少年、沈んだ先にあるもの
1ヵ月・・!
すみません、でもようやく掲載できます。
ではどうぞ
どうして・・だろう。
僕は未来を知ることができないから
こんなことになるなんて思わなかった
信じたくはなかった
だから、僕自身が心を壊した
真実と事実から目を背けて自分を消したかった
だけど・・夢を見ていたんだ
僕自身の意識がないときに・・。
守れた夢だった
師の笑顔だった。
それは夢でしかないけども
僕は幸せだった
だけど、同時に気づいたんだ
僕は・・やはり、受け入れないといけないんだっと
夢の中で・・そう思ったんだ
気づけば・・僕の目の前には・・旬がいた。
泣き笑いの旬がいた
気づいたんだ
過去は・・修正できないことも
どんなに戻りたくても
戻れないことを知った
だけども・・思い出は残る
僕は・・あの日のことを思う
師が・・・僕の手を握りしめた・・・あの日のことを・・。
「生きなさい」
と力強い声だった
死ぬべきではない・・という強い思いの声を
僕は・・・これ以上聞きたくなかった
だって・・本当に・・・辛かった
最後だと思うと手が震えて
でも、聞かなければならなかった
弟子の僕ができる・・・最初で最後の教えだからだ
「行きなさい」
切なくて・・・別れを伝える・・声だった
僕は・・・その言葉を思い出す
生きることは僕の使命で
そして行くことは
真実から逃げて背けないことだ。
師は最期に教えてくれた
その教えに気づくことができなかった僕の落ち度
今度は・・・逃げないよ
どんなにつらくても
どんなに恐ろしくても
逃げない・・
リシャーナ・・師匠。
僕は・・・守りたい仲間のために
疾走を続けるよ・・・!
****
謎が謎を呼ぶ貴婦人
彼女が何者なんて
俺には見当もつかない
だけども・・気になるのは一点だけ
「あの謎の貴婦人がどうして召喚士の一人前を知っていたのか
千里はわかるの?」
「僕が一番聞きたいよ。」
そう、知るはずのない召喚士の慣習を知っていたのだ
彼女は、召喚士のことを何か知っているだろうか・・?
「あ、ごめん」
「いいよ。でも、不思議なんだよ」
「何がッス」
千里は杖を軽くポーン、ポーンっと投げて弄んでいる
「見た目では召喚士が一人前なんてわかることがないんだよ。”ならず者”、
”一人前”・・まぁ、召喚士は召喚士だけどさ」
ならず・・者?
「ならず者って?」
初めて聞く・・言葉だね
「一人前ではない者をそう呼ぶんだよ。召喚士として未熟者という意味でも
あるんだ。だけど、一人前の儀式は行われなくなったし・・ならず者は困る
だろうね。」
千里はさも当たり前のように話す
しかし、俺たちには理解できない・・。
「どういうこと?」
「・・ああ。旬は知らないか。8年前の大戦から儀式は行わなかったんだ。
・・・あんなことがあったから」
泣きそうな・・千里がいた
「あんなことって・・もしかして」
千里は目を伏せた
「師の死・・それが、あの村を変えてしまったキッカケだよ。
召喚士たちは一人前になる特別な儀式を行うのをやめてしまったんだ」
やめてしまった・・・。
特別な一人前の儀式を・・?
「ど、どうしてッスか?」
「師の死によってもたらされたことはその後、大戦へと深みへと沈んで
大勢の犠牲によってもたらされた結果はベテラン召喚士の不在
本来ならず者を一人前にするにはベテラン召喚士の補助が必要なんだ。
それを放棄すれば・・分かるでしょ?」
そっか・・補助する者がいなければ
召喚士を一人前にする儀式ができない
「じゃ・・ベテランの召喚士がいないから」
千里はうなずいて・・杖のギュっと握りしめた
「そう。行うことなんて難しいだよ。ベテランじゃないとわからない
複雑な術式や儀式を行うのに必要なんだよ」
「じ、じゃ・・い、一生行われないッスか!?」
狼狽えるウッズ
それは、そうだ
行われなくなった・・というのは伝統を放棄するということでもあるんだ
でも・・それだけじゃないような気がした
だって、召喚士は・・俺は確信ではないけど・・目の前に千里がいる
だから・・答えはまだ・・ある!
