表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
262/428

262回 どんなに強くても一人で出来る事に限りはあるから

 覚醒階梯も上がり、出来る事は更に増えた。

 ひとりで市街や都市を陥落させる事も出来る。

 それこそ。市町村程度の範囲ならば問題なく一人で壊滅させる事も可能だ。

 もっと広範囲に影響を及ぼす事も出来る。

 しかし、それでも全ての面を制圧出来るわけではない。

 効果を及ぼせない場所はどうしても出てくるし、それはまだまだ広い。

 そんな手の届かない場所は、友軍に任せる事になる。

 その友軍を育てる為にも、ユキヒコが全部を片付けるわけにはいかない。

 まずい状況になれば能力の全てを発揮して介入するつもりではいる。

 だが、そうでないなら一人一人に努力してもらわねばならない。

 でなければ成長などありはしない。



 特に敵地の情報収集はソウスケに任せている。

 その為の組織構築なども含めて。

 彼が作り上げていかねば意味がない。

 手助けはするが、代わってやるわけにはいかない。

 今はより一層の情報収集をソウスケに任せるしかない。



「とにかく情報を集めてくれ」

 あらためてソウスケに頼む。

「どんな小さな事でもいい。

 分かったこと、気づいたこと、何でもいいから情報を集めてくれ」

「分かってる」

 ソウスケとてそれは心得てる。

 ここで自分が頑張らねば、情報網など作り上げる事は出来ない。

 時間も手間もかかるが、少しずつ作り上げるしかない。

 また、今出来上がってるものがどれだけ機能するのか。

 それを確かめる良い機会でもある。

「なるべく頑張ってみるよ」



 敵地を巡ってそれなりの月日が経つ。

 その間に行商人としてものし上がった。

 敵から奪った物資を元手に。

 同じ志の者と、異種族連合/魔族から来た者達と共に。

 これを基幹としてはじめた商売は、思いのほか上手くいった。

 戦線の縮小に伴い、居場所を失った者達がいたのも幸いだった。

 おかげで比較的安く労働力を確保する事が出来た。

 それらを育てて、今はあちこちに行商に行かせている。



 物資不足もあいまって、商売はかなり順調に進んでいる。

 事業規模も大きく拡大してる最中だ。

 混乱してる状況だからこその商機である。

 また、混乱してるからこそ、異種族連合側の人間が混じっても誰も気づかない。

 それらを利用してソウスケの事業は急成長・急拡大をしていた。

 行商人達を統括するための事務所も構える事を考えるほどだ。

 それは同時に、商人なら誰もが夢をみる店を構える事でもある。

 これが平穏な時代ならこんな事は出来なかっただろう。

 都市や町で商売を牛耳ってる商人組合が新規参入を閉め出すからだ。



 だが、都市も町も村も何もかもが破壊されてるような状況だ。

 既存の商人も這々の体で追い出されている。

 それらが新たに居場所を再建していこうとしてる最中である。

 古参も新規も関係がない。

 いち早く着手出来た者がのし上がる。

 何より、必要なものを揃えられる者が求められる。

 そんな状況だ。

 ソウスケのつけいる隙がそこにあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