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3. 最大の質問

 「でも、草原を渡る前のことが分かりません。」

「うん。でももっといろんなことを憶えてないと思うよ。何を忘れているのか分からないくらいにね。」

私にはピンと来なかった。私が首を傾げていると、マスターはこんな質問を投げかけた。

「君は、自分が誰か説明できるかい?名前は?誕生日は?友達は?家族は?恋人は?趣味は?何もわからないのではないかい?」

 私ははっとした。なんとなくモヤモヤしていたものが分かったような気がした。そう感じた直後にこんなことを訊かれた。

「では、最大の質問をしよう。」


「君が長い旅をしてまでこの街に来た理由は?」



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