占い師ゼノン
71話目~
今回は占い師ゼノン登場です。
どうなるのか・・?
では、どうぞ。
その占い師は俺たちを強い瞳で見つめ
過去・現在・未来
すべてを見透かすように見つめている
その占い師は、俺の何かを知っているかのようで
少し怖くもあったのだ
ただ、その瞳は・・。
そう、とても昔を知っている
瞳でもあったのだ・・。
****
上機嫌で俺たちを見る・・ゼノン
「おほほほっ、なんでも占いますわ。貴方様が悩んでいること
そしてこれから先のことでも」
誘惑されているみたいだ
なんか、ある意味恐ろしい
「・・旬、あんさん、どないする?」
「とりあいず、ラミアからでいいよ。俺は後でいいから」
俺は本当に後でいいや。
レディファーストっとやつ?
その様子を見たラミアは口元に笑みを浮かべて
「そか・・じゃぁ。ゼノンはん、うちはそやな、金銭運でええわ」
ラミアが言いそうな占いだね・・。
すると、目の前にいる占い師は口を尖らせ
「ええ~残念ですわね。どうせなら恋愛運にしましょうよ」
うきうきっと期待を込めた瞳でラミアを見つめるゼノン
「いや・・うちは、金銭運なんやけど」
たじたじになるラミア
「しょうがありませんわね。金銭運+恋愛運で」
「あのぉ。うち、そんなのお願いしてへんけど」「まぁまぁ」
ラミアの言葉を遮りながた勝手に占いを始めるゼノン
この人も、ある意味すごいね・・。
俺は心の中で関心していると
水晶が、何かを写しだす
「まず、金銭運ね・・・この様子だと財宝まではいかないけど
お金には困らないわ。それに、貴方は結構お金に縁があるわ。」
「ほんまか!!?それはうれしいなぁ」
「次に恋愛運だけど・・・・・・・」
すると、ゼノンは冷や汗になり
「・・聞きたい?」
「・・・やめとくわ。あんさん、自分から勝手に占っておいて
今更やな」
両者とも冷や汗がでている
どうやら占い結果は良くなかったようだ
「まぁ、うちは金銭運が出たからええけど。旬、次はあんさんやで?」
そういって、もう占いをこれ以上したくないようだ。
まぁ、分る気がするけど・・。
「じゃぁ、俺をお願いします・・えっと、俺は・・そうだな
これからをお願いします」
すると、先ほど冷や汗を出ていたゼノンとは思えない冷静な顔で
「構いませんわ。私に占えないものはありませんわ」
すると、先ほどよりも強い光が水晶にやどる
ゼノンは、無の瞳でその水晶を見つめる
その光景に俺はゴクリっと唾を飲み込んだ
「光が見える・・。だけど、その光に届く前に
暗闇が見える。大きな闇」
「・・・闇・・。」
「そう、そして・・見えるのは・・。」
ギョロっと見つめる丸い瞳が水晶玉から見える
「「ひっ・・。」」
俺とラミアは思わず悲鳴を出す
それはなんだろう・・?
獣のような丸い瞳
でも、人間ではない・・。
「・・・どうやら、面白いことになりそうですわね」
怪しげに占い師が笑う
「・・・な、なんや、怖いな・・。」
ラミアは少し怯えている
「あなたは、とても面白い出会いをする。
この瞳はこれから貴方が向かう先に出会う
何か・・。」
「・・俺が行く先に出会う・・何か・・?」
ニコっとゼノンは笑う
すると、水晶玉はやがて・・一つの村を見せる
「こ・・これは・・召喚士村か!?」
「・・・!!」
ラミアは心底に驚いた顔をする
砂漠に覆われた村
これは・・砂嵐だろうか?
召喚士村は砂嵐に包まれた村・・なのか?
「・・・私が見えるのはここまで」
すると、水晶玉には光が消え失せる
「・・ありがとう。ゼノン」
すると、ゼノンは横に振り
「恐らく、これから貴方は大きなことを経験する・・
それは、哀しいことや嬉しいことを含めて
すべて・・。」
俺を見つめる瞳
それは、俺のこれから知っているようで
少し怖かった
「・・・・。」
何が起こるというだろうか・・?
「大丈夫。怖がらなくても・・受け入れる時は、貴方はできている」
「え・・。」
俺は思わず彼女の顔をみた
それは・・若い女性のはずなのに
見えるのは、年老いた人物だった
ハッとしたのだ
「どうした?旬」
「・・いや、気のせいかもしれない」
錯覚・・?
