表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
287/428

287回 こちらとあちらの部隊展開とそれにまつわるあれこれ 4

 しかし、数が数である。

 5万となるとおいそれと襲いかかるわけにもいかない。

 下手に攻撃をしかければ、確実に返り討ちにあう。

 一丸となってるからこそ簡単に見つける事は出来た。

 そして、ひとまとまりになってるから簡単に攻撃できなかった。

 ある程度分散してくれてれば良かったのだが。

 そういう器用な動きが出来ないほど、一人一人の状態がよろしくない。

 だからこそ、下手に攻め込めないほどの大軍になっていた。



「とはいえ、このままというわけにもいかないだろう」

 遊撃隊を預かる者は状況を憂慮する。

「何もしないでいるなら、我々がここにいる意味が無くなる。

 わざわざ遊撃を任されたのだ。

 それなりの事はしなければ」

「だが、どうやって」

 敵の数と現有兵力の差に二の足を踏む。

 やらねばならない事は分かっていても、やりようがない。

 敵の軍勢に、この数でどうするのか?

 主立った者達はやらねばならない事の難しさに頭を抱える。

 そんな中でグゴガ・ルが口を開く。



「そこまで難しく考える必要もないだろう」

「なに?」

「我々の仕事は敵を倒す事ではない。

 出来ればそうしたいが、それだけが求められてるわけではない。

 そうではないのか?」

 その通りである。

 遊撃隊に求められてるのは、遊撃である。

 情報を集め、時に敵に襲撃を行い損害を与える。

 また、攪乱も求められる仕事の一つだ。

「ならば、敵を倒す事は考えなくてもいい。

 やるにしても、後回しにすればいい。

 それが主な目的ではないはずだ」



 それはグゴガ・ルの確信である。

 ゴブリンとしてユキヒコと共に行動してきた経験が言わせている。

 ユキヒコは勝利を求めてはいなかった。

 誤解のある言い方になるが、戦闘で勝つ事を求めてなかった。

 もっと言えば、戦闘は極力回避しようとしていた。

 それは損失を恐れていたからである。

 何より、ゴブリンではまともな戦力にならないからだ。



 その為、直接戦う事は避けた。

 それ以外の部分で勝つ事を目指した。

 敵との会戦は望まなかった。

 忍びより、潜入していく事を求めた。

 奇襲になるよう常に考えていた。

 敵を罠にはめるように努力していた。

 何よりも先に敵を見つけ、気づかれる前に攻撃をしかけて倒す事を求めていた。



 その姿勢や考え方はグゴガ・ルにもしみこんでいる。

 最も近くで見ていたから、それは血肉となっている。

 根本的な考え方になってると言ってもよい。

 そんなグゴガ・ルだからこそ、この遊撃隊がとるべき戦法を思いついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