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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
召喚士村 ~神に愛された一族~
93/485

少年、雷と氷と・・。

今回は、ノエルの視点この一話だけです。

どんどん、核心に迫るのででは・・どうぞ

綺麗なモノは好きよ

キラキラした服


キラキラした髪


そして、この姿


時折、鏡を見て自分の姿にうっとりしていたわ


あたしは綺麗なモノは美しい


そう、雷も美しい


自分が美しい獣であることも気に入っているわ


そして、人間(ヒト)は醜い


あたしたちをモノのように扱った


だから許せないのよ。


でも、これももうすぐ終わる


楽園がすべてを解決するのだから・・。


             ****


「キィィィ」


先ほどから女の鋭い声が聞こえる


「貴方、ちょこまかと逃げないでよ!!」


フードを被っているノエルは面倒そうに


「当たると。コゲコゲだから嫌・・かな」


そういって雷を避けているノエル


「きぃぃ、腹が立つわ!!」


「・・。」


ボクは、目の前のサンダバートと戦っている

まぁ、獣の姿が鳥だけど

美しい


でも、雷がしっこいから逃げている


当たると怪我だけで済まないと知っているから


バチィ


バチィ


っと、辺りが何度か光りながら雷を打つ

しかも、当たればバチバチどこかろか

コゲコゲより酷い状態になるだろう


「酷いね・・水晶がゴナゴナだ」


辺りを見渡して

水晶は強い雷によって、ゴナゴナに砕かれている


「さすが、強い雷が当たればこうなるのか・・」


ボクは呟く

じゃ、ボクがあれに当たれば危ないってことだろうか・・。


頭の中では、色んな事を思い浮かぶ


そんな、ボクの反応に対して


「ふふっ。大丈夫よ。美しいモノはあたしに当てられて

 ますます美しくなるわ」


「・・意味がわからないよ」


そう返した

どこまでも面倒だ


相手にしているだけでも疲れる。


「サンダーボルト」


と、ボクの前に雷がきた


「・・させないよ。”アイスガード”」


すると、氷の壁がノエルを守る

だが、雷の方が強いのか

すぐ、壁は消える


「相殺ってやつね・・ふふっ。水は電池を通す

 あなたもコゲコゲよりもバチバチの方がいいじゃない?」


そう皮肉に笑うサンダバード・・たしか、シュリだっけ


バチバチ・・感電しろでもいいたいの?

失神だけではすまないようで怖い・・。


「・・・・ボクとしては早く終わらせたい。

 いつまでも長引かせたくないから」


「なんですてぇぇぇ」


「だから、攻撃を繰り返してもボクは避けるって

 ことだよ」


その言葉に、苛立ちがさらにMAXに近づこうとする


「キィィィ~このぉぉぉサンダー、サンダーだぁぁぁ」


ピカピカっと音を出してくる攻撃

ヒョイっと身軽く避ける


「キィィィ、召喚士のくせに逃げるなんて卑怯よ!!」


「じゃ、反撃してあげる”アイス”」


強い雷がノエルに向かって来る

ノエルは氷の氷柱を飛ばす

もちろん、相殺される


やはり、相殺された・・か


フード越しからあいからず琥珀の瞳が見える

だけど、どんな表情をしているのか分らない


そんな、ノエルの姿にシュリはキッと目を向ける


「なによ、根暗のくせに、どうして

 そんなに身軽なのよぉぉ!!」


そういって雷のバチバチが辺りに響く


「危ないなぁ。身軽ねぇ・・反射神経がいいからじゃない?」


「くぅぅ、むかつくぅぅぅ」


ヒョイっと避ける

当たるだけは勘弁してほしいな


「キィィ~当たりなさいよ。あたしの攻撃

 キィィ。」


バチィバチィっと音が響く


その様子を見ている外野である

旬とアニマは観戦している


「白熱しているね」」

(ソウダネ・・ソンスルヨネ。)


その声にシュリは苛立ちで旬たちの方に雷を向ける


「外野はうるさいわ!!」


バチバチっと音を出す


「ひぃ」

(ウワァ~コワイヨ)