ゼノンは、俺たちを見て柔和に笑う
「君たちのご武運を祈る。また、どこかで会うことになるでしょう。
占い師ゼノンは、流れ者であり、そして、貴方達の味方であるから」
俺は、きょとん。とした。
そして、何かを少し感じ取ったのだ
「ありがとう。」
「いえ、占い師は、悪いことも良いことも含めて占うことが
私の幸せですの・・おほほ」
また優雅に笑う姿に俺たちも顔を見合わせるのだ
この人は・・ある意味喰えない存在かもしれない・・と。
「ほな、旬。行くか」
「そうだね」
俺とラミアは立ち上がる
すると、
「待ちなさい」
ピタリっと俺たちが止まる
「え・・?」
ゼノンは俺達を見上げる
「どないしたん?もしかしてお金がいるんか?」
と聞くと、ゼノンは違うと言った
「ほな、なんや?」
「貴方達の大事な仲間さんは、ここから南の居酒屋にいるわ」
ニコッと笑う
「あ、ありがとう」
俺、ジンのことをこの人に話したっけ?
「ふふっ。どういたしまして、またご来店を待っていますわ」
不思議な人だ・・?
本当に占い師なんだね・・。
俺は関心するばかりだ
ラミアは、その発言に気にすることもなく
「旬、じゃ、行くかありがとなゼノンはん。」
そう言って俺とラミアはゼノンに言われた通りに南へと向かう
俺たちが去った後にゼノンが呟いた言葉に気づくこともなく
俺たちは占い師ゼノンの店から出ていったのだった
*****
「それにしてもすごいな。あの占い師は」
ラミアは帰り道に呟いた
「そうなの?」
「ああ、うちも驚いたわ。金銭運はうれしかったわぁ~
けど、恋愛運は・・」
どよ~んっとした空気を見せるラミア
喜んだり悲しんだり・・感情に激しい人物だな
もしかしたら、意外と気にしているかもしれない
「ま、まぁ、気にしない方がいいよ。」
「そ、そやな」
ラミアは必死で忘れようとしているのだ
顔には、正直いって冷や汗が出ている
「でも、落ち込むばかりや・・。」
ズーンっと沈むラミア
その横で俺は、あのゼノンっという人物に少しだけ疑問を感じた
「ねぇ、ラミア」
「どうしたんや・・。」
落ち込みながらも俺の話を聞くラミア
「あのゼノンさん・・何者なんだろうね」
俺は占い師ゼノンについて疑問になると
「え・・いきなりどうしたんや?旬」
不思議そうに俺を見るのだ
ラミア・・疑問に感じなかったのかな?
いや、もしかしたら俺の気のせいかもしれない
そうかも・・しれない。
「・・・ううん。ラミアが感じなかったら
きっと・・俺の気のせいかもしれない
気にしないで。さぁ、ジンのいる場所にいこうか」
「・・・?」
俺は、空を見上げた
空は、青くて美しいが・・なぜか、残ったのは疑問だらけだった
****
「面白い、坊や達でしたわね」
ニコニコっと片付けをしている
その女性は先ほどの占い師ゼノンだった
「おい、女~、こんな所で商売をしていいと思っているのか」
そこには、男達がゼノンを囲む
「あら?許可が必要でしたの?」
と聞くと男たちは頷き
「ああ、そうだよ!!ここは、ボルボット様の支配下なんだよ!!」
と騒ぐ男達に
「・・くだらない。ただか、そのスペース一つに騒いでもらっては
困りますわ」
「なんだと、このアマ・・!!」
ゼノンを殴りつけようとすると
「・・身の程を知れ。」
すると、男達が、全員倒れる
一瞬、何が起きたのか誰も理解できなかった
すると、男達を靴で、グリグリっと罵り
「ぐぁ・・」
男が呻く声に、ゼノンはニヤリっと笑い
「・・お前たちより、歳も経験も上なこの私を倒せるわけない」
そこに見せたのは、先ほどよりも冷静な瞳
そして、どこか年相応ではないその姿
「・・少年達よ、無事を祈る。」
そう呟いてゼノンは、闇へと消えたのだった・・。
ゼノンは以外に腹黒い・・?
そんな訳で73話目と続きます。
では、またどうぞ。




