表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
dream come true  作者: ふじもん
〜終わりと始まり〜
3/36

~10年前~

~10年前~ パン屋さん(幸せのパン)

カランと大きな音がした。おそらくお客様だろう。

僕はいつも通り、よし! と気合いを入れ、お客様が二つ目のドアが開くと同時にレジから笑顔で明るく声を上げる。

小さい男の子「いらっしゃいませ~!!」

お客のおばあさん「あらあら春ちゃん!今日もお手伝いかい?」

小さい男の子「はい!おばあさんもウチのお店でたくさんでパン買ってくれてありがとうございます」

お客のおばあさん「いやいやなんのなんの、ここのフランスパンは格別だからね」

小さい男の子「僕もそう思います!じゃあ今日もフランスパン4つで?」

お客のおばあさん「ああ、よろしくなぁ」

小さい男の子「は~い!」

そう言うと僕はフランスパンを中から4つ取りだし袋に入れた。

お客のおばあさん「それにしても春ちゃんは中学2年生なのにお家の手伝いなんて偉いね~」

小さい男の子「ありがとうございます!、まあ知り合いのお家ですからね~っとはい、フランスパン4つです」

お客のおばあさん「ああ、ありがとや まったく春ちゃんはホントにしっかりしとるね~ウチの和也にも見習ってほしいわ」

小さい男の子「えっと、お孫さんどうかしたんですか?」

お客のおばあさん「どうしたもこうしたも最近学校から帰ってくるのも遅いし帰っても勉強もせずに電話でずっと話てるし少しは家事でも手伝ってほしいもんだわ」

小さい男の子「それは…恋人さんとじゃないんでしょうか」

言葉にすると少し照れる。

お客のおばあさん「はん、とても彼氏彼女の会話には聞こえんかったがね」

小さい男の子「えーとそれって盗み聞きじゃあ…あんまりよくないと思いますよ」

そう少し呆れたように僕がいうとおばあさんはなにも悪びれた様子もなく

お客のおばあさん「たまたま聞こえた分には仕方がないだろうよ夕食ができていくら呼んでも来ないあのばか孫が悪い」

小さい男の子「はあ…まあいろいろ大変そうですね…それで和也さんが何か言ってたんですか?」

お客のおばあさん「それがよくわからんかったよ、なんでも都市伝説がどうのとか離れに立ってるアパートの奥がどうとか」

小さい男の子「…都市伝説?」

お客のおばあさん「ああ春ちゃんは知らんかね?な~に昔からこの島にある都市伝説というか、ただの噂だよ、この島の中央にでかい森があるだろう。なんでも夜にその森の最深部、一番奥までいけば、そこには何かがあるって話さね」

小さい男の子「それって禁止区域のことですか?」

お客のおばあさん「そうさね」

小さい男の子「はぁ、えっとそれでそこにいけば何かあるんですか?」

お客のおばあさん「さあ?噂ではなんでも願い事が叶うとかなんとか まあどうせ肝試しの延長線上みたいに考えたどっかの若造が作ったデマさね」

小さい男の子「願いがなんでも叶う…」

確かこの時だったと思うんだ。確か僕が初めてその話を聞いて不思議と頭の片隅にその話の存在が気になりだしたのは

お客のおばあさん「お~い春ちゃん?どけんした?」

小さい男の子「えっ?あ~少しボーッとしちゃって、すみません」

お客のおばあさん「最近はただでさえ行方不明事件が多いんだからボーッとしちゃあかんよ」

小さい男の子「ごめんなさい」

えへへと笑うとタイミングよくレジの奥のドアが開いた。

店長「おう春!受付の仕事サンキューな」

小さい男の子「あ、店長!…いえ買い出しお疲れ様です」

店長「おう!おっばっちゃんじゃねーか!いつも世話んなってんな」

お客のおばあさん「なあに気にすることないよ」

店長「へへ、今後ともよろしくな、っとと春お前そろそろ時間だろ?今日はもう上がっていいぜ」

小さい男の子「はい、あのありがとうございました!おばあさんもまた来て下さい」

お客のおばあさん「はいよまたね春ちゃん」

帰り際に店長がくれた差し入れのガーリックフランスを持って帰り支度をして外に出る。

お店から外に出るともう夕日が沈みかけていて僕は やべ! というと同時に走り出す。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