奇妙な宴の果て
52話・・さてさて、どうなるでしょうか・・?
旬に声をかけた人物とは・・?
手を貸してはいけない人
それは、あたしの目の前にいる人物だった
だけども、その人物はいともたやすく
あたしの目の前に来て笑うのだ
これ以上もない屈辱
あたしは、いつか・・。
いつか・・と思いながら
今日も・・狭い世界で生きるのだ・・。
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「きゃぁ、やっぱり来たのね」
ニコニコっと邪気なく笑みを浮かべてきたのは
邪気なく笑う幼い少女
「・・ミリカ、来ていたんだ」
「あんさんかい・・奇遇すぎるな」
二人ともため息をつく中
少女だけは
「エヘ」
そう笑うのだった
後ろからは不機嫌な少年・・ルクウェアもいる
あいからず、怖い。
とりあいず、俺はミリカの方へと向ける
「貴方達、この宴に来たのね。嬉しいわ
まさか、こんなに早く会えるなんて。」
ヒラヒラと何かの白い服に目を向けた
見覚えがある服装・・。
「はぁ・・あの、もしかして・・白衣?」
そうだ、この衣装は白衣だ。
ミリカはヒラリっと舞いその衣装を見せる
「似合うでしょ?学者の衣装なの。」
確かに似合ってはいるけど・・。
「学者なんだね・・。」
「まぁ、そうね。服装的にはそんなに悪いものじゃないでしょ?」
クスクスと笑う
そんな和やかな空気の中、ラミアはジッとルクウェアの衣装を見る
本人は恥ずかしそうな顔をして
「な、なんだ・・君」
「あんさんは、何の衣装なんや」
すると、うつむいてボソリっと呟く
「・・詩人。」
「ん?」
「・・僕は、吟遊詩人!!。」
「うわっ、怒鳴ることはないやんか」
「ふん。」
そっぽ向く姿にラミアは悪戯っぽく笑う
確かに、見た目、楽器や衣装がそのように見せている。
「・・造りモノ?」
「いや、本物さ。分るだろう・・」
楽器を見せられる
どうやら、本物みたいだ。
「でも、あんさんの武器は槍やろ?」
そう、この人物はラミアと対峙したとき
槍を持っているのだ
しかし、今は槍は持っていない。
「ふん、武器は思わぬ所に隠しているものさ・・
あんたもそうだろう?」
すると、ラミアも思い当たるのか
「そうやな」
「ふん、わかればいいのさ」
「・・腹立つな。しゃぁない、休戦や」
「当たり前だろう。ここは争っていい場じゃないからな」
仲が良いのか悪いのか分らない二人
その二人の他所で俺は、ミリカの衣装を間近で見て
「しかし、ミリカまでこの衣装なんだね。」
すると、ミリカは、その衣装を見ながら
「そうね、あたしも驚いたわ。そういえばあなた衣装変わっていないわね
何?村人?」
村人・・って、職名じゃないよね
しかも、なんなのそれ
確かに、魔法使いには見えないかもしれないけど
とりあいず、杖でも見せておくか
「俺・・?一応、魔法使いだけど・・ほら、杖もあるし」
見せると、ミリカはパチパチとまばたきして
そして、旬の持つ杖を見て
「きれいな杖ね。あたしもこんな杖が欲しいわ
新調しようかしら」
その杖を触りながら考えるミリカ
その時、ドンっと何者かにぶっかる
「キャッ」
思わずよろけるミリカ
「ミリカ!!」
俺は、慌ててミリカの傍に寄ると
「痛いわ・・ね・・!!」
目を丸くする
どうやら、その人物に心当たりがあるようだ
その人物は、竜騎士の衣装を着ているのか
顔を見えない
「・・どうかしました?」
低い声がした
その声に、ミリカはビクっと震え
「いえ、なんでもありませんわ。申し訳ありません」
顔を青白になりながらミリカはうつむいて謝る
すると、その人物は満足したのか
「・・ならいいでしょう。それより、君」
じっと、俺を見たのだ
まさか、見られているとは思わなかったのか
目をぱちくりして
「?」
その人物は俺を見て
「見たことないですね・・どこから来たのですか?」
そう尋ねてくる青年に俺はムッとして
「・・・。」
「人見知りが激しいですね。」
「・・・。」
どうやら、俺達がそんなに珍しいのかジッと見つめる
「そんなに、珍しいの?お兄ちゃん」
思わず、子供言葉になる俺
すると、フッと笑い
「・・・気のせいでしたね。」
「・・?」
何のことだ・・?