「・・召喚士はすべて滅んだわけでもない・・そうじゃないの?
千里」
そう、目の前に千里がいるとなれば
必ず・・すべてが滅んだわけじゃないというわけだ
確信はないけれど・・戦に難を逃れた召喚士もいるはずだ
「・・うん、その通りだ。だって僕だっているからね
・・だから、ほかにも生き残りだっているよ
・・行方不明だけどさ。」
千里は口元に少しだけ笑みを浮かべ
「・・でも、確信・・ないッスよ?」
ウッズはおそるおそる・・そう告げると千里はニコっと笑った
「僕たちは召喚士だよ。確信なんて今更深く考えることない
だって、僕だって召喚士だ・・終わりなんてない。
・・受け継ぐ人がいるかぎり。僕たちは不滅さ。」
「不滅・・か。」
旬はその言葉をつぶやく
・・・そうだね。
受け継ぐ人がいるかぎりは・・終わりはない。
俺も・・そうだったよ・・・。
そう・・そうだったんだよ。
旬は・・どこか哀愁を漂わせて・・遠い過去を・・思った
「すごい・・考えッスね。深いッス。」
すると千里は照れるのか頬をポリポリっとかいている
「・・っとなれば、一人前になっても何か違うッスか?
その石・・魔石だけッスか?」
ウッズがそう・・問うと
千里はう~っと唸り
「・・ああ、そうだね僕が言える程度では”秘術”が使えるようになるよ」
「秘術?」
「千里は使えるの?」
コクンっとうなずく、
「もちろん。ただ、面倒。本当に必要な時しか使えない。
召喚士の秘術は里外にでることはほとんどないんだ」
「なんで?」
「そうだね。まず使う人が少ないから・・かな?」
「そうなんッスね。そういえば、千里さんも召喚術を使うけど
バラエティ少ないのもわかるような・・。」
ウッズさんの余計な言葉で・・げんなりと呆れ
「僕はウッズさんの中では何を目指している人になっているの・・?」
「ひ、ひぃ」
目は笑っているけど・・口は笑っていない
おもわずビクっとウッズは震えたのだ
でも、旬は思う
まさしく、本当に何を目指している人になるつもりだろう・・っと俺も千里に言いたい
でも、口にだすと怖いのでやめておく
「ま、まぁ一人前しかできないことってたくさんあるの?」
話を逸らす旬に・・千里は、ジト目だったが
「もちろん、あるよ機密事項が多いからあまり言えないけど
・・そうだね・・”送りの儀式”覚えている」
「ああ・・覚えているよ」
召喚獣”ホワイトソウル”の魂を救った力
魂を輪廻に導いていく
それは、とてつもない高度な術だと今考えればわかること
そして・・今俺の手にある・・・。
「・・あの時みた術はかなり複雑だと思ったよ。
発動するのも大変そうだと・・今考えるとわかるよ。」
「うん。詳しくは言えないけど、かなり複雑だよ。
だけども、複雑だからこそ召喚士としての誇りなんだよ」
千里は・・自分の掌を見つめた
豆ばかりで痛々しい手が・・自分の誇りだとわかっているんだ
「千里・・。」
「千里さん」
俺も、魔法使いであることに誇りに思っている。
誰よりもそれは・・同じ思いだ。
「だから、召喚士の誇りにかけて・・この世界の謎
そして、あの貴婦人の謎には・・興味はあるよ」
今・・千里の瞳からキラリ・・からギラリっと変わったような気がする
間違いなく・・俺は目撃した・・その瞬間を・・!
「召喚士の威信をかけて謎を解く気なの!?
というかなんで!?」
「・・召喚士は、謎に思うことには究明するんだよ。
というか、研究熱心なところもあるんだ。」
「へぇ、ってか千里は元からある探求心じゃ・・?
「あは、バレたか。でもね、旬・・僕は思うんだよ
・・謎を解いていくと・・一つの道しるべへと
導かれる。」
・・・!
