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219回 敵は対応する、たとえ残酷非道な手段であっても 5

 即座に最前線付近の地域での徴集が行われる。

 避難も兼ねてはいるものの、強引なそのやり方に文句も出てくる。

 だが、武器を突きつけてくる兵士達に刃向かう者はいない。

 皆無では無いが、そういった者は痛い思いをする事になる。



 そして集められた者達は、防備の建築を命じられていく。

 なんでそんな事を、と思う者達もいるが、それらもすぐに口をつぐんでいく。

 今度は武器だけで無く、流れてきた避難民を見せられてだ。

 まともに動けないような状態にされたその姿に、誰もが強制労働の理由を理解した。

 やってくる敵がどのような事をするのかを。

 そうならないように、守りを固めねばならないと。

 理解した者達は、文句も言わずに働くようになる。

 幸い、粗末ながらも寝床と食事は出る。

 それだけの手当が出るならばと多くの者達は身を守るための設備建造に加わっていった。



 既にゴブリンや犯罪者が跋扈してたことも幸いした。

 幸いしたというのもおかしな言い方ではある。

 しかし、実際にそいつらがいることで、誰もが危機感を抱いた。

 いずれ自分たちも襲われるかもしれないという。

 その時は、体を損なった避難民のようになるかもしれない。

 そうなるくらいなら…………という考えが出てきた。

 より悲惨な状態になるくらいなら、それよりはマシなところで妥協出来る。

 住み慣れた場所から離れ、生活も乏しく厳しくなる。

 それでも体が壊され人生が潰されるよりはマシだった。



 とはいえ、全員が賛同したわけではない。

 どうしても離れたがらない者もいる。

 移動するのも困難なほど老いたとか、移動させる事が難しい病気や怪我といったやむをえない理由によるものではない。

 住み慣れた場所を離れる事が、心理的にどうしても出来ない者達がいるのだ。

 柔軟性に欠ける、意固地で頑固といってもよい。

 新しい生活になじめない者はどうしても出てくる。

 そういった者達は、困難で険しいと承知しつつもその場に残った。

 ヒサカゲを筆頭とした領主達も、それら全てを回収する事は諦めている。

 なので、どうしても残るというなら、本人の好きにさせた。



 ただし、強制退去の命令・指示を破るのだ。

 そこにいる間は保護の対象ではなくなる。

 今後生活に必要な部分から、敵が攻めてきた場合の防衛まで。

 あらゆる保護がなされなくなる。

 やむをえぬ事だった。

 保護しようにも、手の届く所にいないのであればどうしようもない。

 領主としての責務からすれば、領民を保護せねばならない。

 しかし、それも時と場合による。

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