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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 四幕 黎明の約束
417/485

少年、静寂した世界

今回は・・・?

「どういう意味ですか・・?旬」


それは、静寂していた。


とても静かで・・聞こえるのは、エミルが息を呑んだ音だけだ。


「俺はね・・最初は戦いを避けようと思っていたんだ。だけどね・・・

 できなかったんだ」


そう、できなかった。


初めて、ジンに出会ったあの日から


俺は、日々・・逃げようと思ったことがあった


しかし・・・できなかった。


「えっ?」


「・・自分の周りには、どうしても守りたい人が巻き込まれている。

 俺は、どうしてか動いてしまうんだよ」


そう、出会うたびに、守りたい人がいる


でも、それには・・必ずではないけど


巨大な影があるのだ


「・・・旬・・・それは・・。」


「・・・知れば知るほど強い敵は増える。でも、俺も君と同じように

 戦うことは嫌いだよ。」


本来は俺は日本に住んでいたから


争いとは無縁だった

でも、今は違う


争いの中・・この異世界に迷い込んでしまってから


戦いしかないのだ


「嫌いなら・・どうして?」


「・・・・。」


旬は何も言わない


言えないんだ・・ものすごく。


エミルはじれったいのか旬に叫ぶ


「戦えばぼくのような憎しみのもつものだって増える

 それに、旬だって・・平和が好きなら・・!」


黙っていた旬は・・ポッリっとつぶやく


「戦いをやめて逃げても・・変わりはしないよ。エミル君」


「えっ・・。」


そう・・やめても変わらないんだよ。


「・・停滞するだけだよ。その場で止まるだけ。

 そして、動けばまた動き出す。結局は、逃げても隠れても

 一緒なんだよ。」


「・・・旬は受け入れているのですね。この禍々しき世に。」


禍々しき世か・・大げさとは思うけど


最近は、そうでもないような気がしてもならない


「・・逆らえないことが億通だけどね。でも、それは俺だけじゃない。」


「旬だけじゃない?でも、旬が一番遭遇しているのでは・・・!?」


信じられない顔をしているエミル君


分かるよ・・それは、俺だけが背負うものではないと知った時は


俺だって同じように思う


「そう。俺の仲間である、千里やカズラ・・ラミア、ウッズさん

 アニマ・・みんな、その戦いに巻き込まれているんだよ。

 正直いえば、戦ってほしくないけど・・でも、そうしなければ

 ならない理由だって存在する」


「・・・無幻のような奴らがいるからですか?」


・・・・。


俺、思うだよね


国落としや、無幻


そして、正体不明の騎士・・・隠密騎士の存在


そう感じるのは・・奇妙な違和感とそして・・恐ろしくて


たまらない・・恐怖感がある。


「・・何か大変なことが起こるような気がしてならないんだ。

 ・・エミル君、俺は、その大変な何かが恐ろしく

 感じるんだ・・だから、追わないといけないんだ。」


そう、やつから感じ取ったこの何かに・・俺は感じるんだ


奴らを野放しにしては・・”危険”だと。


そして、エミルはフゥっとため息を吐く


「・・・旬、ぼくは、やはり理解できそうもないです。」


そういう・・エミルの瞳は、とても信じらないという感じだ


「そうだろうね。俺も自分が何をしているのかと言いたいよ」


・・そして、目を伏せて・・エミルは・・ポッリっと喋る


「・・・でも、あなたは決意をしている。逃げない

 そして、立ち向かう強い力を。ぼくにはない力。

 ・・そして、母にもあった力だ。」


「・・・!」


「・・運命から逃れることは不可能。それは、ぼくの母も同じでした。

 きっと、気づいていたのでしょう。未来予知があるからこそ

 ・・逃げずに運命に立ち向かった母を・・ぼくは、今なら

 そう思えます」


・・・。


俺には、その場にはいないから分からない


でも、確かにそれはすごい決心だっただろう


自分の身より人を助けることは


それは、命知らずでもある


