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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
召喚士村 ~神に愛された一族~
79/485

少年、懐かしい想い

さぁ、79話目です。

今回はなんと、旬の異世界にトリップする以前の話も少し載せています。

もちろん、召喚士の話を載せていますよ。

さて・・冒とくは・・?



生きるために何が必要か?


そんなことどうでもよかった


逃げることができればどうでもよかった



ただ、村の重圧がボクから解放してほしかった



気づけば、時が過ぎていく


どんなに、悔やんでも、その時の時間は戻らない


ボクは、過ぎ去る月日にただ嘆くだけだ・・・。



                 *****



招き入れられるように家は俺たちを迎えられていた

ジンは、ふんふんっと臭いをかぐと


(旬、何か感じないか。)


こちらを見つめるジンに俺は頷く


「強い・・気だね。」


そう、感じるのだ。

とても強い気

だけど、その気は強くとても優しい


「警戒せなあかんな。うちらも一応よそ者や」


(そうだな。村のように無言は辛いけどな。)


「だいじょうぶさ、おれさまがいるから」


ジゼルは任せろっと言っている


「ほんまに、大丈夫やろか」


ラミアが不安そうにしている

無理もないことだ


この村の特徴を知っている者としては不安があるのだ


だが、その不安もいずれなくなることになる・・。


俺たちがその家に近づこうとすると

その時、ドカンっと音がして煙突から黒い煙が出てくる


「えっ・・。」


旬たちは警戒するよりも突然、煙が黒くなったのを

ポカンっと見届ける


「ばくはつ・・だ!!」


ポッリっとジゼルが呟く


すると、


「ギィィィ~」っと扉が開く音がした


「ゴホゴホゴホ・・。」


咳き込みながら誰かが出てきた

その人物はフラフラしながら地面に転がる


その様子をみてジゼルは慌てながら、

その人物を揺さぶりながら


「しょうかんし、無事か!!?」


ジゼルが召喚士と呼びながら心配そうな顔をすると


「おや、ジゼル君。息災かい?」


とぼけたように笑う人物にジゼルはホッと安堵して


「・・・・ぶじみたいだ」

「あははっ、ごめんね。ジゼル君」


ニコニコして平然としている人物に対して

ヒソヒソっとラミアが俺たちに囁く


「このすっとぼけた人物が召喚士か?」

「そうみたいだね・・。」


たしかに天然かもしれない。

この場で和やかにしてくれる人物になんとなく危機感を抱いてしまう


ジゼルは安心したのか


「それよりしょうかんし、ほら・・おきゃくさんだ」


ニコっと笑っていた人物はその笑顔を今度は俺たちに向けてきた


「ようこそ来たね。待っていたよ。」

「待っていた・・?」


「くすっ・・ボクに用があるんだろ?」


俺たちを見つめる瞳

琥珀の瞳が優しく揺らいでいる

フードで髪色は残念ながら見えないが

その琥珀色は、何故か目が離せなかった


「・・・君が、召喚士?」


すると、召喚士は笑みを浮かべて


「そうだよ、ボクがこの森の召喚士。よく来たね。旬。

 歓迎するよ。」


「え・・。」


この人・・俺の名前を知っている?

その人物は、笑顔のまま


「まぁ、中に入りなよ。話はそれからだ。」


招き入れようとする召喚士

だが、ラミアは家に視線を写し、


「でも、あんさん、煙でているのに入れるのか?」


ラミアが家の状態を見つめて指摘するのを見て

俺たちは改めてもくもくっと煙が漂っているのを見る


すると、召喚士が高笑いをして


「あははっ。すっかり忘れていたよ」


「かなり天然やな・・。」


ラミアは、さらにげんなりしているようだ


「しょうかんし、こんどはなにをじっけんしていたんだ」


ジゼルは呆れて召喚士を見つめる


「ん~?秘密。」

「はぁ?」


ジゼルは思わず呆ける


「おしえるもんだろがふつう、おれさまにはとくに。」


すると、とぼけたように


「だってさ、ボクの実験を他人に教える訳ないでしょう~?

 いくら、ジゼル君だって教えてあげられないよぉ。」


「・・・はぁ。」


ふふっと笑う姿になんとなく俺たちは脱力する


「どうやら、かなり陽気な人物みたいやな」

(先が思いやられるな。)


ため息を吐く二人を他所に俺は、その召喚士を見つめていた


「・・・。」


どうしてだろう・・?

