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360回 不利な戦況、それを覆すべく勇者達は動いていく

「俺たちもついに出撃だ」

 勇者の声に聖女達が緊張をあらわにする。

「いよいよだな」

「ようやく、って気もするけど」

「早かったのか遅かったのか」

 思いはそれぞれだ。

 いずれやってくるものだとは思っていた。

 だが、それがやってくるまでに敵はずいぶんと食い込んで来てしまっている。

 前線は後退し、数多くの避難民が発生してしまってるとも聞く。

 また、どこからともなく侵入した魔族が、前線から離れた場所にある村や町を襲ってるとも。

 それらを野放しにしているわけにはいかない。

 勇者として、聖女として。



「でも、気をつけてくれ。

 出撃した他の勇者や聖女が戦死してるから」

 注意も忘れずにしていく。

 勇者の言ってる通り、既に出撃した勇者達が敵に倒されてるという話も耳に入ってる。

 油断は出来ない。

 敵の攻勢はこれまでにないほど激しいのだから。

「全員で生きて帰ろう」

 その言葉に聖女達が頷く。



(大丈夫かな)

 勇者の言葉を聞きながら、聖女ユカは一つ心配をする。

 最前線にいるはずの幼なじみの事を。

(義勇兵だけど、生きてるよね)

 仲の良かった年上の男の子の安否を気遣う。

 彼が義勇兵として最前線にいるのは分かってるが、その消息は不明だ。

 聖女という立場であるので、情報はそれなりに入ってくる。

 しかし、細かな部分までしらせてくれるわけではない。

 全体の趨勢や推移はともかく、そこに居る一人の動向まで分かるわけではない。

 だからこそ、大切な知人の状況も分からない。

 ただ、祈るしかない。



 でも、分かってる事もある。

 彼の無事を確保する為にも、敵を倒さねばならない。

 そうすれば戦場の負担は減る。

 兵士達が死ぬ可能性も減る。

 仲間が生き残る可能性が高くなる。

(がんばらないと)

 聖女としてだけではなく、幼なじみとしてもやる気を出していく。

(だから、死なないでね、ユキヒコ)

 この場にいない幼なじみに向けて声をかける。

 胸の中で。



 その願いは確かにかなっている。

 まだユキヒコは生きてるし、無事に活動を続けている。

 ただ、それがユカの望む形でないというだけで。

 聖女といえども神ならぬ身であるユカに、それを知るよしもない。

 まして、無事を願う相手との再会が迫ってる事も。

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