され、物を持つことが出来なくなる。
これらは幾らか時間が経過したら解放して町に戻す予定である。
また、使者が移動に用いていた馬は、捕獲が出来たものは今後利用していく事になる。
使役出来る家畜が増えるのはありがたい。
同様に町に向かっていく行商人なども襲っていく。
これらも村人や使者達と同じ扱いを受けていく。
生きて捕らえられた者達は悲惨な目にあっていく。
運んでいた商品は当然ゴブリンが奪っていく。
捕らえた者達は逃げ出さないように拘束し、死なない程度にいたぶっていった。
力が残っていたら抵抗するだろうから、可能な限り痛めつけておく必要がある。
体力も使わせて消耗させねばならない。
当然ながら食事を与える事もない。
全く動けなくなっては困るが、抵抗が出来るほど体力があっても困る。
そこを見極めながら痛めつけていく。
10日ほどそうして様子を見ていたところで、捕らえた者達を解放する。
当然ながら町へ向かって逃げるよう仕向ける。
それに逆らうようなら、仕方ないが殺していった。
さすがにそれを見た他の者達は、体を引きずるように町へと向かっていった。
使者と護衛、そして商人達は痛みと疲労で重い体を無理して動かしていった。




