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61回 ゴブリン、襲撃する 2

 出発した翌日。

 ユキヒコ達は目的地にたどりついた。

 襲撃予定の敵地ではない。

 活動の中心とする野営地にだ。

 そこそこ開けており、近くに小川がある。

 それなりに手を加えれば居住する事は難しくない。

 まずはここに寝床などを作る事から始まった。



 三日ほどでどうにか寝起きする場所が出来上がった。

 ちょっと強めの風雨が来たら崩れ落ちそうであったが、そこは気にしない。

 それまでユキヒコは逗留するつもりはない。

 あとはこの場に留まる落ちこぼれのゴブリン達がどうにかすればよい。

 そこまで面倒は見きれなかった。



 そんな活動拠点から何人かのゴブリン達を引き連れて、ユキヒコは人里へと向かっていった。

 これも事前の調査である程度の地理は判明している。

 どこに村や集落があるのかは分かってる。

 その中でも比較的近くにある場所へとゴブリン達を案内していく。

 規模もそれほど大きく無い。

 ここにいるゴブリンだけで襲撃をかけても殲滅出来る程だ。

 それを見つからないよう遠目から見せていく。



「あそこだ」

 連れてきたゴブリン達に伝えていく。

「この近くにあるのはあれだ。

 みんなで襲えば簡単にいく」

 聞いてるゴブリン達はそれだけで興奮していく。

 目の前に獲物がいると分かって目が血走っている。

 他にも色々と血走ってるだろう。

 そんなゴブリン達を、

「落ち着け」

となだめる。

「あれの他にも獲物はあるから。

 そっちも案内するぞ」

「なに!」

 ゴブリン共は驚いた。

「まだあるのか?」

「どこだ!」

「早く、早く!」

 新しいオモチャをせがむが如く、次を求めてくる。

 そんな連中を連れて、ユキヒコは更に別の場所へと案内していく。

 当面の襲撃先に困らないように。

 少しでも長くこの近辺で暴れてもらう為に。



 必要な情報を教え、一度戻って夜を待つ。

 さすがに日中に襲いかかるのは危険だった。

 見つかる確率が上がるし、全員が家の中にいるわけではない。

 外にいた者が目撃して通報する可能性がある。

 それはまだ避けたかった。

 その為、全員が家屋に入ってるであろう夜を待った。

 全員、生かして逃さない為に。



 100人のゴブリンが全員動き出していく。

 それらが村に至る。

 興奮が最高潮を突破してるゴブリン達は今か今かと待っている。

 村を囲む浅い堀と土塁。

 その向こうに自分達の獲物がいると思うと、我慢も限界を超えていた。

 それでもすぐに飛びかからないのは、指示を出すユキヒコがいるからだ。

 いかにゴブリンの中での落ちこぼれであっても、ユキヒコに逆らうほど馬鹿はいない。

 規律を教えるユキヒコに逆らって殺された者達の姿を見てきたからだ。

 逆らえばどうなるかを忘れるほどここにいるゴブリンは愚かではない。

 そんな奴はとっくに殺されて死んでいる。

 そうしないでいるだけの分別を持ち、だから生き残った者がここに残ってるのだから。

 そんなゴブリン達にユキヒコは、

「もういいぞ」

と告げる。

「遠慮する必要は無い。

 好きなだけやってこい」

 それを聞いたゴブリン達は、歓声を上げて集落に向かっていった。

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