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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 五幕 アルタール  ~賢者のいる国~
481/485

少年、造り出されたモノ

今回は、スタイン博士の話題になる

博士の謎もこの物語上、必要な要素なので

では、どうぞ

ラミアが懐から出したのは前にみせてくれたオーブの実だ


俺はあの時見ていたからわかる


「これ、複製品だよね・・確か」


「そうッスな。本物は旬が持っているッスから」


旬はコクンっとうなずく


「「ええっ」」


千里とカズラが息をのむ


旬はオーブの実を千里とカズラに見せる


「これは、オーブの実じゃねぇか!?な、なんで旬

 持っているんだ!?」


「な・・なんでこれを・・!!これは、普通ではありえない」


千里はマジマジっとその模造品と本物を見比べ驚愕だ


「せ、千里どういうことなの?」


千里はコホンっと咳をして


「オーブの実というのは、実はそんなによくなる実ではないんだよ

 ほら、旬が持っているオーブの実。それは世界のどこかになるという

 何十年かの一回の奇跡の実なんだよ」


「そ、そんなに貴重なものなの?」


「そうだよ。この宝玉一つで家がいくつ買えるかどうかだよ」


千里が言うと旬は信じられない状態だ


そ、そんなものを俺にくれたというのか?これは

ていうかロザさんず、随分思いきったことをしてくれたね


千里はもう一つの方に目を向ける


「これはもしかして模造品ってこと?」


二つあるうちの一つに目を向ける千里に

旬はよくわかったねと声をかける


「よく、偽物がわかったね?」


「・・これ、あんまりこっちと違って光ってないし

 ほら、旬こことか見てみなよ。」



千里は紙をもってきて

旬が持っている本物のオーブの実と模造品を紙の上に置く


「見て。本物と模造品は違うから」


旬はオーブの実の本物と模造品を見比べる


「本当だ。本物には線がまったくない・・偽物にはほんの少しだけ

 線があるけど・・。」


「そうや。旬さすがやな。本物のオーブの実が純度がものすごく高く

 線がないんや。うちも驚いているけどな」


「やはりそうなんだ」


あ、当たってよかったよ


千里はジッと眺めている


「ラミアさん、それ少し借りていい?」


「あ・・ああええけど」


千里は紙の上にある、模造品のオーブだけを取って


千里が杖を持って


「”サーチ”」


すると、陣が現れた


そこに、模造品のオーブの実を置いたとたん


「鑑定!!」


千里が声を出すと


カッと音がして


光だす・・


「な、何この光・・!」


俺は驚いたのだ

淡い光が舞っている


千里がその光を見て何かを確認している


「何したの?千里」


千里は、じーっと模造品のオーブの実を眺めて


「ああ、これはね、どのくらいの純度があるのか確認したんだよ」


「純度?」


「そう。僕、鑑定もできるんだよ」


「いつの間に。」


すると、千里は苦笑して


「ちょっと、いろいろあってさ。

 ほら、カズラ君とすこーし旅をしているときに

 結構、偽物の宝玉とか剣とか買ってくるんだよカズラ君」


「えっ・・そうなの?」


「てへ?俺さ、自分の武器探しをしてんだよな。今も」


「かわいくないぞ。かずら」


「本当だよ。そのせいか僕も大変だったんだ

 ・・カズラ君のせいで」


「せ、千里」


「それでさ、鑑定をするようになったわけ」


「わぁ・・大変そう。あれ?でも、カズラは嘘が見抜けるだよね?」


「ああ。そーだけど」


「なんでその時に使わなかったの?」


「あー、なんていうだろうな。俺は、見たいと思うときには

 できないんだ・・なんだろうか、突然、それが視えるんだよ」


「えっ?そうなの」


「そうみたいだよ。カズラ君の場合、突然、嘘がわかる体質のようでね

 それが本人でもわからないみたい」


「それは便利なのかどこかわからへんな」


確かに、便利といえば便利だけど

肝心な所ではそれができなけれどあっても意味ないもんな


「話を戻して宝玉は純度があると白銀に近い程

 よりすごい純度があるということがわかるんだ」


「へーって・・えっ」


旬はその模造品を見る


「せ、千里・・これ、白銀に光っているよね」


「うん」


あまりにも、白銀に光りすぎているから驚いている


千里はその光をみて何かを確信したのか


「ふーん、これは模造品だけど・・でも、本物に近い模造品だよ

 途方にもない魔力があふれているのもわかる。」


「ほ、本物に近いのか!?」


カズラが驚いてマジマジっとそのオーブを見てる


そ、そんなにすごいのそれは・・!?


