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220回 敵は対応する、たとえ残酷非道な手段であっても 6

 今回の場合、領民保護の為の強制退去である。

 そうでなければ保護もままならないという意思表示である。

 領主や貴族としての限界を超えてしまったと言ってるようなものだ。

 敵が大挙して押し寄せてるのが原因だ。

 村や町に分散したままでは、各個撃破されてしまう。

 それを避ける為にも、民を一度集める必要があった。

 そうしなければ、まともな保護もおぼつかないという意味でもある。



 そこまで追い込まれていた。

 今はまだ余裕がある。

 しかし、それもいつまでも続かない。

 余裕があるこの時に一度まとまらねば、今後もっと悲惨な事になる。

 ヒサカゲ達、この地方の首脳部の出した結論は、とどのつまりそういう事になる。

 そんな状態では守るべき領民も守れない。



 だからこその避難命令である。

 それが領主や貴族が出せる、精一杯の使命感だった。

 無理をさせるが、それも責務を果たすためという。

 それでも残りたいというのであれば、もうどうしようもない。

 良心的な領主や貴族は胸を痛めたが、それもやむなしと残る者達をおいていった。



 そうやって集めた人数で、防備を急いで建造していった。

 重要な地点から始めていき、だんだんと拡大していく。

 急造のため防御力はそれほど求められない。

 しかし、何もないよりははるかに良い状態になっていく。

 作業の進みも思ったよりもよく、それがヒサカゲ達を安心させていく。



「だが、ここが敵に奪われてるのに変わりは無い」

 避難がなされ、防衛建築が始まってしばらく。

 作業進捗の報告を受けてから、ヒサカゲは現状についてそう発言した。

「作業は進んでるようでなによりだが。

 相手が黙ってるとも思えん」

 仕掛けてくる可能性はある。

 あるからこそ、警備も厳重にしていく必要がある。



「状況は?」

 現場の警備状況を担当する者に尋ねる。

「国軍と共に敵の発見、撃破につとめております」

「成果の方は?」

「順調かと思います。

 今までと比べてみれば」

 警備担当の者は歯切れ悪くなる。

「ですが、今までと違い、今回はかなり異常な状態です。

 かつてより多くの敵を撃破してるのは確かです。

 しかし、敵の数も多く、従来より戦果があっても結果にあらわれてません」

「被害も大きいということか?」

「その通りです」

 警備担当が硬い表情で頷く。



「敵は数が多く、かなり広範囲に出現してます。

 その分発見も簡単なのですが。

 数が多くて撃破に手間取っています」

 見つける事はさほど難しくは無い。

 見つけて戦っても、まず勝てる。

 しかし、その数が多すぎて対処しきれない。

「幸いなことに、作業現場まで近づいてくる者はさほど多くはありません。

 そのため、建設作業に影響は出ていません。

 それが救いです」

「そうか」

 肝心の部分が大丈夫なようで安心した。

 敵が建設中の陣地などに攻撃を仕掛けてきたら面倒な事になっていた。

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