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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
召喚士村 ~神に愛された一族~
70/485

少年、アズール村へ・・。

70話目になりました。

今回は旬とラミアです。

では、どうぞ。


俺はラミアを追ってその村に着くと

待ちくたびれたラミアがそこにいたのだ


「旬、村に着いたんやで!!はよせぇ。」


ガヤガヤっと騒ぐ村にラミアは嬉しそうに俺を呼ぶ

その村は、とても騒がしいけれど

とても楽しそうな村だった


「ここが、アズールか。すごく賑やかだな」

「うん、思ったより繁盛しているよね。」


その騒がしい村に俺はジンに同意する

そして、隣にいるラミアはキラキラっと瞳を輝かせ


「ラミア、すごく嬉しそうだねやはり、水?」


と旬はラミアにおそるおそる聞くと

ふふん、っと上機嫌で


「当たり前や。うちの目的は水や、ふん・・さっき、あんさんらが

 うちを馬鹿にしたけど、男なら女の体調・気づいて

 当たり前や。あんさんら、男にはわからんのや

 うちの、この気持ちを!!ゴホっ。」


ドーンっと心臓を叩き、思わずむせるラミア

俺たちはその姿を見て


「だってさ、ジン」

「ようするに、変わるってことだな。その場の気分次第で」


静観するジンの一言

その言葉を聞いたラミアはムッとして

フンっとそっぽ向いて


「まぁええ、うちは水を買いに行くんや。で、あんさんは

 どうするんや」


「ああ、我はとりあいずここの村の情報を探る。」


「ええ~ジン行かへんの?」


「・・お前な・・。」


ハァっとため息を吐くジン


「まぁまぁ、俺も行こうか?ジン」

「旬・・・いや、お前はラミアと一緒に行け」


「え・・。」


視線をラミアへと向けると

そこには、ギラリっと俺を睨む存在がいた。


(うちといけよ、いくよな?うちを置いていくなんて

 非常識やで?)


