少年、新たな世界へ
一気に3話を更新しました。
内容はあんまり変わりませんけど
楽しく読んでくれるとうれしいです
ではどうぞ
俺は、新たな始まりを感じていたんだ
やっぱり、俺はもっと知るべきじゃないかと思う
自分のことや
この世界のこと
そして・・・。
もっとも知りたいのは
俺の呼んだ理由になった赤い月のこと。
それが一番知りたい
だからこそ、新たな冒険に行くことが必要なのさ
********
「これは・・石の欠片?」
俺は舞い降りてきた不思議な石をみた
その石は緑色に光っていた
不思議な光沢で辺りを包む
光は旬の手のひらでも止まらない
(どうした、旬。)
「みてよ。ジン、この石を」
旬は不思議な石を見せると
(・・・!!)
急にジンの様子がおかしくなる
「ジン・・どうしたの?」
俺は心配になったので聞く
具合でも悪くなったのではないかと思って
ジンの毛を触ろうとすると
いきなり
”カツ”っと何かが発動した音が聞こえた。
「な、何!!?」
い、いきなり何が起こったんだ!!?
お、俺、何もしていないよ。
うろたえる旬
石は共鳴を続けている
その共鳴は旬ではなく
狼のジンに反応している
辺りが光だし、ジンを包み出す
「ジン!!」
それは、突然だった
ジンはその光と共に、何かに変化した
そして、光が消えた時
驚くべきものを見た
「ジ、ジン?」
それは、人だった
灰色の髪と、不思議な青の瞳をした青年がそこにいた
いきなりの人物の出現に俺は思わず聞く
「あの~、どなたですか?」
誰なのか聞きたい
えっと、何が起こってんの?
いきなり人が現れただけど
目の前にいる人・・。
本当に誰?
俺は首を傾けた
そんな旬の姿を見て青年はハァ~っとため息を付いている
そして、旬の方を見て自己紹介をする
「俺は、狼のジンだ」
「・・・ジン?」
旬は疑いを持ってジロジロとジンを見た
「あははっ、そんな馬鹿な。だって狼だったし」「事実だ。」
「・・・。」
「・・・。」
一瞬の間が開く
俺は、事実と言われた瞬間
思わずマジマジと凝視する
確かに狼のジンがいないから
この青年がジンだと思うけど・・。
俺はおそるおそる、事実を聞く
「本当にジンなの?」
「そうだ。」
尚も、肯定するジンに俺は仕方がないと思って
「じゃ、俺のことを話してよ。修行したこと」
「お前が、川に流されたことを話そうか?それとも果物採り時に
勝手に一人行動して上から落ちたことも話すか?
後、薬草を間違って食べて3日間うずくまっていた話でも
獣狩り時に小動物に返り討ちにあったことでもいいが」
「うわぁぁぁ。やめてくれぇぇ」
その言葉に俺は恥ずかしくなった
俺の・・く、黒歴史だ
あんな、恥ずかしいこと平然とした顔で話すジン
俺は恥ずかしいどころか最悪にを感じる
もう、やめて欲しい
「わ、分かったから。ジンと認めるから・・やめて」
恥ずかしくなって真っ赤になった俺は顔を隠す
もう、こんな話をされると俺恥ずかしい
思い出したくもない修行の赤裸々ばかりだ
最悪だ
「ははっ。」
ジンは笑う俺は、もう嫌になる
しょうがない。この際この人がジンと認めよう
俺は気をとりなおして聞くことにした
「で、結局。ジンと認めるけど。どうしてお前が人に?
元々人だったのか?」
疑問を聞くと、ジンは首を横に振る
「いい忘れたが。我は実は・・人狼だ」
「じ、人狼?」
衝撃な事実を告げられる
俺は衝撃のあまり呆然としていた
人狼なんて俺、初めて見たよ
「な、なに、どういうことなの」
「この世界じゃ当たり前の常識だ。獣と人の間にできた子だ」
「獣と人の間・・ハーフ?」
何、この世界
獣と人の混合の世界なの!?
しかも、ハーフ!?
