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228回 片付いた者とやり残しがある者

「ところで、最近のこっちはどうだ?」

「まあ、てんやわんやだ」

 話を切り替えて敵の内情を聞いていく。

「前線の方は相変わらず物入りで、あっちこっちから買い付けをしてる。

 おかげでぼろ儲けだ」

「商売繁盛でなによりだ」

「まあな。

 けど、仕入れもなかなか難しくてな。

 あっちこっちで物入りだから、なかなか買い付けも上手くいかん」

「へえ……そりゃどうして?」

「あっちこっちの前線で戦争なんだと」

「なんでまた?」

「それがなあ……」



 ソウスケも又聞きやたまたま耳にした話。

 それと自分の推測混じりの事しか分からない。

 敵の中枢に食い込んだわけでも、確かな情報源を作れたわけではないのだから。

 それでも、漏れ聞く情報を合わせて、一つの可能性にいきあたった。



「多分、あちこちから兵力を引き抜いてるからだ」

「…………なるほど」

 それでユキヒコも察する。

「こっちの戦線補強の為にか?」

「らしいな。

 詳しい話は分からない。

 けど、兵隊の移動した方向とかを聞くとな。

 あと、こっちの方に兵隊が次々やってくるのも見てるし」

 そこからの推測であるという。

 だが、それならそれで整合性のとれた話だった。

「手薄になった戦線にこっちから攻撃を仕掛けてるのか」

「たぶん」

 だからこそ様々な物資が必要なのだろう。

 医薬品もそうだが、防衛陣地構築の為の資材。

 それらがどこでも必要になってる。

 それらを建設する人手も。

「そんなんで、当分は忙しくなりそうだ」

「分かった。

 こっちからも商品をできるだけ流すよう伝えておく」

「助かる。

 そうすりゃ、もうちょっと手広く商売も出来る」

 同時にそれは、諜報網の拡大にもなっていく。



「どれくらい拡大出来た?」

「まだまだだな。

 とりあえず、こっちでも何人か雇ったけど」

 早くも事業規模の拡大に成功してるようだ。

「教えなくちゃならん事が多すぎる。

 今はこれ以上は無理だな。

 もうちょっと人が育てばどうにかなるけど」

「まあ、焦らずにやってくれればいいよ。

 まだあと二年三年はこっちも動けないから」

「なら、その間にもっと手広くやらないとな」

 侵攻が開始されるまでの間に、より広く深く情報を探れる組織を作らねばならない。

 商売をする上でも必要不可欠なものだ。

 諜報活動が邪魔になる事は無い。

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