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223回 不可解な、しかしおそるべき魔族の動き 3

「厄介だな」

「はい」

 少人数で動いてると思わせ、時折まとまって襲ってくる。

 予測が出来ればよいが、なかなかそうもいかない。

「これは、相当手強いようだな、敵は」

「その通りです。

 決して侮れません」

 ヒサカゲ、居並ぶ重臣達は一様に顔をこわばらせた。



 このときの彼らは、敵がなみなみならぬ知略を駆使してると考えていた。

 あえて大兵力で戦う事をせず、少人数に分散した部隊を広範囲に展開していると。

 そうする事で攻撃力は低下する。

 しかし、広く展開するので捕捉されにくい。

 もちろん、一つ一つの部隊を見つけて撃破する事は出来る。

 なのだが、それは全体からすれば小さな一部でしかない。

 見つけたのを撃破していっても、敵の全てが消えてなくなるわけではない。



 それでいて無視するわけにもいかない。

 村や町を結ぶ道がそうした連中によって封鎖されてしまう。

 そうなれば、物資の輸送もままならない。

 時間が経てば経つほど、村や町が干上がっていく。

 少なくとも、通信が遮断されて孤立する。

 なので、最低限の撃退は必要になってくる。

 そのために兵力を展開せねばならない。

 そして、兵力の増強がままならない今、展開できる範囲も限られてしまう。



 それでも、村や町におしかけてこないならばそれで良い。

 最悪、多少孤立してもそれぞれの居住地が存続しているならば良かった。

 もちろんそうはいかず、敵は村や町にも攻め込んでくる。

 そういった時には集合して大部隊であたるようだ。

 おかげで陥落してしまった町や村も出てしまっている。



 それを阻止するためにも、大部隊になる前に撃破しておかねばならない。

 小部隊の時であればたやすく切り伏せる事が出来るのだから。

 しかし、それも簡単に逃げる事でなかなか出来ないでいる。

 そうして逃げた連中が他の者と合流して再び一定数の部隊になるのだ。



 厄介だった。

 正面切って戦わず、それでいてこちらが居ない場所で暴れ回る。

 倒してもすぐに回復してまた襲いかかってくる。

 大規模な戦力の展開してる陣地の建築現場などにはあらわれないが。

 そうでない所には比較的頻繁にあらわれる。

 その都度撃退はするが、何度も押し寄せてくると疲労が酷い。

 そんな時に、大部隊となった敵に襲われたらひとたまりもない。



 大きな損害は受けてはいない。

 しかし、小さな損害を積み重ねてしまっている。

 それを解決しようにも、敵を小さくしかとらえる事が出来ない。

 地道に潰していくしかないが、時間と手間がかかる。

「敵ながら天晴れだな。

 ここまで面倒な策をもってくるとは」

 ヒサカゲはこれを敵の謀略と考えた。

 大いなる勘違いである。

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