「現に旬だって・・分かっているはずだよ。
これまでのことを考えれば」
「・・・多少はわかっているよ。」
わかっているんだ
理解すらしている
でも・・・なぜか
それを知ることで起こることが
胸騒ぎも感じるんだ
そんな旬の状態に見かねたウッズが
「そういえば、千里さんは何に気づいたッスか?」
旬の助けになるように・・千里に聞いたのだ
旬はハッとして
「・・・あ・・そうだった、千里は確か・・あの時
何かに気づいたようだったけど・・?」
千里は・・真剣な顔になる。
「・・正直いって、僕としては・・あの人は”執念”の強さを感じたんだ」
「執念?」
「そう、それは”強い死と生への執着・・」
思いもよらない言葉だった
「・・えっ・・!」
「・・・貴婦人からは、”執念”が強く生と死へのの執着がものすごくビリビリっと感じたよ。
それだけじゃない・・まるで」
「まるで?」
千里は少し恐れているようだ
杖を握る手で
「それが空洞のように感じたんだ。そこがない
空っぽのような・・何にもない・・そこが、”幻惑”のように感じた。」
幻惑・・か。
幻なのか・・そうなのか俺もわからない
ただ・・聞こうと思った。
どうして・・そう・・思ったのか
「どうしてそう思ったの?」
すると・・千里は・・。
困ったかのように・・ふるふるっと首を横に振った
「・・分からない。なんで僕がそう思ったのかわからないけど
・・魔石反応したんだ。」
千里は蒼の魔石をギュっと握る
そして・・視線は対になっている赤の魔石だ。
「赤の魔石が・・どうかしたの?」
千里は・・赤の魔石を見上げて・・そして、逸らすのだ
よほど・・・深く考えたくない事情があるようだ
そして・・千里はフゥっとため息を吐いて
「青の魔石は”供給および強力”だけど・・赤は・・”危機”を感じ取るようにしているんだ。
杖を通し振動を伝えるようになって・・だから、あの時
彼女を見た時から魔石が強く反応したんだ」
そうか・・だからか
千里が妙に驚いた顔をしていたのは・・そういうことだったんだ・・!
「だから、あの時・・驚いた顔をしていたッスね」
「うん、魔石は彼女に”何の危機”を伝えたかったのか
僕にはわからない。」
そして、千里は魔石を杖の先にはめこんだ。
「・・旬、僕は気になるよものすごく。魔石が反応するなんてもっとも
ありえないんだ」
確かに、千里がありえないといったらありえないだろう
しかし・・問題は残る
「確かに・・ただ、危機は何を伝えていたのか?だよ。千里
本当に何かわからないの?」
「それは・・分からないよ!!旬のバカ!!」
さすが、ムッときたのか逆切れする千里
その怒りにムカっとしたのか旬も逆ギレする
「逆切れしないでくれる!?俺だっていいたいよ!!
千里のバカ!!」
突然、険悪になり
千里と旬は取っ組み合いしている
「なにさ」
「なんだよ」
ギャァギャァっと喧嘩する千里と旬
それを静観していたウッズが・・・何かわかったのか
「危機は案外、自分たちがこれから起こることかもしれないッス」
二人は喧嘩をやめ・・ウッズを見た
ウッズは・・二人に注視され・・少し気恥ずかしい顔していた
「どういうこと?」
「前回のホワイトソウルの件でも、繋がったッスよ
覚えていないッスか?ホワイトソウルの時も
・・あの人の依頼だったッス」
「そういえば・・!」
「・・そ、そうなの・・旬?」
「・・うん。でも、まだ確信があるわけでもないよね?」
「そうッスね。決め手なんてないッスよ。ただ、想定しているだけッス
人から見れば”悪意のある妄想”ッスね」
俺はため息を吐いた
前から思っていたけど
本当、謎が深い人ばかり現れるのって何なの!?
しかも、決めてがないときた
かなり・・疲れてきた
「でも・・旬」
「なんだよ。千里・・逆切れはお断りだけど?」
「逆切れはもうしないって・・あのさ、確かになんの警告かわからないけど
僕は・・少なからず悪い人ではないと思うよ」
「千里も思う?」
「・・うん、だって僕たちも同じだからさ。
大事なモノを探している人の瞳には
なんとなく・・悪い人ではないと思うんだよ
旬」
「・・うん」
俺は、知っている
千里も知っている
大事なモノを探す人のヒトミは
懇願の瞳とそして不安だ。
俺は・・なんとなくだけど
見つけたこの先に・・あの貴婦人の謎に繋がるような
気がしたんだ・・。
次回は、すぐの予定です。
月曜日には掲載できるようにしますので
お楽しみに!




