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321回 手に入れた知識や技術を惜しげもなく使っていって発展を促す

 覚醒階梯が上がって更に様々な事を知るようになったユキヒコ。

 それは様々な分野におよぶ。

 当然ながらその中には科学技術に関わるものもある。

 それらをユキヒコは惜しげも無く開示していった。

 それはヨウセンだけでなく、その臣下や彼の治める地域の者達にもだ。

 おかげでヨウセンの統治範囲では劇的な変化が発生してきている。

 学者や職人が新たな発見や発明をしていっている。

 正確に言うならば、ユキヒコの示した様々な知識や技術を具現化してるだけなのだが。

 それでも出来上がったものは、既存の知識や技術を過去の遺物にするようなものがほとんどだった。

 それらが今後もたらす成果を考えると空恐ろしい事になる。



 その萌芽は既に様々なところに出てきている。

 大がかりなものはさすがに無理だが、小規模な工房でも生産可能なものならば既にいくつかは形になっている。

 大がかりな工場が必要になるものは、出資者の商人も含めて大がかりに動き出している。

 とりあえず、数年以内に社会全体の生産性が大幅に向上していく事は疑いがない。

 学者にもたらされた知識を元に、新素材の開発などもはじまっている。

 また、農法なども飛躍的に向上し、この後の収穫の増大が見込まれている。



 また、必要な資源の埋蔵地についても伝えられている。

 特にイエル側にある埋蔵地の情報は。

(そこを取れという事なんだろうな)

 ユキヒコの意図を察して、ヨウセンは大きく息を吐く。

 その苦労を考えると気分が重くなる。

 しかし、手に入れる事が出来れば大きな発展を手に入れられる。

「やるしかないか……」

 わざわざ避ける理由もない。

 それらを踏まえて今後の戦略を練り直していく。



 それでもヨウセンには勝算があった。

 もたらされた知識と技術の中に銃がある。

 それを用いれば、戦力は格段に増強される。

 その試作品の開発も完了する頃だ。

 量産されて部隊に配備されるようになれば、敵を蹂躙する事も可能である。

 それを手にして、ユキヒコが教えてくれた地域を制圧していくつもりだった。



 そういった銃にしろ、新たな産物にいろ、出来上がるまで時間がかかる。

 更に世間に拡大するまではもっと時間がかかる。

 それもまた、何ヶ月とか何年という時間が必要だった。

 これまた、ユキヒコが実行しようとしてる事と、それらが行き渡るであろう時期がほぼ一致する。

 偶然の一致か、はたまた狙っているのか。

 そこは本当に分からない。

 しかしヨウセンは、それもまたユキヒコが持ってる何かによるものだと思っていた。

 絶大な能力か。

 あるいは幸運といういわくいいがたい何かなのか。

 さもなくば運命や宿命なのか。

「そういう星の下に生まれてるんだろう」

 全てをひっくるめてそう思う。

 思わねば納得できないものがあった。

 それがヨウセン達にとって不幸なものでないのがありがたかった。

「このまま続いてくれるといいが……」

 それもまた、人知の及ばぬ何かによって変わるかもしれない。

 天の配剤というようななにかによって。

「神のみぞ知るか…………。

 いや、神に立ち向かう者にはふさわしくないか?」

 何にせよ、それはヨウセンの立ち入れる領域ではなかった。

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