少年、離ればなれになったラミア達 ~ラミア視点~
今回は、ラミア視点で送りします。
旬と離れたけど・・うちは大丈夫
大丈夫と信じないと・・あかん!
「さぁ、うちらも・・行くかな。」
旬たちは大丈夫と確信したラミア
しかし・・
「ラ、ラミアさーん、頼むから下をしたをみてよぉぉぉ」
千里はんの嘆く声にアニマのヒィィっと悲鳴が聞こえる
(ヒィィィィ、シタシタ、コ、コワイ!)
その言葉にラミアも思わず下を見る
「こ、こわっ!」
うわっ、なんやこれぇぇぇぇ!!
そこには、浮いていることもない落ちているラミア達の
姿があるだけだ
「うわぁぁぁぁぁ、ラ、ラミア・・ぼ、僕こ、怖い!」
ひしっとラミアの足にしがみつく千里
こ、コワイけど・・怖がっている場合じゃないんや!
「頼れるのはあんさんだけや!魔法を使って浮かせるんや!」
ヒィィっと叫ぶが口を押え
恐怖を消すように・・
「わ、わかった。」
千里はんは、杖をうちらに向け
「・・僕たちを守れ!」
「シールド!!」
その途端、うちらが淡く光る
まるで盾が身代わりになりうちらを守るかのように
そして・・激突する。
もちろん、重力があるから激突はする。
千里はんのおかげでうちらは怪我はない
しかし、激突はしたから多少の痛みはある
「いてて、死ぬかと思うたわ。」
いくら、千里はんの魔法とはいえ激突すればそら痛いわ。
というか、荒っぽいやり方や
ラミアは、腰をさする
「千里はん、けがはあらへん?」
隣で、起き上がった千里はラミアの様子を見て
「それは、僕のセリフだよ。僕らをかばって大丈夫?」
そんなの、大丈夫に決まっているわ!
「うちは、こーいうこと慣れているからな。
ちと、痛いけど平気や」
にっこりと笑ったラミアに千里はホッとする
「そう、ならいいけど・・それより、アニマ、大丈夫かい?」
すると、起き上がって軽くのび~っとするアニマ
(マァナー。シヌカトオモッタガナー。)
どうやら、生きた心地しかしなかったのはうちだけやなかった
みたいやな。
まぁ、無事でよかったけど。
「旬は大丈夫かなぁ?」
千里は、旬のことを心配する
ラミアは、ニッと笑って
「長いこと一緒におるから大丈夫や・・カズラはんも一緒におるから
死ぬことはないと思うで」
まぁ、旬は確実に死ぬことはない
それに、カズラはんがいるし・・大丈夫やろ。
「・・・カズラ君がいるから心配なんだよ。」
その言葉に、アニマも反応する
(アー、ナルホドナー。)
そ、そういえば・・そうやったな
そこで、ラミアは気づいた
カズラという人物のことを。
とんでもないほど・・トラブルメーカーであることを!
だ、大丈夫やろ・・ま、まぁ。
だが、改めてみると、すこし・・いや、かなり心配になってしまうんや
「考えてみると、旬とカズラはん以外の二人は戦力外やし
大丈夫やろうか?」
ウッズは、まだまだうちが見た限りは通用するとは思えん。
それに、エミルはんも・・・。
「・・まぁ、ウッズさんはいいとして・・あのエミルという少年は
侮らない方がいいと思う」
「なんで?」
こてりっと首を傾けて・・千里に問いかけるラミア
腕を組む千里
「僕は・・あの少年はかなりの魔法を使えるじゃないかと思うよ。」
「・・・魔法?」
こくりっとうなずいた
千里は、スッと真剣な眼になっている
「うん。僕には見えたよ。あの少年の持つ鞄から強力な何かをね
たぶん、エミル君の魔法につかう武器だと思うよ。
だから・・・まぁ、安心していいとは思う。不安だけど。」
「何か・・か。ほな、安心してええかな・・不安やけど。」
そんな、安心から・・なぜか、不安を吐露する千里とラミア
(アニマモ・・・フアンデイッパイダナ)
はぁっとそれぞれがため息を吐く始末だ。
不安だらけやな・・ほんまに情けないほど・・
「まぁ、それよりさ、どうするこれから・・・あの女
無幻のせいでこんな迷宮に迷い込んだし。」
ラミアは改めて辺りを見渡すと道が続いているが
それ以外は何もないのだ。
壁と壁の間に道がある以外
とにかく、続いてはいるが・・これは・・迷宮というより
「まるで、迷路だ。」
千里がボソリっとつぶやく
その言葉に反応するラミア
「迷路・・そうやな。迷宮というより、迷路やな。」
思ったより、面倒なところに飛ばされたみたいだ
(ウワァ・・ミチガツヅイテ、シカモマガルゾオォ)
遊び感覚でアニマはキョロキョロしている
迷路やな
迷路や。
・・・出口まで行けと?
