少年、琥珀の瞳から見えるモノ
さて、冒とくは・・・?
昔のことなんて忘れたほうが幸せかどうか
ボクにはわからないさ
でも、気つけば
ボクはただ、見届けることしかできなくなった
あの村がこれからどうなろうが・・。
ボクは無関心になってしまった。
果たして悪いのはボクなのか
それとも、あの村なのか
今ですら分かりはしないのさ
****
俺が懐かしい想いと共に
ここにくる以前のことを思い出したことが自分でも驚いていた
「旬、大丈夫か?」
「うん、大丈夫・・かな。」
帰りたい気持ちだけは・・また渦巻くばかりだ
でも、今は気を取り直して
「じゃぁ、中に入ろうか」
「・・・そやな。」
ギィ~っと開かれた扉
その中には、あらゆる道具、試験管からコポっと音が出ている
まさに、実験室のような部屋の中だった
「ほら、足元に気をつけて」
俺たちに足元の注意をする召喚士
本が床やらその辺に錯乱しているの中で器用に歩きながら
俺たちを案内してくれている
ラミアはその散らかった部屋を見て
「しかし、えらく散らかっているな」
「あはっ。ごめんね。ボク、研究に夢中になると自分の生活にも
怠惰になるんだ」
あははっとあいからず陽気な笑みを浮かべている
「それにしてもすごいな。コレ」
ラミアは興味深そうに試験管の中を覗く
淡いパステルカラーの色が揺らいで美しい
「きをつけろよ。むやむにさわるとあぶないぞ」
ジゼルが俺たちに忠告する
「なんで危ないんや?」
「ほら、あれとか」
視線を向けたのは一つの試験管
それも、綺麗なグリーンをしているけど
何かの薬だろうか・・?
「あれ、何かの薬?」
すると、ジゼルは首を横に振る
「ちがう。どくだ。さわるときけんだぞ」
ゾクぅっと一気に寒気がきた俺
「う、うん」
「あははっ。解毒剤もあるから大丈夫だよ」
(・・・そういう問題ではないと思うが。)
陽気な顔をする召喚士に対してジンは獣化のまま呆れている
ラミアは注意しながら様々な実験道具の中を歩く
「ほんま、実験道具ばっかり」
「・・・あはっ。ボクはこれでも実験好きだから
様々な実験をするんだよ。すごいだろ?」
そういって散らばっている実験器具を直しながら応対する召喚士
「とにかく、座りなよ。」
テーブルと椅子に旬たちを座るように指示する
「あ、ありがとう」
俺たちは数々座る
ジンはといえば、椅子に座れないから悩んでいる
(我はどうすれば・・。)
「獣化しているだから、元の姿に戻ればいいじゃない」
(そうだったな・・けど。)
チラリと召喚士を見ると、ニコっと笑って
「ボクは気にしないよ。人狼なんて対して珍しくないし。」
ニコニコっと邪気なく笑う
「・・・!!」
(お前は・・我が人狼だと気づいているのか?)
「まぁね・・ボクは、知っているから」
笑うだけで、笑みすら崩さないその姿にジンは警戒するが
(・・とりあいず。元の姿に戻る。)
すると、光りに包まれジンの姿は人の姿に戻った
「ふぅ・・お前は、我が人狼だと最初から気づいていたな」
「・・ふふっ。」
ジゼルといえば慣れた様子で、お茶とお菓子持ってきて
「はい、おれさまがもってきたんだ。かんしゃしろよ」
俺たちの分のお茶とお菓子を持ってくる
手馴れたものだ・・。
召喚士はジゼルの頭を撫でて
「ありがとう。ジゼル君。君も座りなよ」
「ああ。」
そして、ジゼルが座ると召喚士は
「改めまして、ボクは、ノエル・グレイアス
この森に住んでいる召喚士さ。」
「はぁ。一応、俺たちの名を名乗ろうか?」
そう言うと、ノエルは、
「・・ボクは、君たちの名前も既に知っているよ
旬に、ラミアにジンでしょ?」
「・・・よぉ、うちらの名前を知っているなぁ。
ちょっと、怖いがな。」
ラミアは、少しビビっていると
すると、ノエルはフフッっとほがらかに
「ボクは知っていて当たり前なのさ。
何故なら、君たちを見ていたんだから。」
その発言にラミアはヒクっと口元を歪めて
「なんや、まるでうちらをどこからか見ているみたいやないか」
冗談みたいな一言
その途端、静寂が訪れる
「・・・・。」
「・・・・。」
両者共静寂する
俺は、まさか・・っと冷や汗になる
「・・・まさか、ノエル。君、どこかで俺たちを見ていたんじゃ・・。」
すると、ノエルは、目が泳いで口笛を吹くのを見て
「その様子じゃ、当たりのようやな」
ラミアは射抜くようにノエルを見つめる
すると・・・。
「・・・・そうだよ。」
ノエルの瞳が開かれる
笑顔ではない瞳
それは、先ほどみた琥珀の瞳だ
「「「・・・!!!」」」
「ボクは、君たちをあの幻覚の砂漠に放り投げた当事者さ。」
旬はおそるおそると
「あなたが・・アレを・・?」
「そう、楽しかったかい?」
すると、ラミアがワナワナっと震え
「・・あんさんかい。うちらをあんな目に合わせたのは!!」
「どうして?怒るの?」
ノエルは不思議そうな顔をする
理解できないという感じだ
「しょ・・しょうかんし。」
ジゼルはあわあわとしているノエルは平然として
「ボクは、楽しいことが好きだ。試しただけさ」
「・・・だから、我たちを試したのか?
