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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 五幕 アルタール  ~賢者のいる国~
462/485

少年、赤と青

約束通り、更新しました!

すこし、かかりました・・!

待って


もう一度待って


それを言うこともできずに


終わっていくのだ


待って


そこにはまだ・・あの方が・・!!


まって


お願い!!


ま・・・って


終わっていく


終わっていく


おわって・・・いく・・・。


やがて・・声は・・聞こえなくなった


                    ***



千里はニコっと笑って


「さてと、そろそろいこうか。大まかな話はここまでとして

 依頼しないと次のね」


次の依頼・・!


「あ、そうだったッスね」


あ・・そうか、まだ一つあったな依頼


ウッズは蒼依頼書を改めてみていた


「結局なんの依頼だったの?」


「どうやら、次の依頼は、パーティ料理の試食ッスね」


「パーティ料理・・?」


「そうみたいッス。それしか書いていないッスから

 ・・あ、”アルテッサの店”みたいッスよ。地図もあるッス。」


「ご丁寧にしてくれるね。さぞ、おいしいものが食べれる可能性があるね

 旬、行くよ」


「あ・・うん」


旬はぼーっと辺りを見ていた


頭が追いついていかない


というか衝撃やら疲れるやら


なんとなく湖を見てしまうのだ


「ん?」


その時、旬は湖のそばに咲く花に釘付けになった


「旬?」


千里は不思議そうな顔をしている中、


旬はその花に近づく


そして・・そっと、匂いをかいだ


甘い・・甘いニオイだな。


「こっちは、赤の花だ。で、隣が青の・・・?」


赤と青の花が隣通しに咲いている


赤の方は、強い甘い匂いがする


けど、青の方は甘いけど・・少しだけミントのようなさっぱりした匂いがした。



不思議だ


不思議すぎて笑えるくらいだ


「青はレヘンの花ッス。で、隣がフレンの花。」


「薬草なの?」


「そうッス。薬草ッスよ。レヘンは混乱・毒に効くッス。」


へぇ・・この花がねぇ~


もしかして、結構重宝されているかもしれないな・・っと旬は思った


が、次の瞬間、目を丸くすることになる


「さらに、隣の緑・・フレンの花・・あれは毒草ッス

 一口でも口を入れると”ぎゃぁ”の一言で人生はおしまいッス」


ウッズは自分の首をキュっと軽く締める


「「お、おしまい」」


思わず凝視してしまう旬と千里


「・・・なんで、解毒と毒が隣り合わせで咲いているの?」


薬になる花と毒になる花が隣り合わせ


なんて・・不吉な・・!


不吉すぎて悪用されたらさ、最悪だ


「確か、フレンの花は毒草ッスけど。使いようによっては薬になるッス。」


使いようによっては・・・?


「使いようによっては・・って曖昧すぎるって。

 教えてよ。」


「そうッス何だったッスかねぇ・・・自分も昔薬草学の時に

 少し勉強した程度だったッスが・・えっと」


「って、ウッズさん忘れたの?」


「一番肝心なところを忘れる?」


呆れる旬と千里


「はははっ、と、とにかくレヘンの花を加えると中和されるからということで

 知るぞ人は、隣り合わせに植えるッスねぇ」


「へぇ・・。」


俺は二つの花を見た


確かに中和されるのなら隣どおしに咲いていたほうがいいかもしれない


「くすっ、落ち着く色だね。旬」


隣に腰をかけて花をみてにこやかに笑う千里


しかし、旬は気持ち悪いのか


「千里、何気にほのぼのこわいよ

 毒草の前で笑っているのも不気味だよ。」


俺は幼いからいいけどさ


千里、もう青年になろうという人物が花をみて


にこやかに笑っていると不気味だよ


ナルシストに見えてならなくなるよ


「旬、何言っているの。日常に食べれない草や花だってあるんだ

 観賞用の花にほのぼのするのもあながちおかしくはないだろう」


「・・ま、まぁそうだけどさ、なんだかカズラみたいだ・・」


「はぁ!?あんな、ナルシストと一緒にしないでくれる!?