ラミアはげんなりする。
その飛ばした張本人について考えるラミア
「・・にしても、なんやあの無幻という女・・王宮がいきなり
迷路に早変わり・・笑えん状況やわ。何者や。あいつ。」
そう、真っ黒闇な王宮がなぜか、迷路に早変わり
しかも・・笑えない状況になっているやな・・これが。
「ああ・・ラミアは知らないはずだよ・・当時の大戦を知る人は
知らない人はいないほど有名なんだよ。無幻は」
「どう有名なんや?」
すると、千里はんは・・話を始めた
「ああ一つの国をまぁ、一人で滅ぼしたという伝説を持っていると
聞いたことがあるけど・・とにかく苛烈なんだよ。」
(ホロボシタノカ・・ヒトリデカ・・。)
そして、千里は恨めしそうな顔をして
「そう、それだけじゃないよ。無幻は、なぜその呼び名で呼ばれるかというと
誰も彼女の本性もしくは、どのような姿をしているのか誰も知らないだよ」
なんか・・ドロドロ・・っと、気味悪く感じてきたわ
「・・・んな、あほな・・あの先ほどの女が、そうやないんか?」
(タシカニ、ニオイテキニモ・・ヨクワカラナイアイマイダッタシナ)
「・・それも幻影の力だよ。俗にいう・・幻影魔法により姿を偽り
幻のような存在といわれたほどさ・・においについてわからないのは
当然だよ。」
「・・・なんか、コワイ存在やな」
(アニマモ)
すぐに、千里はパッと表情を変えて
「でも、ま・・かならず僕が倒すよ・・その首を狩ってやる!」
フフフフっと不気味に笑う千里はん
あ、うちも同じ気持ちになるわ
あの無幻と呼ばれた女
マリンはんを奪い・・エミルはんを泣かした張本人
許せんしな・・というか・・許さん。
「それより、さっさと、出口にいこう」
「そうやな・・探知」
ラミアの影から・・黒い影が現れ
うちは、瞳を閉じて・・影から出口を探ることにした
出口よ・・・!
しかし・・・出口までの探知は不可能だ
影が、ラミアの元に戻る
「・・・駄目やわ。探知が反応せぇへん」
「・・・そっか。とにかく、道なりに進もう。
ここで、止まっていてもどうにもならない」
その千里の言葉にラミアも同感する
「そうやな。うちらもここで止まっていてもどうにもならんわ。
とにかく・・いくしかあらへんな」
(ヨシ、ガンバルゾー。)
歩き出すラミア
当然、行き当たりばったりだが
迷路を歩く
「ねぇ、こっちじゃないかな?」
千里が、右の方面を歩く
「そやな。勘でいこうか。勘で。」
「そうそう。出口はきっと見つけるよ」
そういいながら、道なりに曲がり、道なりに進む
だが・・・。
ラミアはある違和感に気づく
「あれ、先ほどもここ通らんかったか?」
歩いていくと、ピタっと止まるラミア
ラミアは見覚えのある最初に落ちた場所だと気づく
「気のせいじゃない?」
(キノセイ、キノセイ)
ほんまに、気のせいか?
ラミアは対して、反応せずに、また歩く
千里は歩きながら愚痴をこぼす
「あー、疲れるな。歩くの」
(ウンドウブソクジャナイノカ?センリ。)
すると、アニマの言葉にカチンっとくる千里
「失礼な。僕は、これでも召喚士だよ!
回避力は旬に劣らず・・というか、まだ歩くのか」
千里はもくもくっと歩く
ラミアは、ジッと自分の歩いた場所をジッと見つめ
考えている・・・ラミアたちは、道なりに進み
時折、千里はんが右やら左やら言いながら
歩くが・・。
でも、まただ
「なんか・・疲れてきた」
(ホラ、ヤハリ・・ウンドウブソクダナ)
クッっと千里は何も言えない
そんな戯言を続けるアニマと千里
ラミアだけは・・空間に違和感をだいていた
なんか、最初に戻っているような・・?