あんな危険なことを・・!!」
すると、ノエルはう~んっと考えこんで
「・・・本当のこと言えば、アレはボクが造った幻覚じゃないよ」
「え・・。」
俺は驚いたあの奇妙な幻覚はノエルではない・・?
「・・・君ではないの?」
「・・ボクは、覗くことはできるさ。でもまぁ、
結果的にいえばボクも関わっているし。まぁ、共同開発ってやつ?」
あっけらんとノエルは言うと
皆不思議そうに首を傾ける
「どういうこと?」
すると、ハッとして口を抑えて
「あ・・そういえばこれ重要機密だった・・。これ以上は言えないよ」
「はぁ・・。」
な・・なんなの
重要機密って・・。
アレはこの人が造ったのではないと言った
でも、共同開発って言っているし
もう、何がなんだか分らない
ラミアはうんざりとした顔で
「あんさんの秘密主義は少しうんざりするわ」
「ラ、ラミア・・。」
俺は慌てるがジンも同様に
「まぁ、確かに、そうなるな。秘密主義はいいが
我たちには大迷惑だったものだ」
すると、ノエルは謝るような仕草をして
「ゴメンネ。悪気はないんだよ。でもね・・。
そうでもしないとボクらは・・危険なんだよ」
すると、ノエルはうつむいた
「ノエル・・?」
「君たちは村をみたかい?」
「・・ああ、あの無言と静寂しかない村か。」
「ふふっ。あの村は仕方ないのさ。外の者を嫌っている
だから、あんなに嫌悪しているのさ。」
「確かに・・あの様子は我たちを嫌っているのは
よくわかった・・だけど、お前はどうなんだ?」
「お前は・・ってボクのこと?」
旬たちが頷くとノエルは腕を組んで
「ボクとして村に嫌われるから関係ないし~。
それに、ボクは外の者には邪険には扱わないから
気にしないでね」
ヒラヒラっと手を振るがノエルの瞳は切なく揺らいでいた
「・・・。」
無言のままジゼルは心配そうにノエルを見つめる
「そんな顔をしなくても、ずいぶん、昔のことさ。くだらない村の栄光と希望に
振り回されたボクとしても落ち度がある。つまりは・・・
ジゼル君や君たちがそこまで悩むことではないんだよ」
すると、俺はある言葉が心に残る
「栄光と・・希望?」
なんだろう、一見すごく良い言葉に聞こえる
だけど、ノエルの表情は寂しそうだった
「ふふっ、栄光と希望・・一見素晴らしい言葉だけど
ボクとしたら、絶望の言葉・・。」
栄光と希望・・素晴らしい言葉なのに
ノエルにとっては絶望だといった
「君は、あの村が異常だと思っているの?」
俺が聞くと、ノエルは頷き
「・・・君たちも知っていると思うけど外界を切断をわざわざ、
王族に絶縁状を渡すくらいだもん。狂っているんだよあの村は」
狂っている・・?
その言葉に俺たちは何も言えなくなる
「「「・・・。」」」
「だから、ボクは、村から飛び出した・・いや違うな。
逃げ出したんだ・・くだらない、誇りにこれ以上巻き込まれないように」
「・・ノエル・・・?」
ノエルは、とても心が痛そうな顔をして俺たちに言うのだ
「・・・ふふっ、だから悲しくなってしまうだよ・・。」
目を伏せたノエル
琥珀の瞳は、揺れる
フードからは髪が見えなくても
その瞳だけは・・。
俺たちを圧倒させるのだ・・・。
なんとか、書き上げることができました。
昨日は頑張ったですが・・・無理でした。
とりあいず、いっものようにまた次話で。