不思議な気分だ。

その人物は俺の名を知っている

普通は警戒やらで嫌悪感があるはずなのに


なぜか・・呼ばれることに対してそれが無かった



モクモクっと漂っていた煙が先ほどをよりも治まったのをラミアが


「あんさん、煙がだいぶマシになったようやで?」


「・・ああ、そうみたいだね。」


ニコニコっとどこまでも笑みを絶やさない人物だ


召喚士は最初に扉に入って確認して大丈夫だとわかると


「さぁ、入って。あ、そうだジゼル君。」


旬たちを招き入れる召喚士は中に入ろうとするジゼルを

呼び止めると、ジゼルはニッと笑って


「どうせ、窓を開けろだろ?」


「わかっているね。じゃぁ、ついでにお茶と菓子の準備も

 お願いね。ボクはその辺の片付けをするから。」


「はぁ・・わかったよ。」


ため息を吐きながらしぶしぶっと窓を開ける姿に

先ほどの高圧的な人物とは思えない程だった



「なんや、逆らえへんのかな?」

(さぁな・・。)



俺は、なんとなくジゼルが召喚士に世話を焼く姿に

逆らえないっていうのか

なんだか、違うような気がした・・。


「放って置けないだよ・・きっと」

「なんでや?」


ラミアは不思議そうな顔をする


「俺も覚えがあるから。あの光景が・・ね。」

「・・・そか。」


その光景は、俺も覚えがあった

ここにくる以前の日常の姿に似ていたのだ

その光景が・・。


俺とアイツに・・。


世話を焼かれる自分と世話をしてくれるアイツに。


急に思い出した・・。

あの日、召喚された以前を・・。

どうしてか懐かしい気持ちと共に

思い出したのだ・・。



                 ****


時計は8時を示している

そこには、少年がピコピコっと音を出してゲームをしているのが見える


そして、その傍では顔の見えない人物がイライラしている

当然、今日は休日ではなく登校日だった。


(旬。早くしろよ!!学校に遅刻するだろ!!)


そう怒鳴る声が聞こえる


(ええ~、まだゲームがぁぁ。)


ピコピコっと音がするのを見て、その人物はイライラしている


(ええい、お前がゲームばかりするから遅刻するだろがぁぁ)


(まだ、8時だよ)


(もう8時だろうが!!毎度、毎度遅刻しやがって

 お前という奴は!!)


大声で怒鳴る人物に俺はといえば

のんきにピコピコっと音を出してゲームをしていた


(ええ~じゃぁ、いいじゃん別に)

(よくないわ、ボケェェ。こんなもの・・こうしてやる!!)


ポチっと音がしてプッンっとテレビが消える

それと同時にゲームもセーブされないまま消される


(うわっ、酷い。データを消すなんて。横暴。)

(お前がピコピコしているからだろ!?自業自得)


そういって、威圧してくる幼馴染に俺は涙目だ

せっかく、遊んでいたのに


(ふん、ほら早く学校行くぞ。旬!!)


(・・・うん。)


涙目で嫌々ながら学校に行く俺の姿を思い出した

だけど、不思議だった

俺なんて置いていけば良いのにアイツは・・。

毎日のように俺を置いていかずに・・。

声をかけてくるのだ。


思い出すのは・・顔の見えない幼馴染の声

いつも、怒鳴ってばかりなアイツ


でも、世話をされるのがなぜか嫌いではなかった


今、アイツは・・元気なんだろうか・・。


「旬・・?」


ハッとしたのか、俺はブンブンっと横に首を振って


「ううん、なんでもないよ。」


なんでだろう・・?

こんな時に日本にいた時のことを思い出すなんて・・。

俺は思い出すべきことはあの、赤い月の日なのに


なぜか、思い出したのは・・。

それより以前の日常だった。


あの二人の光景を見て

思い出してしまった自分が少し悲しいかな。


帰りたいけど・・その方法すら分らない

今の俺に・・。


ギュッとただ、自分の手を・・握るだけだ。

帰る方法を探すために・・。



その様子を召喚士が見ていたことを俺は気づくこともなかった

そして、その表情は、どこか懐かしい顔をしていたことさえも・・。


旬と顔の見えない幼馴染

それは、旬にとっては子供の頃からの付き合いなのです。

まぁ、旬が退化する以前の物語なので皆さんも想像してみてくださいね。

とりあいず、次話もよろしくお願いしますね

ではまた、どうぞ。

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