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231回 奪ってきたから、その分の償いを求めるだけ

 やられた分は取り戻さないといけない。

 少なくとも同じ事を相手にやり返さなくてはならない。

 でなければ、やった方だけが利益を得る。

 奪い取っていく方だけが得をする。

 やられた側が泣くだけで終わる。



 報復や復讐というのは、それらの調整である。

 やられたからやり返す。

 やられた方への弁済である。

 それが嫌なら、最初からやらなければ良い。

 相手から奪ったりしなければよい。

 そんな事をするからやり返されるのである。



 復讐は何も生まないという。

 嘘である。

 復讐は奪われた何かの補填である。

 同等のものが取り返せないなら、別の何かを奪い返す手段である。

 それによって損失が多少なりとも補填される。

 そして、補填に何を求めるかは人それぞれである。

 軽く済ます者もいれば、奪われた以上の利息をつけて取り立てる者もいる。

 どうなるかは当事者次第というところはあるだろう。

 何にせよ悪いのは、復讐をされる加害者である。



 復讐とは損失補填である。

 何も生まないというが、そもそも奪ったものが悪い。

 ただそれだけの事である。

 それなのに復讐を非難する者もいる。

 道理をわきまえてないか、復讐されるのを恐れる加害者だろう。



(やらないとな)

 許す理由はない。

 そもそもとして、許してはいけない。

 許しは悪党の悪事を認める行為だ。

 そんな事をすれば、誰もが損をする世の中になる。

 悪事とは誰かに一方的な損失を負わせる事だ。

 それを認めるのが『許す』という悪事である。



(俺もソウスケみたいに)

 やるべき事を成し遂げた実例が目の前にいる。

 失ったものをいくらかでも奪い返した者が。

 晴れやかに過ごしてる彼の姿は、ユキヒコが目指すところである。

 全てを終わらせ、ようやく一歩を踏み出している。

 問題を片付ける事が出来た者が得た晴れやかさを醸しだしながら。

(いつになるかな)

 そうなれるまでまだ時間がかかるだろう。

 何せ、神と国を破壊しなければおさまらないのだから。

 あるいはイエルが支配してる世界を。

 その教えや崇拝、それによって作られる世界を。

 それを消滅させようとしてるのだ。

 そう簡単にはいかない。

(でも、やらないと)

 それが求めたものである。

 復讐・報復としてユキヒコが望んだものである。



「それじゃ、頑張って」

「ああ、そっちもな」

 ソウスケは立ち上がり馬車へと向かう。

 商売に、そして情報収集に向かっていく。

 その背中は、なんとなく落ち着いていて、安心できるものがあった。

 それに続こうと思いながら、ユキヒコは魔族側の領域に戻っていった。

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