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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 三幕 ドライアド ~番人に守られる国~
391/485

少年、踊る文字と異次元世界

今回は・・?

千里はニッコリっと笑って


俺たちに、その番人がいる所まで案内すると言ってくれた


しかし・・大体、ここ広間だけども


どこにもその入り口らしい所はみえない


そう・・行き止まりだったのだ・・・!


それに気付いたウッズが千里に問う


「あれ?でも、どうやって行くッス?」


「そうだよね・・ここ、広間みたいだけど・・どこも扉がないみたいだ」


そう、扉や階段がない


どうやってそこに行くんだろうか?


「行き止まりやからな・・あるのは・・壁画だけか。

 踊る文字がズラズラと並んでいるだけや・・。」


ラミアはジッと壁画にズラズラっと並んでいるように見える

踊る文字を見るが・・理解はできてはいないようだ


(センリ・・?)


だけど・・千里だけは違った


その踊る文字へと近づいて触れる。


すると、千里に反応し、光り輝いていく・・!


「あ・・・!」


起動・・した?


旬は直感的にそう感じたのだ


そう・・まるで、プログラムを起動したかのように見えたのだ


ラミアは、千里が踊る文字を操る様子を見て感嘆する


「驚いたわ・・うちらが触れてもなんともなかったのに

 あんさんが触れると変わるんやな」


すると、振り向いて千里は笑む


「・・まぁ、これでも召喚士だから・・僕でもできないと駄目だし」


そこには、博識な千里が見えた


というか、自慢気だろうね・・本人なにか嬉しそうだし


まぁ・・召喚士だからなの?


にしても、こんな文字を理解できるのか・・千里は・・。


「・・で、この踊る文字は何を書いてあるのか千里には分かる?」


こくりっとうなずく千里


「もちろん・・ここの踊る文字にはそれぞれ意味があるんだ・・

 たとえば、この一行目から四行目からは、ここの遺跡の説明なんだ」


すると、千里が触れる一行目から四行目に触れると


突然、浮かび上がる


そこには、遺跡の案内図のようなものが書かれている


「うわっ・・り、立体映像・・マジ!?」


あ、ありえない


なんで、この世界に立体映像が見えるんだ!?


・・・すごすぎる


旬は喰いるように見つめる


「マジマジ。僕も驚いたけどあるんだよ。それ」


旬はその立体映像に違和感を持つ


これって・・普通じゃありえないよね?


というかありえないよ!!


「な・・なんやこれ?」


「見たことがないッスよ・・これ!!」


(コウドスギルゾ!!)


どうやら、ラミアたちは、その高度すぎる立体映像は知らないようだ


というか・・本当に珍しそうだ


「千里・・これ!?」


これは・・俺達の世界でもありえるかどうかの話だ


しかし、これは・・驚くべきところに俺達の世界以上に発達がすごいかも

しれない


「そう、僕も驚いたよ・・でも、今それどころじゃないからね

 よく聞いて今僕たちはここにいるんだ。」


千里が立体映像にトントンっと見せる


「ああ・・この一番下ッスね?」


千里が指したのは遺跡の最深部だ。


「うん・・そーだよ」


「あれ?でも、ここから下はないんやな」


そこからは何もないようだ・・


「・・もしかして、ここから下は・・この踊る文字の解読をすることで

 進めるんじゃないの?」


旬の言葉は正解と言いほめる千里


「さすが、旬・・この様子じゃ気付いたようだね

 そう、実は、ここから下は、普通の人間でも解読不可能なこの踊る文字を

 解読しないと先に進めない仕掛けなっているんだ。」


「・・・こ・・この踊る文字をッスか?」


(マジカ!?)


それぞれが驚いてマジマジっとその踊る文字を眺める面々


「そういうこと、実にいえばすべての踊る文字にはこの今の最深部より深く

 さらに深い下まであるんだ。」


(ツマリ、コノオドルモジヲカイドクシナイカギリハ・・

 アシドメトイウワケカ)


「そーいうこと。でも、僕が来たのは旬たちの案内役+ここの解読を

 進めていたんだ」


「それで・・できたの?」


すると、千里はニッと笑って


「当然、僕にできないことはないから」


千里はメガネをキラっと光らせる


「うわぁ・・秀才のオーラがピカピカッス」


(ハンパナイナー。)


「ほんまに。」


「うん、本当に驚くよ。昔から千里の頭の良さには

 敵わないよ・・。」


そう、千里は本当に頭が良かった


だから・・うん、向こうの世界では、いつも悪い笑みで


脅迫・・いや、考えるのはやめよう・・


旬は、そのことを心の奥にしまいこんだ


うん、忘れよう


旬は千里の黒歴史を忘れることにした


千里は黒いメガネをキラっと光らせ


「まぁ、どちらかといえば召喚士という今の身分のおかげでもあるんだけど

 半分は。」


「どういう意味や?」


コテリっとラミアは首を傾ける


「召喚士はね・・神や精霊との契約により召喚を行うその際に、古代文字に触れることがあるんだ中には、古き言葉を用いることで召喚を成功させないといけないこともある。そうなると必然と覚えないといけないんだよ」


