少年、契約とカンテラ
冒とくはある人物です。
まぁ、本編に出ているし因縁がある人物といえばそうなりますね
では、どうぞ。
皆様、こんにちは
僕はただの人であり道化師を(ピエロ)している
哀れな人さ。
さてと、本当はどうでもいいのさ・・こんな前置き
くだらない終幕など、僕にはどうでもいい
どちらかといえば・・。
あの少年こそが僕を愉快させてくれる
ただ一人なのさ・・
さぁ、始まる・・終幕・・とね。
あ、僕の名前・・?
教えて欲しいの?
残念だけど、ぼくはしがない道化師
でも、この物語では重要な一人なのさ・・。
****
クロスとミリカによって発動した術
札は、見事に本領を発揮したそうだ。
術が終了すると・・そこには、獣化を解いたジンの姿があった。
ジンは平然としているが、ブルブルとガタガタと震えているトウリの姿があった
先ほどの威勢がもうない
それどころか、震えている
「ジン、どうしてトウリは震えているの・・?」
ガタガタと震えているトウリに俺は疑問を持つ
「わからん・・だが、力の使いすぎのこともあるだろう
死者蘇生の力を使いすぎた・・もう、トウリには戦う力
はないはずだ・・。」
そう・・そうなのか?
だから、こんなにも青白くて何かに怯えているような顔をしている
「・・兄上、もうこりたでしょう・・いい加減に、姉上たちの魂を
返してあげてください。術は失敗した。だから姉上たちの魂も
代価として支払う価値はもう無いはずだ。」
すると、ポッリっと呟く
「・・・できない」
「え・・。」
クロスは、耳を疑う
「・・兄上」
「返すことはできない・・そういう契約だったから」
「・・・契約・・兄上!!まさか、貴方は誰かと契約をしたのか!?」
クロスは、心底驚いた顔をしてトウリに掴みかかる
「・・・そうです・・私は・・契約した。」
どさっと下ろされてトウリはガクガクと震えた
「だ、誰と契約したの!?」
俺は、聞くとトウリは口を震わせ
「言えない・・いったら、わ、私は・・消される!!」
震えて怯えるトウリに
「一体、誰と契約したんだ・・?」
トウリをこれほどまで怯えさせる人だ。
とんでもない人物のハズだ・・。
俺は疑問に思っているとザワザワっと森が騒ぐ
「な・・なんなの!!?」
ギャァギャァ~っと鳥が騒ぐ
「カ・・カラス!?」
なんでこんな所にカラスが・・!!
「旬・・変よ。カラスが一箇所に集まっていくわ」
「え・・。」
ミリカの指摘通りにカラスは一箇所に集まりだした
どんどんとカラスは人のような形になる
くすくすくすっと笑いが漏れる
「この、奇妙な笑い・・もしかして」
俺は、冷や汗が出てきた
思い当たる人物がいる・・。
「久しぶりだねぇ」
姿を現したのは、カラスのような人
そして、カラスのようで邪悪な雰囲気を纏った
道化師・・。
鮮やかなる登場だ。
ジンは、その姿を見たとたん、クッと口を噛み締め
「貴様は・・クレーエ!!」
ジンがキッと目を向ける
その人物は、カラスのような頭をして優しそうな風貌をしているが
やつの内面と外面に騙されてはいけない。
内面は・・はっきりいって最悪だからだ
「くすっ。」
俺の視線に気づいたのかううっすらと笑う
「だ、誰・・この人」
ミリカは、見たこともない人物に驚く
無理もないミリカは初対面にになるのだから
「初めまして~王族の皆さん。僕は、クレーエと申します。
これでも、マジャンですよぉ」
ポポンっと花を出す
その芸当に、ラミアは、ズンズンっとこちらに歩いてきて
「あんさん!!よくもその顔をまたうちに見せたなァァ」
ラミアは、怒りをクレーエにぶっけた
シャァァっとまるで野生の動物みたいに威嚇する
その姿を見てもクレーエは怯える所か
「おやぁ、誰かと思えばあの時のお嬢ちゃんじゃないかぁ~
元気にしていましたかぁ~?」
ニコニコっとまるで知人に会うように軽い
ゴゴゴっとラミアの纏うオーラが変わる
「・・元気?あんさんのせいで、どんだけうちの村に被害を・・!!」
ふるふると震えるラミア
「旬・・知り合いなの?」
「少年・・あいつ、内と外にすごく差違がありすぎる。ものすごく危険
人物だ。」
ミリカが聞いてくる
ルークさんに至っては正確まで見抜いているようだ
さすがだと賞賛したいが、やつに関しては忘れるわけがない
ラミアの村をめちゃくちゃくにした張本人だからだ。
「うん、俺やジン、ラミアの因縁の相手だよ」
キッと俺は目を向ける
「そんな怖い目しないで・・僕は、別の目的を果たしにきただけだからねぇ」
そういってある人物に目を向ける
その人物はビクっと震える
「ねぇ・・第2王子・・トウリ様」
ガタガタと肩を震わせた
クロスはハッとした
「ま・・まさか、兄上・・契約した人物は・・。
こいつ・・だったのか!?」