そういう気迫を感じた俺は思わずブルリっときた


「う、うん・・俺、ラミアと行きます」


ブルブルっと震える俺に


「旬~嬉しいわぁ」


と抱きついてくるラミアの腕の中で

ガタガタっと震えている俺


「よし、決まりだな。また後でな」


そういってジンはさっさと村へと入っていった

ジン、俺を贄にしやがったな・・。

そう思った俺だった

ラミアはよしっと意気づいて


「さぁ、旬、いつまで怯えているんや」

「え・・。」


すると、そこには優しそうな顔をしたラミアがいた


「ラミア?」


俺はコテリっと首を傾ける

その姿をみたラミアはクスリっと笑って


「せっかく、二人きりになったんや、水を買いだけじゃ

 さみしいし、それにあんさんのその服、そろそろ

 新しくせなあかんな」


そういって、村を見渡すラミアに


「どうして?いきなり・・?」


「うちはな、楽しいことは楽しいと思う主義なんや。

 せっかく村へ着いたんや水を買って服新調や。武器もええなぁって

 考えたんや。最近戦いばっかりやったし・・気分転換で

 あんなことをしたんや」


ニカっと笑うラミア

俺は思わずラミアを凝視して


「・・・芝居だったの?」


すると、フルフルっとラミアは否定する


「・・・まさか、半分本気やで?うちはな、あんさんらと

 楽しく旅をしたいからや。あんさん、ここ数日

 楽しそうやなかったからな」


苦笑するラミア


「・・・。」


気づいて・・いたんだ。

俺が楽しそうでないことを・・。

本当は、あの日からずっと考えていることがある

召喚士の人のことを・・。

旅を続けながらもずっと考えていた


「うちは、あんさんに悩むなとは言わへん・・けど、

 気にすることはあらへん・・きっと、いつかあんさんの中で

 その疑問に対する答えは・・見つかるはずやから」


「・・・ラミアにとっては俺が笑ってくれればいいの?」


「そやな。うちはあんさんらに笑ってほしいと思う。

 うちとしては、それが一番の気分転換やな。」


「・・ラミア・・。」


「ほな、今日は水や服を見て、武器やな・・ん~あと、それと」


っと、嬉しそうにアレコレっと悩むラミアを見ながら


「・・・。」


俺は、少しだけ嬉しく感じた

今まで、俺はゲームばかりしていたから

こういう旅もしたことも無かった

そして、誰かに笑って欲しいと言われたことも

初めてだった


なんだか・・楽しく感じられる


「馬鹿だなぁ・・俺」


「旬・・?」


いつか答えが出るのなら

今は、前を見て歩くしかない

歩いていくうちに答えはすぐそこに

あるはずだから・・。


旬は紅く染る顔を抑えるように


「・・・ありがと」


「・・どういたしましてや」


そう、穏やかに笑うラミアに俺は思わず笑を浮かべてしまう


「さぁ、最初は水や、水。ほな、行こうか」


と騒ぐラミアに


「そうだね、行こう」


俺は村の中へとふたりで・・歩きだしたのだった。


                    *****


俺たちはあれから水を買ったり、新品の服を買ったりした

そうそう、ラミアは、新品の武器を買ったりした

自分が持っているナイフを新しく、ミスリスナイフにしたみたい

俺は普通の服→ミスリルの服に変えた。

どうやら、ここはミスリル系の武器や服が揃っているみたいだ


「ふぅ、買ったなぁ」


水をグビグビっと豪快に飲むラミア

俺は、その横でチビチビっと水を飲む


「満足した?」

「ああ、もちろんや」


ニッコリと笑うラミアに俺も笑ってしまった

満足したラミアは大量の水をグィっとつかんで持つ


「はぁ、さてと、ジンの所に行くか」


「うん。でも、どこにいるのかな?」


探すにしてもどこが、いいんだろう・・?

悩んでいるとラミアが、ポリポリっと頬をかき


「どうせ、酒屋にいるに決まっているやろ?」


「・・なんとなく、分る気がする。」


ありそうだ、情報収集しながら酒を飲むジンの姿が浮かぶ

行き場所は、とりあいず酒場だね


「ほな・・行くか」

「そうだね・・ん?」


村の奥に暗いスペースがあった

俺は暗闇の向こうに見える何かに思わず凝視する


「どうした?」


「ねぇ、ラミア・・あそこに誰かいるよ?」


俺は指を指した

失礼だと思うけど、ラミアに教えるには

この方法が一番的確だと思ったからだ


「どこや・・あ、占い師か」


「占い師?」


「そや、この世界では、占い師は、結構いるんや。

 占い師の職に就けば誰でもとは言わんけど、なれるんやで」


「へぇ~。すごいね。それ」


「まぁ、たいていの占い師は、強い力を持つ占い師程

 王族や、貴族の専属ってことがよくあるな。

 まぁ、あの様子じゃ流れ者みたいやな」


「へぇ~、占い師って意外に重要視されているんだね」


俺は関心しているとラミアはうんうんっと頷きながら


「そや、あんな湿っぽい所でようするなぁ・・繁盛しているやろうか?」


思わず心配するラミア


「ふぅん、占い師か・・。」


何か考えていると、ラミアは


「旬、気になるなら一緒に行くで」


「え・・あ。」


俺の返答も聞かずにズルズルっとラミアに引っ張られながら

その占い師の元へと向かう


「おおっ、あんさん占い師やな?」


すると、そこには魔女の格好した女性がいた

見た目的に、20代後半くらいだ

その女性は俺たちを見るなり


「ええ、そうですわ。お客様

 ようこそ私の占いへ。」


ニッコリっと営業スマイルをする

ラミアは思わず


「けど、よくこんな所でやっとるなぁ・・繁盛しとるんか?」


俺は慌てながら、ラミアに注意する


「ラミア、失礼だよ」

「ええっ、なんでや」


不満そうに言うラミアに俺はメッと叱る


「商売している人に普通そこまで言わないよ。」

「・・そうやったな。」


ラミアはしょげる。その姿を見て


「ふふっ、別に大丈夫ですのよ。(わたくし)

 流れの占い師ですの。繁盛しているかどうかは

 (わたくし)の腕次第ですわ。おほほっ。」


その占い師は、優雅に微笑むのだ

なんだろう・・?

一瞬、かなり年上の人に見えたような・・?


その女性は、水晶玉を撫でながら

鮮やかに笑い


「今日は特別にお客様には、なんでも占いますわ」


「・・なんでも?へぇ、旬どうする?」


「面白そうだね」


純粋に面白いと思った

それは、確かだ


「では、貴方様の占いをしてあげましょう。

 申し遅れました・・(わたくし)、ゼノンと申します」


そう名乗った占い師

俺は、この占い師によって

運命的な何かに出会うことになるとは

その時、思いはしなかったのだった。


ジンは彼自身の視点でもいいですねぇ。

では、また次話で。



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