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410回 善悪の狭間にあるもの

 また、調和・均衡・中立と言って善悪を混合しようとする。

 良きものと悪しきものを並べ立てようと。

 それにより中立を生み出そうとする。

 だが、そんなものなど存在しない。



 善悪に中間はない。



 善でも悪でもない……そんなものは存在しない。

 善と悪の間には決して交わることの無い境がある。

 そして、それは表裏一体でもない。

 立ち位置や見方で変わるものでもない。



 澄み切った真水に、ほんの少量の汚物を入れるようなものだ。

 それだけで真水は飲めなくなる。

 残るのは濁り汚れた水だ。



 善と悪を混ぜるのはこういうものだ。

 澄んだ水ならば飲むことも出来るだろう。

 だが、濁り汚れた水をどうやって飲むことが出来るのか?

 再び飲むためには汚濁を取り除かねばならない。



 それのどこに中間があるのか?

 汚濁が混じればそれはもう真水ではない。

 にも関わらず両者の中間を求めてどうするのか?



 善悪もこれと同じである。

 わずかでも悪が混じれば、それはもう悪でしかない。



 中間など存在しない。

 中立などありえない。

 あるのはどちらかだけである。



 調和・均衡・中立を作る事を目的とした魔術装置。

 それはこの無理を押し通していった。

 善と悪を混じり合わせようとした。

 悪人を善人の中に放り込み。

 善人を悪人の中に放り込んでいった。



 ごく普通にくらしてる者達。

 その中に悪人が放たれた。

 一瞬にしてその集団には様々な悪事が発生した。

 詐欺に暴行に強盗、破壊に殺人。

 中間状態など全く存在しない。



 悪人の集団に善人が放り込まれた。

 善人は悪人の餌食になった。

 死ぬまで働かされる奴隷になるか。

 遊びのためにいたぶりもてあそんだ。

 そして、善人は死んでいった。

 遅かれ早かれ。



 そういった状態をただすために、善人も立ち上がった。

 悪人悪党を排除し、まっとうな状態を取り戻そうとした。

 魔術装置はその動きを潰していった。

 調和と均衡による中立状態を崩壊させるからだ。



 かくて悪事におびえる日々が始まった。



 善悪の狭間、中間たる状態。

 それはこのようにして達成された。



 魔術装置はこんな状態を続ける事を望んだ。

 望んであらゆる手を尽くしていった。

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