無謀でもある。


だけど、何か守りたいことがあったからこそ・・。


見知らぬエミル君の母親に空想をした旬


でも、少しだけ気になることがあった。


「ねぇ、エミル君・・」


「何ですぅ?」


いつもの間抜けな声を出すエミル


「君のお母さんを取り戻そうと思わないの?」



ふるふるっと首を横にふる


「今度はマリンが母のようになってしまいます。

 ・・それに、無理なんです。取り戻すことは。」


「戦力がないの?」


それも違うのかふるふるっと首をふる


「それもあるのですが、ちょっと意味が違います。

 ぼくだって、母がいる国を知っていますよ」


さも、当然のようにエミルはいう


すでに、見当がついているようだ


「えっ・・・知っているならどうして?」


そして、憂いを秘めた顔をしてをするように・・


「・・母がおそらくいると思われる国は・・皇国です。

 あそこは、中央の政府も存在しています。

 ・・・そして、あの場所は・・”神の巣窟”ですから」


「・・・神の巣窟?」


神の住処だといいたいのだろうか・・。


ありえない国だ・・いや、皇国か?


「はい。皇国は、神の末裔がいる国なんです。

 ・・そして、その恩恵を持ち人たちがいる国

 誰にも持つこともない”眼”をもって

 世界を監視している存在がいるのですよ」


眼・・未来予知とはまた別の力・・か?


「・・そんな人がいるの?」


すると・・エミルはふるふるっと首を横に振り


分からないという手振りをした


「・・・噂程度です。ですが、みな恐れているのです。

 神の天罰を・・そして、世界に監視されている

 ぼくたちには、どんなにあがいても無理なものです」


そこには儚げで悲しそうな笑顔をしたエミルがいた


どこか、何かしたいけども現状どうしようもない


ということだ。


覚えのある・・この悲しみは・・俺は知っている。


「・・・。」


旬は黙る


心の中にあるソレに・・旬自身が問いかけているのだ。


”思いだすな”っと・・。


「旬、ぼくは・・旬が羨ましいです。ぼくには何もないんです。

 マリン以外なにも・・あがなうことすらできやしない。

 ・・ただの人形そのものですね。」


「・・違うよ。君は、マリンちゃんを必死に守っているじゃないか

 家族を誰よりも思っている君を・・!」


「・・・ありがとう。」


誰よりも尊いのに、エミル君は悲しそうだった


俺は何ができるだろう。


「・・分からないよ」


「旬?」


どうしたの?っという顔だ


「エミル君・・今の俺は何もできないけど。

 いつか、旅を終えるその日までに・・できることをするから」


「・・ありがとう旬。だけど、ぼくと約束してください。」


えっ・・。


「旬、君は一人ではありません。ぼくたちがいます。

 離れていても近くにいても常に一緒にいます。

 仲間であり友だからそれを忘れないで。」


小指をさしだされる旬


「あれ?指切り知っているの?」


旬は指きりのことを知っているエミルに驚いている


「はい?この国では普通ですよ。」


ええ・・そうなの。


意外な事実を知る旬


「「ではいきますよー。ゆびきーり、げんまーん

 うそをついたらはりせんぽんのーます。」」


小指と小指がつながる


「ゆびきった!」


離れる手


「約束ですよ。旬、ぼくたちは友であり仲間です」


「うん。」


その言葉にうれしくなった旬


そして、エミルは何かを見たのか


「あ・・・もう、こんな時間ですね。ではぼくも

 寝ます」


「わざわざありがとう」


すると、エミルは柔和に笑って


「旬、それはこちらのセリフですぅ。どうも・・・ありがとう」


そして、エミルは旬の食べたごはんの配膳をもって


部屋から出ていった


「神の巣窟か・・。」



聞きなれない言葉をつぶやきながら旬は眠りについた


・・・・その日の夜は・・夢は見なかった。






元気になった旬は、残り2日間での今回の後始末をします。

次回、旬とあの人の話です!!お楽しみに

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