旬たちの声が聞こえる

どうやら戦いは終わったようだ


じゃ、ボクも終わらせよう


ここで、体力使うのは好きじゃない


そして、美しい髪が乱れたことにシュリは

苛立ちをさらに深める


「何よあたしの髪がぐしゃぐしゃ許せない・・ゆるせなぁぁぁい」


バリバリバリっと辺りが鋭く光る


「怖いな・・。」


ボクは呟いた

怖いだけじゃないな・・。

逃げたくなる


女の美しさに対するこだわりは怖いからね・・。

中々、当たらないことに、苛立ちが鋭くなったのか


「きぃぃ、こうなればあたしの最大奥義をみせてあげる」


そして、大きな雷の気配がした

だけど、ボクも同じだ


「じゃ、ボクもそうしようかな」


「真似しないで!!」


「真似・・?どうとでも捉えてもいいよ

 ボクは君との戦いに手を抜かないよ。」


ボクはニコっと笑った

その、変化にキョトンとして


「・・あんた、人間にしては面白いわね・・。」


そう言われると少し照れる


「そう?ボクとして面白いと言われたのは久しぶりなことだ」


今まで森にいたからそんなことを言われたのは

本当に久しぶりだ


シュリは首を横に振り


「いいわ・・人間(ヒト)、あなたのソコヂカラを見せなさい」


「へぇ・・怒りはないんだ」


先ほどよりも怒りが薄まったのを見て

ノエルは感じた


シュリは少しだけ冷静になったのか

だけども怒りは収まったわけではないようだ


「あるわよ・・でも、それ以上に面白くなっちゃった。

 美しいモノ好きとして面白いことは次に好きなのよ」


そういって初めてサンダバートは怒りではなく純粋なチカラを見せたのだ


「そう、じゃボクも見せてあげるよ。氷の最大魔法をね」


雷と氷の力が炸裂しようとする


「さぁ、来なさい」


シュリはバリバリっと音を立て


「プラズマ!!」


すると、放電された雷から龍が飛び出すように

ノエルを襲いかかるが・・ノエルは、高く杖を振り


「封印された氷の地獄よ我に集え

 ”コキュートス”」


すると、冷たい氷の地獄がシュリを襲う


「くっ・・あたしが勝つわ」


ボクは負けるつもりはない

することがある

だから・・ごめん。


「・・・残念だけど、ボクが勝つよ」


すると、冷たい氷がピキピキピキっと雷龍を凍らせる


「雷龍が・・凍っていく!!」


すると、不思議なことに凍っていくのは

シュリの足と手だけだ


「な・・・!!」


「これで君は動けないし攻撃もできない」


「くっ・・こんなの、雷で・・!!」


すると、ボクは静止する


「無理。コキュートスは、封印された氷地獄なんだよ

 君の手と足を封印させてもらった。すべてが終われば

 この手も溶けるよ」


すると、シュリは自分の手と足を見て

サンダバードから人型に戻る


「はぁ。やはりついていないわね

 髪も、化粧も乱れるし・・本当に

 悲しいほどついてないわね・・。」


と溜息をつく

ボクはかける言葉はなかった

そして、シュリはボクを見上げて


「リンドさまに申し訳ないわ・・・あたしの負けよ

 人間(ヒト)にしては素晴らしいチカラね。」


負けを認めたサンダバートにボクは

そして、少しだけ安堵感がでたのでふぅっと息を吐く


すると、


「どうして・・。」


声がする所に振り向いた

そこには、ジゼル君がいた


「・・。」


「しょうかんじゅつをつかわない!?」


ボクは真実と事実を言うべきときがきたのかもしれない

なぜ、召喚術を使わずに魔法に頼ったのか


「・・・。」


「つかうきがなかったのか!?おれさまたちをひか

していたのか!?」


「ジゼル・・!!」


リンドは止めようとする


どうやら、リンドは理由は知っているのかもしれない


ジゼルクンは僕にそう言った

だから、言おう


「違うよ」


「・・・!?」



「”使う気”がない・・それも違う。」


「何を・・。」


あの日、受けた地獄

今、そこにある地獄


「"使うと危険が強まるからさ”」


ボクはあの日、地獄を知った

血の海の中で・・。


(痛い・・痛いよぉ。)


かすかに見えた映像には子供が全身から血を流しているのが見える

そして、あざが広がる

全身に・・。


それは、茨が絡みつくように


(主・・!!)


過去記憶・・忘れることのない記憶


ボクがなぜ、フードで自分を隠すのか

決まっているさ・・。


自分の異変のせいさ。


「ボクはね・・地獄を知ったのさ。この世には

 ユートピアなんてないことを。」


「な・・。」


真実も事実も紙一重

ボクはただ笑うだけだ


「つまりは、ジゼル君の中で空虚な答えがあるように

 ボクにも・・あるってことさ・・」


さぁ、始めよう


ボクの中で・・自分の過去とケリをつけるために・・。



ノエルの秘密とは・・?


では、次回で少しずつ明らかにしていきます

ではまたどうぞ

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