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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
召喚士村 ~神に愛された一族~
74/485

少年、一つの答え

さぁ、74話目に入りました

これからどうなるのか・・。

そんな話です。


三人が埴輪の大群に襲われる姿を見続ける存在

その存在はニコニコっと笑っていた

まるで品定めをするかのように


どこか異質な存在だった


楽しませておくれ

ボクを・・もっと・・もっと

楽しませて・・!!


それは一つの歪みだった。


                *******



「ポポッポ!!」

「ポポ」


埴輪の大群が俺たちに襲いかかる

一見可愛らしい動きだが追いかける姿は獰猛だ。

しかも、上から埴輪が粘土で攻撃してくるから怖い


そんな中で俺たちは走り続ける


「ぎゃぁぁぁ、くるなぁぁぁぁ」


ラミアの甲高い声が響く

俺たちは走り続ける


だけど、もう限界も近い


「く、苦しいよぉ。」


俺は呻く

くぅ~子供の身体じゃ持久力は無理だ


早く、なんとしないと


「旬、頑張れ。うちも死ぬ気で走っとる」


ラミアも必死に走っている

その時・・。


「旬、ここに隠れるぞ!!」


俺とラミアの腕を取ってジンが傍にある洞穴の中に逃げ込む


「ポポッ~」

大群は、当然、俺たちは真っ直ぐに向かったと考えているようだから

そのまま真っ直ぐ走って

そして、見えなくなった


「はぁはぁ、もう疲れたよ・・。」


俺は、もう涙目だ。

ラミアは息を整えながらこの異常現象に苦言を話す


「はぁはぁ・・なんやねん、ここ可笑しすぎるで」

「確かに、なんでだろうね」


「しかも、あんな生物みたことないし、変な砂漠や」


そうだ、先ほどから生物が俺たちをみるなり攻撃対象へとなっていた

しかも、まるで最初からターゲットが決められていたようだ


「ラチがあかん」


そういってラミアは岩にもたれかかる

ジンは座り込み腕を組んで


「たしかにな。このままこの砂漠を彷徨っていても恐らくモンスターが

 襲われるかぎり・・」


「・・・道はないってことだね」


先ほどから、違和感ばかりなこの砂漠に俺はもうため息を吐くばかりだ


「だけど、変やな」


ラミアは、その辺にあった棒でガリガリっと何かを書き出す


「何を書いているの?」


「なんとなくの地図や・・まぁ、旬、あんさんが持っている

 地図をかせや」


「あ・・うん。」


俺は途中で買った地図をラミアに渡すと

その地図を見ながら今まで俺たちのルートを書くラミア


「覚えているのか?我たちが歩いていた道を」

「まぁな。これでも記憶力だけは自身有りや」


何気ない自慢をしながらラミアはガリガリっと書き続ける


「できた」


そうしてみせた地図は、俺たちがここまで歩いていたルートだ


「う~ん、やはり可笑しいな」


地図を書き上げたラミアはガリガリっと頭を掻くラミア


「どうしたの?」


「それがな、そろそろ・・なんや」

「そろそろ?」


そういってラミアは、う~んっと考えこむ


「そや、この砂漠はそんなに広くはないみたいなんや」

「へぇ・・でも、オアシスは無かったよ。まだ先なんじゃない?」


「それが、変なんや・・なぁ、ジン」


とラミアがジンに向けて意見を求めると


「そうだな。オアシスが見えて当たり前なのに無い。確かに変なことだ」


「そやな・・しかも、うちら・・グルグルっともしかして回っている

 可能性が高い。」


「そんな、馬鹿な・・。」


「ここから恐らく折り返し地点となり・・多分、また元の場所に

 戻るはずや」


「そんな、じゃぁ・・俺たちは、召喚士村にはたどりつけない

 と言いたいの・・?」


俺は、信じられないという顔をした

ラミアは、神妙な顔をして


「一つの可能性や。もしかしたら、ここは・・。

 召喚士が支配する砂漠なのかもしれなんな。」


「・・!!?」


召喚士が支配する・・砂漠。


その時、ジンがそういえば・・っと話し出す


「そういえば、奇妙な話を聞いたことがあったな。

 我がいた居酒屋で」


「居酒屋・・・。」


そうだ、ジンは居酒屋で情報収集をしていたんだ

ジンはその時のことを思い出しているようだ


「その時は我は半信半疑だったがな・・ラミアの話を聞いて

 事実ではないかと思うようになった」


「な・・何の話・・?」


俺は、何故か嫌な予感がした

なんだか、恐怖で震え上がりそうだ


「・・話せや。うちが許す」


「上から目線だなお前は。」


