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216回 敵は対応する、たとえ残酷非道な手段であっても 2

「何にしても、国境です。

 最前線であるここを封鎖しない事には、敵の侵攻は続きます」

 もっともな話である。

「侵入したゴブリンなどもどうにかせねばなりません。

 ですが、侵入を食い止めなければどれだけ制圧しても終わりません」

「もともとの最前線が突破され、敵を食い止めるものがないのが現状です。

 一応構築していた予備陣地ですが、これらは整備がなされてるとは言いがたい」

「そんな余裕も無かったですからな」

 あらためて無念の思いが彼らの胸に浮かぶ。



 彼らとて事態を楽観視していたわけではない。

 前線が突破された時を考え、後方に予備陣地の構築もしようとしていた。

 しかし、前線を支えるのに精一杯で、物資も資材も人手も割く余裕が無い。

 予備の陣地よりも、現在展開している最前線を優先せねばならなかったからだ。

 そちらも万全とは言いがたい状態だったのだから。

 なお、最前線の設備。

 優先的に整備が為されてはいたが、それでも完成度は計画されえいた段階に到達してない。

 対処するべき範囲が広すぎて、手が回りきらないのだ。

 要所はおさえる事が出来るようになっていたが、その間まではまだ手がおよんでない。

 そんな状況では、万が一の時のための予備陣地まで作ってる暇はなかった。



「まあ、こうなってしまったら仕方が無い。

 建設予定だった予備陣地をあらためて構築していこう。

 とりあえず、絶対に必要なところからだな」

 気を取り直してするべき事を決めていく。

 いつまでも嘆いてるわけにはいかない。

「簡単なものでいい、今できる事だけでいい。

 手間暇を掛けてる余裕はないからな。

 何でもいいから敵を防げるものを用意しろ」

 堅固な城壁や城塞などは無理である。

 いきなりそんなものが建造出来るわけもない。

 そうではなく、現状で出来るものだけでいいから防衛設備を設置する事を求めていく。

 簡単にできる分、効果は薄い。

 だが、何もないよりははるかにマシである。



「問題は人手ですな」

「作業するための人員が集まるかどうか」

 何をするにも人は必要である。

 だが、それを集めるのが困難だった。

 金や物もだが。



 長く続く戦乱の影響である。

 社会を維持・運営するのに必要な人数は確保している。

 その上で徴兵や義勇兵を用いている。

 しかし、それは現状ではギリギリのところをどうにかやりくりしたものでもあった。

 余剰人員がほとんどおらず、一人でも抜ければ社会が成り立たなくなる可能性があった。

 そんな中で防備を設置する為の人を集めるのは難しかった。

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