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dream come true  作者: ふじもん
人物名
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人物名

人物名

・ロイ フェリックス 花咲 春樹

主人公

・花咲 ホタル

主人公の妹

・アレックス ブラフォード

この世界で春樹と初めにあった人物

・クライブ オーウェン

黒コートを着たアレックスの知り合い

・ダグラス アンソニー

セントラル魔導騎士学校の校長

・カーティス アルヴィン

売店で春樹と会う。初めての友達

・ジャックレノックス

春樹の担任の先生

・ベルセリーヌ

・ジルアイアランド

ベルセリーヌの付き人

・シャーリーイートン

春樹のクラスメイトの女の子

魔法一覧

・ファイア

・サンダー

・ブリーズ

・ダーク

・ライト

半年前

またやってしまった。今日もいつも通りにアレックスさんについてもらい魔物と戦ったけど足がすくんで動けなかった。アレックスさんがもしいなかったら何回死んでたかわかったもんじゃない。アレックスさんは身を守る技術を身につけるには実戦が一番と言っていたけど実際に敵を前にすると体が何故か固まっていうことを聞いてくれない。今までは戦えたのにどうしてかわからない。いや…わかってはいるんだ。でも認めたくないだけだ。アレックスさんが後ろにいてくれることの安心感からか今まで必死で誤魔化していたものが浮き彫りになってしまったんだ。それは――

純粋な…恐怖だ。

恐い、純粋に、正直当たったら痛いなんかじゃ済まない。血も大量に出てくる。そしてこれまで何度も失敗し、死に目を見てきた。本当にアレックスさんがいなかったらと思うとゾッとする。僕は右腕を見ると知らず知らずに溜息が出ていた。包帯で巻かれている。今日魔物に食いちぎられるところだったところをアレックスさんに助けてもらったんだ。

春樹「…」

すると背後から声がかかった。

アレックス「ったくこんなとこにいやがったか」

見ると後ろにアレックスさんが立っていた。

春樹「…アレックスさん」

アレックス「探したぞ…よっと」

アレックスさんは僕の隣に座るとホレ、と言い飲み物を渡してくる。

春樹「…ありがとうございます」

アレックス「熱いから気をつけろよ」

春樹「…これは?」

アレックス「コーヒーだ、飲んだことねーか?」

コクリと頷く。そして試しにと少し、ズズッと飲んでみる。

春樹「…苦い」

顔を歪ませてそう言うとアレックスさんはガハハと笑い出す。

アレックス「ハハハハ、そうかそうか、やっぱりまだ早かったか」

春樹「…すみません、せっかく入れてくれたのに…」

申し訳なさそうに言う。

アレックス「気にすんな、そんなことよりどうした、もしかしてまだ今日のこと気にしてんのか?」

ゆっくりと頷く。今日のことも含めてだが、アレックスさんと二人で戦い始めてもう半年になる。しかし、せっかくアレックスさんが相手を弱らせてくれても肝心の僕がそこから一歩も動けないという状況がここのところずっと続いている。自分で言うのもなんだけど始めはまだよかったんだと思う。しかし一月前に止めの一撃を入れる際に魔法を失敗してしまった。敵の威嚇に一瞬怯えてしまい焦った結果、うまくイメージできずに魔法が発動せずにそのまま敵に胸を噛まれてからだ。そこからトラウマになってしまったかのように敵を見ると体が動かなくなる。もともと恐かったものなのにそれが体に染み付いてしまっているのかもしれない。ここ最近は特に同じ感じで進歩がなかった。

アレックス「…まだ痛むか?」

春樹「…いえ、アレックスさんにかけていただいた、ヒール…クリスタル?のおかげでもう動くようになりました。…これ本当に凄いんですね」

アレックス「…まあな、基本的にこの世界じゃ稀有な光属性を持つ人間達が魔力を込めて作り出してるアイテムだからな」

光属性というものがなんのことかはわからなかったけど大事なアイテムであるということはなんとなく伝わってきた。

春樹「…すみません、そんな貴重なものを、毎回使ってもらって」

アレックス「気にすんな」

春樹「それと…」

アレックス「?」

春樹「本当に…すみません…何度も…失敗して…迷惑一杯かけて…あと…全然成長できなくて…」

アレックス「…………」

情けなかった。本当に、自分から言い出したことなのに一向に結果が出ないんだ。本来なら見捨てられてもおかしくない。涙がどんどんでてくる。

春樹「…頭では…わかってるのに……」

一度噛まれて、トラウマになって、怖くて、でもその怖さと同時に浮かび上がってきたもの、それが…悔しさ…だった。

もっと強くなりたい。一人でも戦えるようになりたいのに

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