「そや、うちはある意味偉いんや。この中ではな」


上機嫌なラミア


「・・それ、我侭なだけじゃん」


ボソリっと呟くと


「なんか言ったか。お前ら」


「「いえ、なんでもありません」」


ラミアの睨みは怖い

やはり、最恐かもしれない。

女という恐怖に震え上がる俺とジンだった。


とりあいず、ラチが開かないので


「ま、まぁ、とりあいず、ジン続けて」


ジンはコホンっと咳をして話を始めた


「居酒屋ではこういう話だった。砂漠に召喚士村

 に向かった旅の一行がいたんだが、一度入れば

 まるで迷路のように迷い、モンスターに襲われ

 召喚士村には辿りつけなかった。気づけば

 村に戻されたという奇妙な話だ」


ジンは腕を組んで考え込む


「自分から戻ったじゃないの?」


「それなら、ますます変や・・。」


ラミアは口を抑える

何かを確信したかのように


「ラミア・・?」


「迷路から戻るなんて普通は無理や。道を知らんとな

 恐らく、召喚士村の連中が、奴らを遊んだ後

 そやな・・もう用は無いと思って帰した所やろ

 性悪すぎやな。」


「しょ、性悪・・。」


ズバズバっと言うラミア

なんだか、真実味がある一言だ


となれば・・もしかして俺たちは・・。


「多分、我らも奴らに遊ばれているだろうな。」


ジンが言うと、ラミアが頷いて


「・・そやな。先ほどから感じ取った違和感はコレやな。」


「あ、ラミアたちも感じ取ったの?」


どうやら違和感を感じ取っていたのは俺だけでは無いようだ


「・・まぁな。恐らく、ここには空間の切れ目がどこかにあるはずや」


「空間の切れ目・・。」



「まぁ・・同じところをぐるぐるっと回っているから

 そろそろ・・あると思うけどなぁ」


そういって笑う姿はなぜか、ゾッとした


「ラミア、怒っているよ」


ヒソヒソっとジンに話す


「だろうな。死にかけるぐらいだから、怒って当然だと

 思うけどな」


ラミアは上機嫌になっていたがまた不機嫌そうに寝っ転がって

考えているようだ


「・・どうする?」

「何かがだ?」


俺はジンと会話を続ける


「このまま、空間の裂け目を探していてもモンスターに狙われ続ける

 だけだよ。」


「そうだな。戦い続ければいずれ我らも負けて、旅の一行のように

 また戻されるだろうな記憶を消されてな。」


「それは嫌だね・・。」


また同じ目にあうのか・・それも嫌だ。


「でも、ラミアの話では近くにあるんでしょ?空間の裂け目は」

「そうだろうな。」


「・・・・。」

「・・・・。」


俺は、今とんでもないことを思ってしまった


「そういえば・・俺たちをターゲットにしているのなら

 居場所にももちろん気づいているはずだよね」


「そうではなければ襲わないだろう。」


俺たちがどこにいるのか分かっているかのようにモンスターが寄ってくるから

どこかで見ているじゃないかと感じられる


「それなら、ここも気づいていると思うだよね」


「え・・・。」


「いくら死角でも、見ているのならココも気づいているはず」


「・・まさか!!」


ジンも何かに気づいたようだ

空間の切れ目は、大体言えば気づかない場所

もしかしたら、必然的にここにくるのが当たり前だったかも・・。


「そう、空間の切れ目は奴たちは見ることはできない。

 ここは、その場所だった・・。」


そういって俺はその辺の壁をちょいちょいっと杖で突く

すると、ザワリっと空間が狂った気配がする


ビンゴ・・だね。


「な・・なんや!?」


ラミアは驚いて飛び上がえる

俺はその空間が狂ったことに確信を持った


「・・・どうやら、空間の切れ目は本当に近くだったみたいだね」


そういってカンカンっと音を出しながら杖で弾く

すると、ザァァァっと音を出しながら


景色が全体的に変わり始める


「な、どういうことや」


「まさか、旬の行動で切れ目が現れるとは・・。」


ジンもまさかと思っているようだ


「旬・・?」


俺は壁を見つめる


そして、今まで見えた砂漠の景色は消え

見えたのは緑に囲まれる美しい村だった


「旬、あんさん最高やで」


ラミアは嬉しそうだ


「幻覚だったようだな・・見ろ、村だ。」

「・・そうみたいだね」


砂漠の世界が消えて

見えたのは一つの村


それは、誰もが夢をみた桃源郷のような村

そして、沈黙を守り続けた村

俺は、姿を現した村に

ゴクリっと息を飲んだのだった



見えてきたのは一つ桃源郷

果たしてこれからどうなるのか・・

では次回を・・。

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