「坊や、そこのお嬢ちゃんと遊びにきたのかい?」
「誰が、お嬢ちゃんや!!」
くわっと噛み付いてくるラミア
その人物は笑いながらも
「くはは、面白いお嬢ちゃん。立てつく気?」
感情のない瞳を向ける
「くっ・・。」
懐のナイフに手を出そうとするラミアに俺は慌てて
「お、お姉ちゃん、落ち着いて
ごめんなさい、興奮しているみたいで」
「礼儀正しい少年は嫌いではない。そうだ、いいことを教えよう」
「・・いいこと?」
「そうだ、いいことだ。きっと気に入るよ
じゃぁ・・また会おう」
その人物は、さっさと群衆の中に紛れ込んでいった
まさに、先ほどのアサシン(仮)と同じように
「なんや、あの人・・偉そうやな」
イラっとしているようだ
ミリカはフルフルと震えて
「・・偉いのよ。実際に」
「ミリカ様!!」
何かを口走るのをルクウェアは止めるがミリカは首を横に振り
「逃れられない狭い世界には、知っておいたほうが良い話くらい
したほうがいいわ・・。」
「・・ですが・・。」
「あなたも、きっとその方が良いと思うはずよ。」
「・・・そうですね。」
ただ、彼は黙るだけだ
ミリカは、俺達の目を見て話す
「今の人は・・誰なの?」
「・・あの方は、あたしたちを支援をしてくれている方よ」
「支援・・?」
「こう見えても、あたし、後ろ盾がいないのよ」
事実を言っているのかミリカの瞳は冷めていた。
先ほどまでの少女とは似てもつかない
冷めた印象を与えている
「後ろ盾なぁ・・そんなに重要なん?」
「・・当たり前よ」
ミリカは、切羽詰った顔で
「後ろ盾がいないということは、危険ってことよ
気をつけないといけないのよ・・。
獣人は高く売れる。狙われやすいの・・。」
「そういえば、聞いたことあるな、オークションでも高値で売れると」
「・・瞳がとても珍しいからよ。」
瞳・・。
ハッとしたのだ・・俺はその瞳を見たことがある
「・・黄金の瞳」
いつか、見た
アリアの瞳だ・・。
ルクウェアは自分が出る必要がないのか黙っている
「そんな訳で、あたしも危険ってことよ。高く売れてしまえば
待っているのは奴隷生活だけ・・隣にいる人物があたしを守ってくれる
のよ」
「へぇ・・それは、すごいね」
「・・・。」
ルクウェアは、照れ隠しなのか黙るばかりだ
「でもね、このルクウェアも元々、ある人物の部下だったのよ
だけどね・・色々あって、今は私の従者なのよ。」
「ある人物・・?」
腕を組んでミリカは話す
「・・名前は、恐らく言わなくても・・誰でも知っている
常識。なにせ、その人物はこの王宮じゃ有名すぎたから。」
なんとなく、俺はその人物を浮かび上がった
残念ながら、その人物は今俺達の傍にはいないけどね・・。
ラミアは、見えなくなった姿を見て
「結局、今の人物は誰なん?」
すると、うつむいてポッリっと呟く
「今の人物は、トウリ・エラィア・ラウ・クランティア
純血派のトップなの。」
ただ、名を呟くだけで震えていることが分る
「・・今は、これ以上は話すことはないわ。」
そういって沈黙したのだった。
どうやら、彼女にとってこの話題は鬼門のようだ
能天気なラミアはため息を吐き
「結局、この変な宴・・はよ、終わらんかなぁ」
「・・・ラミア、失礼だよ。この主催者に。」
「だって、探しに行く人物がおらんもん。
しかも、金目のものもないし」
つまらなさそうだ
どうやら、ラミアはしっかり目的だけは覚えていたようだ
ミリカは、ん?っと思ったのか
「誰か探しているの?」
「あ・・実は・・。」
その時、ドッシャーンっと大きな音を立て
シャンデリアが落ちる
「な、なんなの」
俺は、目を丸くする
目の前に現れたのは・・。
「どうやら、招かざる客はすぐ近くにいたのね」
ミリカの呟き
それは・・俺達の現実を妨げるような・・出来事だったのだ・・。
さぁ、これからどうなるでしょうか・・?
とりあいず楽しみにしていてくださいね。
では、またどうぞ