いや、気のせい、気のせい
そう心に留めながら、ラミアは歩く
しかし、何度も、何度も
道を曲がったはずなのに同じ場所に戻っている
なんか、変やな
ラミアはその違和感を感じて止まる
「僕、疲れたよ。」
(アニマハゼンゼン。)
「・・・アニマは体力ありすぎだよ・・ラミアさん?
先程から黙っているけど・・何かあるの?」
千里は聞いてくる
しかし・・ラミアは確信がないのか
「いや、何でもないわ。ほら、もう少し頑張るで。」
千里は、うなずく
「う・・うん、きついけど。僕も頑張るよ・・行こうか」
(イクゾー。)
歩いていく
「そ、そうやな」
また道なり進むラミア
そして・・また気づく
やっぱり、変や。
ラミアはまた立ち止る
「はぁはぁ・・休憩?ラミアさん?どうしたの?」
千里は聞いてくると・・。
「・・・・」
ラミアは自分の武器であるナイフを懐から出して
その場所に置く
「?」
(??)
不思議そうな顔をする千里とアニマ
ラミアは、ニコっと笑って
「じゃ、行くで」
そして、ラミアはまた歩く
「もう疲れたね。」
(タシカニナ・・・ン?)
すると・・・・・千里とアニマは何かに気付く
「あ・・・ナイフが・・!」
歩いてみると・・向こうからナイフがキラリっと光ったのを千里
は驚く
(ナンデ・・!?)
アニマは驚いているわな
無理もないわ
ここは・・・やはり、同じ所をグルグルっと回っているだけやわ
先ほどからの違和感はそれが答えか・・!
「・・・思った通り。何度も、何度も・・ここは、一直線に行っても
同じところに戻る・・そういう仕組みやな」
ナイフを懐に戻すラミア
「・・・ど、どうする?」
千里はんはどうやら・・想定外やったな。
さて・・と。
「・・・さて、どないしようか。どうやら、奴さんの罠にかかっている途中ということか。意地でもここから出すつもりはないようやな」
どうやら、無幻という女は
うちらをここから出すつもりはない
最初から敗北という形で終わらせるつもりなんやろうな。
「そんな・・罠に嵌ったというの?」
「・・そうみたいやな」
「くっ・・どうしよう。僕としたことが・・。」
千里は唇をかみしめる
(ナニカ、サクハナイノカ?)
アニマに聞かれると・・・
「ないことはないわ・・なにせ、ここは霧の城の内部
いわば・・幻影の迷路。」
そう・・ここは、幻影の迷路や。
だから・・必ず、打ち破る策があるな・・。
ラミアはチラリっと壁を見つめる
もし、うちが思った通りなら
必ずどこかに、空間の切り目があるはずや。
ラミアは壁に手をつけて・・辺りを探る
「・・・ラミアさん、どうしたの?」
「ちょっと、見とってな・・・せいや!」
ラミアは軽くナイフで壁を斬る
しかし、すぐに修復されて壁が元に戻る
「やはりな・・。」
斬れるということは・・必ずどこかにあるはず。
でも・・これでわかった
ラミアは、壁をさわりながら・・切れ目を探る
「な・・何しているの!?」
「空間の切り目を探しているんや・・こういう幻覚、もしくは
幻影には、必ず切り目の原因がいるはず。
もともと、ここは、幻影の迷路なんやから。」
「・・なるほど!」
(ヨシ、アニマモヤル。)
ラミアと千里、アニマは・・空間の切り目を探す
ラミアは壁に手をついて
空間の切り目を探す
それぞれが探していると・・千里が叫ぶ
「・・ラ、ラミアさん・・見つけたよ。」
「ここか?」
「うん。少しだけど・・・ここだけ、魔力の感じが
微妙に違う・・!」
千里はんのいうことなら・・確かやな
ラミアは瞳を閉じて
その壁に触れる・・・やがては・・ユラリっと何かが見えた
空間の・・・切れ目・・!
「・・・ここやな!」
ラミアは、ナイフを持ち
斬る
すると・・。
そこから、異常なエネルギーが爆発するかのように
溢れて止まらない
「グギャァァァァァ」
醜い叫びが響く
その途端・・爆発的なエネルギーから・・。
魔物が姿を現す
そこには・・鎌をもった黒い魔物が姿を現したのだ
その切れ目の先には・・敵か。
「・・どうやら、ラミアさん・・この迷路の主のようだよ」
千里は杖を持つ
「・・・そうみたいやな」
ラミアはナイフを持つ
(アニマモヤルゾ。)
それぞれが武器を手に取り戦闘態勢に入ったのだった。
次回、迷宮の主と戦闘です。
そして、気になる旬たちの行方は・・?




