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394回 どれほど偉大な出来事に思えても、既存の技術を使ってるだけでしかない

 創造というならば、何もないところに何かを生み出すべきだろう。

 そういう意味で言うならば、ユキヒコがやったことは創造ではない。

 変化や変性といったものになるだろう。

 存在してるものを変えただけなのだから。



 それは、宇宙と言う既に存在するものを使っただけだ。

 何もない虚無の中から何かを取り出したわけではない。

 無から有を作ったのではない。

 そこでユキヒコは躓いた。



「……どうすりゃいいんだ?」

 手詰まりというべきだろうか。

 壁にぶち当たってしまった。

 色々と試してみたが、それでも先に進めない。

 たとえ星を作っても、生命体をこさえてもだ。

 覚醒階梯に変化はない。

「何が必要なんだか」

 次に進むための何か。

 それが何であるのかが分からなかった。



 今までならば、まだどうにかなった。

 自分自身、そして周囲にあるもの。

 それを見ればよかった。

 そこから答えにつながる何かが見つかった。

 しかし、今は違う。

 何をどうしていいのか分からなかった。



 ただ、それで何となく分かったこともある。

 既にあるものを変えるだけではいけない。

 それは既に通ってきた場所だ。

 覚醒階梯でいうなら、第5段階にあたる。

 物体に作用するというのは、ここで既に出来るようになっている。



 生命を吹き込むこともだ。

 それは第6段階になるだろう。

 世界に、宇宙に満ちている気。

 それに手を伸ばし、動かすことと本質において同じだ。

 そこから気を呼び込み、物体に入れていく。

 そうして物は生命体として動き始める。



 星を作るといった事はこれらの延長でしかない。

 やるのに多大な力が必要だが、覚醒階梯がそこに到達してるなら可能だ。

 その力も、覚醒階梯が上昇した事で手に入ったのだから、全く無関係というわけではない。

 ただ、絶対に必要な条件ではないという話である。



 ならば、次の段階に進むのに必要なのは何か?

 そこが見えてこない。

 既に出来ることの中にも、答えにつながる何かはあるかもしれない。

 そうだとしても、何が答えなのか。

 それが見つからない。

「何なんだよ」

 様々な事を試した。

 ありあまる時間と空間を使って。

 そこで思いつく全てを行った。

 覚醒によって拡大した能力の全てを注ぎ込んで。

 しかし、結果は出ない。

「ここまでなのかな……」

 覚醒の限界がここなのかと思いはじめる。




 だが、どうしても気になる。

 何かを見落としてる気がした。

 それが何であるのかが分からない。

「たぶん、何かあるはずなんだけど……」

 えてしてこういう時は、無意識のうちに放り出してる何かになる。

 意識してないから視界に入らない。

 それが目の前にあっても、そこに意識が向かない。

 そんな状態になってるのではないかと思った。

「としたら……」

 あらためて考えてみる。

 自分が今まで何をやってきたのかを。

 そして、何をしてこなかったのかを。

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