表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
338/428

338回 敵もそれなりの対応策を考えていく 3

 異種族連合もそれを黙って見ていたわけではない。

 敵が結集していく前に、潰せるところは潰していく。

 壊滅させられなくても、少しでも人数を減らすために攻撃を仕掛けていく。

 集まって巨大化していく敵にあわせて、異種族連合も結集していく。

 一撃離脱の遊撃戦を仕掛けながら少しずつ敵を削っていく。

 そうしてほんの少しでも敵を減らし、今後につなげようとしていく。



 それでも敵は相当な数が撤退を成功させる。

 縮小した分だけ敵は密集し、防衛力を増大させた。

 そうなるとさすがに簡単に手は出せない。

 やむなく異種族連合は攻撃を控える事になる。

 だが、それはそれで問題はなかった。

 撤退撤収に伴って放棄された地域も大きくなる。

 そこには持ち出しきれなかった食料や物資が残っている。

 それらを回収する事で、いくらか備蓄を作る事が出来た。

 今少し活動時間を延ばす事が出来る。



 そしてイエル側の軍勢は正面から来る敵に向かっていく。

 迫る7万の敵を前に、予備陣地にて迎え撃つ。

 その数、4万。

 数では劣るが、陣地を用いる事で劣勢を補っていく。

 そんな所に不用意に仕掛ける事もなく、異種族連合は予備陣地の前に陣取った。

 そのまま双方のにらみ合いが続いていく。



 敵の前に陣取る事になった元遊撃隊長には、後方からの指示が届いていた。

『敵陣の前の布陣し、時間を稼げ。

 こちらから仕掛けて損害を出すことのないように。

 長期戦に持ち込むこと』

 それが出された指示である。

 言われて元遊撃隊長もなるほどと納得する。

 敵のこもってるのは、野戦築城で作られたもの。

 防備そのものはしっかり建設された砦や要塞には劣る。

 だが、守りを固める為に設置されたそこに攻め込めば、少なくない損害を受けるだろう。

 それよりは敵の前で立ち止まり、機をうかがう方が良い。

 それで敵が出てくれば儲けもの。

 陣地にこもってるよりは倒しやすくなってくれる。

「すぐに陣地をこしらえろ」

 腰を据えての攻略を意識して、元遊撃隊長は指示を出す。



 敵の前に陣取るといっても、何もしないでいるというわけではない。

 敵の襲来に備えてそれなりの防備は作っていく。

 土を掘り、土嚢を造り、それを積み上げて防壁を作るくらいはしていく。

 近くに森林があるならば、それを切り倒して柵を作る。

 たとえ簡素なものであっても構わない。

 それなりの備えがあれば、戦闘もやりやすくなる。

 長期戦にもちこむためにも、敵の攻撃をしのぐものを作っていかねばならない。

 その構築に彼らは時間をかける事にした。



 その間に異種族連合の本隊は更に奥地に結集していく。

 国境地帯の制圧にも数を割かねばならないので、全軍というわけにはいかない。

 それでも6万という数が集まってくる。

 相応の時間が必要だったが、その時間は状況が作ってくれた。

 敵が戦線縮小の為に撤退したこと。

 敵が前線に向かっていったこと。

 それらが敵地侵入部隊を集結させる時間になっていった。



 集まった部隊は隊列を組んで敵領の中に更に食い込んでいく。

 敵に見つかる事は考えてない。

 住人が避難したあとの無人地帯だ。

 発見を恐れる必要は無い。

 そのまま先に進み、目的地へと向かう。

 先行して偵察していた者達の案内を受けながら、軍勢はこの地方と隣接する境目辺りを目指す。



 侵攻した異種族連合に対して、敵は援軍を呼ぶ。

 そんな事は当然想定されている。

 それを阻む為に、地方の境目あたりを襲撃し、妨害を施していく。

 増援を阻み、同時に敵の兵力を少しでも分散させる。

 あわよくば敵兵力を削っていく。

 その為の部隊展開だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