 僕は純粋だよ純粋」


あくまでも純粋だと言いたいのかかなり強調している


「純粋にたいして異常に執着しているッスな」


「本当だよ、純粋以上に腹黒いくせに何言っているだか」


「何かいった旬?」


ギロリっと軽く俺をにらみつける千里


「い、いや、気のせいじゃない?」


こわ~、腹黒だ


腹黒


千里の性格にはついていけないよまったく・・。


でも・・。


「でも・・ま、いいものを手に入れた感じかな

 えい」


軽く風の魔法でスパっとフレンレヘンの花をスパっと軽く切った

それをバックに詰め込む旬


「・・・今度は何を作る気?」


「毒消し?」


その曖昧な言葉に千里は呆れる


「何、その疑問符。旬の調合は失敗と成功の半々だからなぁ」


ムッとした旬は頬を膨らませる


「俺もそう思うけど。でも、たまにいいものを作るよ。

 たとえばこれ」


バックから、赤い液体を出す


珍しいくらいワインのような赤い色の液体だ


「うわぁ・・赤色ッスね」


「赤色すぎて不気味さが上がるね」


「だろ?俺だって不気味だけどさ。」


というのも俺、カズラ、千里の魔力の暴走した後に


偶然見たら・・この赤色になっていたのだ


「本来は黄色になるはずだっただけどなぁ・・どこで行程を間違えたのやら」


「行程以前の問題でしょ。とにかく、これに関しては僕でも気長に探すしか

 ないよ」


行程以前・・!


ガーンっと旬はショックになる


「で、結局その腕輪に関してはどうやって探すッス?」


「う~ん、そうだねぇ。ラミアの探知能力で探してもらうのもありかな」


ラミアならそれが可能なはずだ。


なぜなら、元々ラミアは・・・。


「ラミアさん、探知能力使えるッス?」


「うん。ラミアは、シーフをしていたんだよ。その中でもお宝や人、物、

 そういったものを探ることができるんだ」


「でも、対象物が分からないから無理があるんじゃ・・?」


「まぁ・・でも、ラミアならいい方法を知っていると思うよ」


シーフであるんだ。


探知能力が強いのもそのためだ。


今までラミアのおかげでなんとかなったようなものなんだ


「ほー、さすがッス」


「さてと、探し物の件は、いいとして

 次にいくよ。旬」


「ここから戻るのは大変だから移動魔法陣でいこうよ」


湖のそばにある移動魔法陣の前に旬たちは移動する


「移動魔法陣・・あったよ。なんで俺あんなに苦労したんだろう」


「・・本当ッスよ」


移動魔法陣光は、光輝いている


でも、なんだか看板のようなものがあった。


「・・・なんか書いている・・何々、ランダムだってさ」


千里はその文字を追うと・・旬は思わず


「ら、ランダム!?」


「なんか、移動魔法陣というのはまだ調整が難しい魔法みたいだね

 ・・一応、この国内には移動できるみたいだけど」


一応・・なんだ。


「ああ・・なるほど。どこに移動するのかわからないんだ」


「いやな魔法ッスね」


げんなりしているウッズ


「いや、俺はそう思わない・・」


「なぜなら」


ごくりっと息をのむ千里とウッズ


「あのバカ遠い5キロの中で汗だくになるより

 はるかにマシ、マシ、マシなんだよ!」


「た、確かにそうッスね」


「まぁ、当たればめっけもんというところだよ。

 じゃ、行こうか」


「あっさりッス・・千里さん」


旬たちがその陣の中に入ると


その途端、移動魔法陣が淡く光り輝いていく・・!


旬たちは一瞬でランダム如く・・アルタールの国内を飛ぶ


魔法陣は一瞬で国内どこかに移動する


「い、一瞬ッス」


「すごいね~、魔法陣でランダムといえここまでできるとは・・!」


千里は驚いているようだ


にしても、ここ・・寂れた所だ


家はきれいではない


むしろ、古い家ばかりだ・・おそらく、昔の家なんだろう。


「ずいぶん、寂れているね旬」


「寂しいね。」


その時・・・!!


ザバアっと冷たい水が・・かけられた


「あ・・・。」


桶と杓子をもった女性がフルフルっと震えていた


「「・・・・。」」」


思わず無言になる俺たち


お互いを凝視するのだ


「あ、あられぇぇぇ、だ、だいじょうぶですかぁぁぁ?

 わ、わたしまたぁぁぁぁ」


慌てながら少女は自分たちが大丈夫なのか聞く


しかし、この現状


俺ら、全員・・ずぶぬれ


しかも・・さ、寒い


「「「・・・大丈夫に見える(ッス)?」」」


「全然みえましぇん・・ううっ。涙で前がぼやけます・・ううっ、あられぇぇ」


涙目の少女がいた


その瞬間、ウッズは何か悟ったのか


「移動魔法陣・・排外ありすぎッスよ」


「まったくだね」


お互い、納得いくことがあるのか

うなずいている


「クシュン」


旬はくしゃみをする


あ~、なんでこんなことになるんだろう・・?


目の前の少女はおろおろとしているし


「厄日だな・・俺」


はぁ・・っと旬はため息を吐いたのだった


少女は何者なのか

次回をお楽しみに

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