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336回 敵もそれなりの対応策を考えていく

「どうすればいい?」

 会議にてヒサカゲは問いかける。

 現状を打破して敵を打ち破る方法を。

 しかし、列席する重臣達から提案が出てくる事もない。

「どうにかしたいのは山々ですが……」

「敵の位置がつかめない事にはなんとも」

 結局それが問題になってしまう。

 敵を倒さなければ状況は変わらない。

 しかし、敵を見つける事が出来ないから被害が出続けている。

「現在、大規模な捜索を行ってますが、結果はまだ……」

 どうしてもそうなってしまう。



 捜索はなされている。

 敵の出現位置をつかみ、そこに残る痕跡から居場所をつきとめようとしている。

 出現位置から、活動・行動範囲を割り出し、活動拠点になってる場所を探そうとしている。

 しかし、それらはなかなか進まない。

 探索に出てる者が帰還しないという事が多発してるからだ。

 それもかなりの規模で。

 それが探索を難航させている。



「いっそ、未帰還がよく出る地域などにあたりを付けようとも思ったのですが」

「上手くいってないのか?」

「あらゆる方面で未帰還が出ておりますので」

「それだけ大量に入り込んでるというのか」

「おそらく」

 厄介だった。

 これでは出没地域から敵の位置を割り出すのも難しい。

「それに、正面から迫る敵もいます。

 これを放置するわけにもいきませんので」

「そうだな」

 それも問題だった。

 数万という敵が真っ正面からやってくる。

 これも無視するわけにはいかない。



「そこでです」

 重臣の一人が声をあげる。

「まず、正面から迫る敵を討ちます。

 これにより、直接の脅威を取り除きます」

「……それで?」

「それから敵に反撃を加えます。

 具体的には、後退した前線を元に戻し、敵を押し返します」

「出来るのか?」

「各方面から撤退してきた兵を合わせれば可能でしょう。

 敵は数は多いがゴブリンが主力です。

 同数とまでいかなくても、相手の七割もいれば巻き返しは可能かと」

「その為の兵力はどうする?」

「避難民から徴募します」

「なるほど」

 それならば数はどうにかなる。

 そのほとんどが訓練もされてない一般人ではあるが。

 ゴブリンが相手ならばそれでも十分だろう。

「しかし、そうなれば敵も黙ってはいないだろう。

 後方を脅かしてくるのでは?」

 実際、今まではそういった事をしてきていた。

 今回を見逃すとはとても思えない。

「そこが狙いです」



 異種族連合が後方攪乱をしてきてるのは既に分かっている。

 ならば、それを迎撃する形をとる。

 輸送を狙うなら、それを餌にして敵を釣る。

 その為に、輸送部隊に多くの護衛を付ける。

 輸送路沿いに大量の部隊を展開してもよい。

 手間はかかるが、それが一番効果的だろう。



「何より、目的は襲ってくる敵の発見ではありません」

「というと?」

「敵根拠地の殲滅です」

 それが一番効果的で、現在考えられる最善の手段だった。



「敵も拠点もなしに活動してるわけではないでしょう。

 どこかに中心地があるはずです。

 それを壊滅させて、活動を停止させます」

 やるとしたらそれしかないだろう。

 一つ一つの細かな襲撃に対応するより、根拠地を潰した方が効果的だ。

 だが、それが出来るかどうかというのが問題である。

「しかし、どうやってやる。

 敵の軍勢は巨大で、こちらから仕掛けるのは難しいぞ」

「確かにその通りです。

 ですので、各地にいる兵力を終結させます」

「だが、それでは放棄する地域が出てくるぞ」

「それも覚悟の上です」

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