トウリは震える
どうやら、かなり怯えているようだ
肯定となるだろう
「あ~あ、せっかくチャンスを与えたのに~
そのチャンスまで水の泡~」
そういってため息を吐きながら
歌う青年。
「も、もう一度、チャンスを・・。」
トウリはガタガタ震えながらも声をかける
「無理~。それに、これなんだか分る?」
綺麗なカンテラを見せられる
トウリはますますビクビクする
「あれ・・何だ?」
ルークは不思議そうに見る
そのカンテラには二つの青い炎があったのだ
「・・クレーエ、その青い炎・・もしかして
魂・・?」
俺は、おそるおそると聞くと
クレーエはニィ~っと笑い
「正解~。」
その途端、俺たちは目を丸くした
「ま・・まさか、それ・・アリアはん達の魂か!?」
「そ・・そんな」
ラミアとミリカは青白くなる
「そうなんだよ、綺麗だろぉ~?これこそ芸術ってやつかな」
ケタケタと悪気なく笑うクレーエ
「げ、芸術!?」
「イカレているわ」
ミリカは身震いする
この狂気はどこまでも酷く冷たい
ケタケタと笑うクレーエにクロスが
「・・それで、兄上の契約者が君だとしたら・・兄上をどうする気なんだ?」
クロスは冷や汗をかいている
どうやら、かなりクロスとしても手こずる相手のようだ
「いい質問だねぇ・・そう、コイツはもう要らない。」
「え・・。」
トウリは驚くばかりだ
「いでよ、僕の精霊ちゃんたち!!」
すると、死神に似た精霊がトウリに迫る
「お、お許しを」
「ふん・・僕の計画の邪魔をしたんだから、この相応の対応だよねぇ」
悪魔の笑みを浮かべる
「トウリ!!」
ジンがトウリを守ろうと剣でクレーエに斬りかかってくる
「いいねぇ・・兄弟愛って奴?でも、僕は・・壊したいんだよねぇ」
すると、精霊がクレーエの目の前へといつの間にいたが
ジンが斬るそのまま真正面にいるクレーエにジンは斬りかかるが・・。
「がぁぁぁぁっ」
「兄上!!?」
別の精霊によって首を絞められるジン
どうやらジンの後ろにも精霊がいたようだ
「残念でした~」
ククっと笑うクレーエ
「ジン!?」
俺は、トウリの前に来る
ゴクリっと息をのんだ
クレーエは低い声
「邪魔だよ・・どいて。」
クレーエは俺には怪我を負わせることはしなかった
やはり、前の戦いで少し俺を認めているようだ
「どかないよ。俺は。」
すると、クレーエは不思議そうにコテリっと首を横振り
「どうしてぇ?そいつは、家族を憎み、人を憎み
おなじ人種を憎んだ・・それだけのただの外道さ
オマケにこの僕と契約を結んだ醜い獣
守る価値などないんだよぉ?」
「旬・・アカン!!」
ラミアの止める声がする
「旬、我に任せれば」
ジンは首を絞められてもまだ俺を行かせないつもりか
必死で話す
「それでも、俺にはできない。
理由がなくても俺は渡さない。
守るべき人がいるから・・俺は逃げない」
精霊の前に、俺はただ通せんぼをするばかりだ
トウリはその姿を見て
「へぇ・・逃げないんだァ~いいねぇ、気に入った」
「・・・。」
ん~っと何かを考えるような仕草をして
「もし、この精霊を倒せたら僕はコイツを狩る必要性もなくなるし
このカンテラも君たちに返してあげるよぉ~」
目の前にいる精霊を見上げる
鎌を持って怖い。
だけど・・ゴクリっと息を飲む
「本当に返してくれるだね?」
「旬!!乗ったらアカン」
「そうよ、そいつはお兄様たちを傷つけるくらいなら
そんなの罠に決まっているわ!!」
ラミアの悲痛の声が聞こえる
ミリカの忠告の声が聞こえる
でも、でも・・。
その時、声がした。
ダイジョウブ・・。
キミハネガッタダロウ・・。
マモルトチカッタナラ・・!!
不思議に怖くは無くなった
「・・・どうする?」
「・・ああ、やるよ。僕は、どんな理由があろうが
ジンの家族でありそして・・守らなければならない
それが、俺の答え。」
「へぇ・・いいねぇ。」
「だから、返してもらうよ。大事なモノと
そしてすべてを」
その強い意思にクレーエは笑い
「面白い。一世一代の賭けだねぇ・・・・やれ。」
急に冷静な顔になったクレーエは精霊に命令する
その時、俺は怖くもなく
不思議になんかとなるような気がした
大丈夫
俺は、逃げは・・しない!!
その時、本が光り杖と共鳴する
「え・・杖と本が」
ヨンデ
アナタハツイニコタエヲダシタ
ソノコタエ・・ワタシハマッテイタ
サァ、ヨンデ
ワタシタチハアナタノチカラニナリ
ソシテカテニナル
「いでよ・・我精霊たちよ・・。」
その途端、本が淡く光る
美しくそして、眩しい光と共に発動する・・。
旬が呼び出したのは・・?
さぁ、これからあと3、4話でクランティア王国編を終わります。
最後までお付き合いしてくださいね
では、またどうぞ。