もう、何がなんだが分からないよ
俺はもう一度聞くことにした
事実を聞くために
「ハーフなんだね・・ジン」
俺は二度も同じことを言うと頷くジン
「ああ、そうさ。我には半分人間の血が混ざっているからな」
俺は思わず聞く
「なんで、俺の前に現れた時は獣だったのさ!!」
そうだ・・。
出会ったときは、狼の姿だったくせに
人狼ならいくらでも人間の姿になれたのに!!
「その時はルストによって我も瀕死だったからな。
魔力が奪われて我は狼の姿にしかなれなかったのだ
この石は、体の魔力を取り戻してくれたようだ」
あっけらんと言うジン
俺はもう衝撃的なことを次々言われるから
頭の中が状況的についていけなくなりそうだ
それは、仕方がないこと
この事実を真実として受け止めるしかないようだ
「この石が?」
「ああ、どうやら全体的な回復をしてくれたようだ。おかげ様で
人間に戻ることができた。」
その石をジンは見つめた
俺は、この石が何なのか知りたくなった
ジンの力を取り戻したこの謎の石を
「不思議な石だな」
ポッリっとジンは呟く
え・・。
俺は思わずジンを見つめた
「ジンはこの石を知らないの?」
ジンすら知らないのか?
この石を・・。
「ああ。われもこの石を見るのが初めてだ。このような欠片だけで
自身の力を取り戻してくれる石は・・な。」
俺はまたその石を幾度も飽きることもなく見つめる
不思議な光沢をしている謎の石
角度を変えれば色が変わる
なんともいえない石だ
「不思議だな。我の力を取り戻してくれる石。それがなぜか
ルストが持っていた」
そうだ、この石はあの化け物がもっていた
もうそこには、ルストは消滅していないけど
新たな謎だけが残ったようだ。
この石の謎
そしてルストがなぜこの石を持っていたのか
とにかく、謎ばかりが残っていたけど
俺は一歩前進したようだ。
だって何も知らないよりマシだろ?
そんな俺をみかねたジンはこれからどうするか聞く
「結局、お前はこれからどうするんだ?」
「俺、知りたいことがあるんだよ・・。」
「知りたい・・こと?」
それは一番俺にとって謎に残っていること
赤い月のことだ
出来れば・・俺は家に帰りたい
待ってくれる人のために
俺は・・知らないといけない
「うん。俺が呼んだ理由なんだ」
「呼んだ・・理由・・赤い月のことか?」
「そうだ。ジンは俺のいきさつを修行の時聞いただろ?」
「・・ああ。」
俺は既に自分が異世界人だということを教えている
ジンも俺の言っていることを信じてくれたようだ
俺がどうやって来たのかも信じてくれる
疑いもなく信じてくれたのは嬉しい
だからこそジンに・・。
この自分の召還がもしかしたら・・ということを
「偶然かもしれないぞ?それでもいいのか?」
「偶然でもいいんだ。ただ、俺は赤い月について調べたい」
偶然でもいい。
俺は、知りたいことが多過ぎる
この世界のこと
赤い月のこと
これから、どうなるか分からないことが多いけど
俺は行くしかない
「ジン、俺は旅に出るよ。冒険に」
「そうか」
「多分、死ぬかもしれない戦いもあると思うし
辛いこともあるかもしれない」
「・・。」
「それでも俺と一緒に行ってくれるか」
すると、ジンは当たり前だと言った
「我はお前に救われた。お前に着いていくさ。
それにお前はこの世界の常識を知らないみたいだしな」
ヴッっと思わずグサリっと胸に刺がささる一言だ
容赦なさすぎるさすがジンだ
俺は、涙目になろうとするのを抑える
あいからずメンタル面弱すぎだな・・俺
ジンは旬を見てそっぽ向きながらも俺に気遣ってくれる
「ふん。とにかく行くんだろ?」
「うん。」
俺は、歩き出す
冒険にでるために
森から出る世界は、どんな世界なんだろう
これからどんな出会いがあるのだろう
それは、俺にとって運命であると信じていたい
「行こう。冒険へ」
「ああ、そうだな」
それから俺とジンは森の外に出て
冒険へと旅に出ることになった
これは胸の高鳴り以上の鼓動
ドクンドクンと音を立てて
俺は、一歩、一歩・・歩き出すんだ・・。
未来へとね・・。
一応、ルスト編は終了します。
では、また次話で。