「うん。驚くべきほど純度が本物に近い。

 これ、本物と言われたら本物だといいそうだね」


「そんなに本物に近いの?確かに、白銀している時点で

 ありえないだけど・・。」


でも白銀である以上・・純度は本物に近いだろう


「うん。たぶん、これを偽物だと言ったら怒られない?じゃない」


「・・売ってもいいのか?」


カズラが聞くと、ウッズが慌てて止める


「ダメッスよ。そ、そんなの売ったら大変なことになるッス!!」


「えーケチ」


ウッズはぶんぶんっと頭を横にふってダメっという


「ケチでも危ないッスよ!!下手すると牢屋行きッスよ

 カズラさん」


「なんでだ!?」


「10年数年に一度なるかどうかすらわからない実ッスから

 もし、表なんか出たら大問題になるッス。当然のこと

 牢屋行だけですむかどうかッス」


「そら、いやだわ。俺でも」


そんなやりとりを見ながら


旬と千里、ラミアとアニマは話す


「これだけのモノを作れるとなれば・・錬金術師なのかな?」


旬が聞くと


「そうなるやろな。普通の人でもこれだけ精巧なものはつくれんわな」


確かにそうだ、これだけのモノを作れるのは

普通じゃない


こんなに、本物に近すぎる偽物・・もとい模造品は見たことない


「あにまも、おどろいた・・まさかこんなものを

 れんきんじゅつでつかわれているなんて」


以前の話では詳しくは聞くことはできなかった


「やはり、これは錬金術なの?」


「そや。人工的に作られたもので間違いないわ。」


「確かに、よくできているよね。これを作った製作者についてだけど」


「・・そやな。そろそろ色々明かすべきやと思うんや」


「スタイン・カルディアという博士は知っているか?」


「スタイン・カルディア・・!」


まさかここでもスタイン・カルディアの名を聞くとは思わなかった


「スタイン・カルディア・・って今言ったッスか!?」


「ん?」


すると、ウッズが興奮しているのだ


「ウッズさん?興奮しているの?」


「そ、それはそうッスよ!!有名な人ッスから」


有名な人・・?


「スタイン・カルディアッスか!?あの有名な錬金術及び技術者である

 スタイン博士の事ッスか!?」


「わぁ」


アニマがコロコロっと転ぶ

それを千里が起き上がらせる


「大丈夫?」


「あ、だいじょうぶ。ありがとうせんり」


「いえいえ」


ウッズは興奮しているのか鼻息荒い


「スタイン・カルディアは、錬金術師でもあれば医学、薬学、技術者

 としてあらゆるものを極めた天才博士ッスよ」


「ほー、あんさん詳しいな。さすが大陸にすむ人では有名な話やもんな」


ラミアは片手でバリバリっとどこから出したのかお菓子を食べてる

この衣装でお菓子を食べるのはすごいな


しかもこぼれないからなおさら上手だ


「あー、らみあずるいぞ!!あにまもたべたい」


ラミアはアニマにお菓子を渡す


嬉しそうに受け取るアニマ


旬はウッズの話を聞いてる


「どんなものを作った人なの?」


「はい、説明するッスよ。スタイン博士はこの世にはないはずの飛行船に使われる

 飛空石を最初に発見した博士ッス!!」


「あにまにはわからないけどすごいはかせだな。」


「飛空石ってこの世にないんだ?」


それは初めて知った情報だな


「そうみたいやで・・でも、今から50年前にとある鉱石場から出ることが

 わかったそうやね。で、それを発見したというのが」


「スタイン・カルディアッス。彼のおかげでここ50年の間で様々な

 飛行船や船が出るようになったッスよ」


50年・・それはすごい


「大陸は、かっては不便な国だったッス。一つの国に行くのに

 片道百日ぐらいあるいてようやく着く国が多かったッス」


「ひゃ・・百日」


それは、まるで地獄だろな


百日をかけていく国って・・。


「嫌だな。俺なら百日も歩いてやれねぇぜ。

 その前に倒れるな」


「確かに、歩くのは大変だからわかる。」


「あにまもそれはいやだ・・うみなんてふねがないと

 およいでわたれっていっているようなものだな」


確かにここから海の向こうの国には船が必須だ


それを泳いで渡るのは・・苦情以前の問題だろう


「そう、そういうところがあったッスよ。

 それでスタイン博士が見つけたことで

 話は進むッス」


「話は進む?」


「そうッス。何を隠そうスタイン・カルディア博士が最初に

 船や飛行船を発明したッスから」


「は、発明」


それは初めて知った


ポカーン


「科学力があがるっていうのは良いことだな~俺も飛空石みたけどあんなに力がある石ってんのは魔力の純度が高いからだと思うぜ」


「へー」


「彼の本職はほかにも医学者の面もあったそうッスが

 謎が多い博士だったそうッスから」


「医学者」


「これぞ旬のいう”チート”ちゅうやつやな」


「だけど、スタイン・カルディア博士はとある事件により

 行方不明になったッス」


「行方不明?」


「そうッス。確か、十年前ッス」


「十年前・・?」


「そう十年前謎の失踪を遂げたッス

 だけど、旬が聞く話によればよるほど

 博士を見かけたという目撃情報も多いので

 これはガセではないかという噂をもあるッス」


「確かに」


実際に、シュネーでも博士は姿を現したそうだから


失踪はしているそうだが今のところわかりはしないことだ


「色々謎の深い博士なんやけど。もし、このオーブの制作をしたということは何か理由があるんやと思う」


「理由・・か」


「・・・とにかく、うちはアリシア先輩のことを探るために

 賢者の屋敷に潜入するわ」


「するの?」


「もちろんや。本当にいるかもしれんかもやし」


本当にいるかもしれない

かもだ

確証なんてない

でも、ラミアはそれでも潜入する


人の思いはたくさんの人を動かす理由になる

だから、俺も、その思いに応えるべきだ


「わかった。俺も頑張るよ。ね、千里」


隣にいる千里はうなずく


「もちろん。何か確証が得られそうな情報集めて

 みせるから。期待してもらうとよいかな。」


「おー、さすがしゅんにせんりだー。あにまもがんばる」


アニマもガッズボーズで気合はいっている


「怖いけど、ラミアのさんのためにがんばるッス

 負けないッスよ」


それぞれの様子をみて、カズラは自分の髪をガシガシっとかきむしり


「だー、仕方ない。俺も腹を括るか。

 俺は、格好の餌でもなるさ。安心しろって

もし、危ない時は俺がお前らを助けるから」


ニヤリっと笑うカズラは格好いい


「ほな、あんさんらのこと信頼してるで。」


ラミアはにっこりと笑ったのであった。


そして、俺たちはその日を迎えたのだった


次回から、新キャラ続々登場です。

賢者や教会の人・・まぁ、いろいろでるのでお楽しみに

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