うわぁ・・確かに召喚による契約もあるんだよね


これってかなり大変なんじゃ・・・。


「しょ・・召喚士って大変なんだ」


旬の言葉に千里はニンマリっと笑って


「おや、旬もその辺は同じだと思うけど?魔法も原理が理解できないと

 それ以上に大きく成功することはない。僕は旬のそのデタラメの強さの方がすごいと思うけど。」


すごい、いい笑顔でそういうと


他の面々も同じようなことを思っているのか


「まぁ、そうやな。うちも、旬のデタラメの強さにはたまに驚くわ」


(ウンウン。)


「そうッスね。驚くばかりッス」


その言葉を聞いて旬は、冷や汗をかく


「で・・デタラメ!?」


俺ってそんな存在!?


むしろ、そんな存在なんだ・・・。


デタラメと言われ旬は何気に悩むのだった


そんな冗談を言い合う中で、千里は再び踊る文字に触れ


「てな、訳でまずは・・解除からいくか」


千里がペロっと下で口を舐める


そして、特定の踊る文字をいくつか触れる


ウッズはその触れた文字に何か思い出したのか


「あ・・この踊る文字・・先ほどもみたッス!!」


この文字に何か思い出しているようだ


(タシカ、ナニカノチュウコクモジジャナカッタッケ?)


「これは、侵入者画いると反応しゴーレムが現れると書かれているだよ。

 ちなみに・・」


千里がその特定の文字に触れると・・青になり

全体に広がる


それが、青になると・・光るのは消え去る


「今のは・・?」


「ああ、侵入者感知をオフにしたんだよ。これでもう襲われない」


「さすが・・千里はんやな」


「で、この文字に触れると・・。」


すると、踊る文字が次々と青、赤、黄色、緑それぞれ光り出す


(ヒカッタゾ!!)


すると・・横から何かの宝箱が出た


「な・・なんで宝箱が?」


「宝箱やー!!うち、感激!!感激」


そういって嬉しそうにラミアが駆けつけて宝箱を開ける


しかし・・


「か・・空箱やぁぁぁぁ」


涙目になるラミア


その宝箱の中身はすでに空だったのだ


千里はあははっと笑って


「あはは、ごめん。実は、その宝箱は先に僕が開けたんだ」


「何が入っていたの?」


「うん、僕用の杖さ。簡易の召喚士の杖」


そして、先ほどの杖を見せる


なるほど、その宝箱からドロップしたわけか。


「へぇ、面白い仕掛けッスね。宝箱を出現させることもできるッスか」


「ううっ。残念やわぁ・・」


「まぁまぁ、次があるよ。きっと・・」


旬がラミアを慰める


「ほんまか!?」


「うん。ありえるね。僕もまだここの遺跡しか触れていないし

 いがいともっと下にはあるかもしれないね・・・

 ただ、下に行くほど、強いマモノが出るから気をつけたほうが

 いいと思う」


「・・・うっ、強い魔物ッスか」


「うわぁ・・うちは嫌やわぁ。やはり、宝を探すのはやめにするわ

 強敵を倒すのも大変やし」


(ヘタニスルト・・シヌナ。)


というより、死ぬ確率が高そうだ


生きていたとしても重傷になりそうだ


「確かに、俺でも戦いを続けるのもきついね・・

 でも、千里・・ここの遺跡は未知すぎるね」


「・・うん、この踊る文字といい確かに、未知の部分がある。

 僕は探検家でもないけど・・こういうことが好きな人物にとっては

 色んな意味で宝だね」


俺も探検家でもないけどさ

さすがに、こういうのって好きな人にとっては宝だよ・・本当に


「だろうね。俺ですら驚くことばかりだよ・・すごい遺跡だよ

 文明が恐ろしい程に進み過ぎている」


「・・・・僕も旬と同じ考えだ。だけども、誰が造ったのか

 理解が不能だよ・・よっぽど、文明を進められるほどの人物だったのか・・

 さておき、そろそろ本題に入ろうか。」


恐ろしく進み過ぎた文明


だれが、どのように?


考える


だけども、それよりも優先事項を優先しなければならない


今は・・一刻を争うからだ


「そやな。番人はどこにいるのかあんさんは知っているようやけど?」


千里は踊る文字を見上げる


「うん。この踊る文字を入力すればいいだけだし。それに、一字、一句、間違えると

 ゴーレムが出てくるから注意が必要だけど」


「うわぁ・・ゴーレムが出るッスか。」


「何度か、間違えて出てきたけどね・・さて、旬たちがいるし

 やるか」 


「遭遇したんだね・・千里。」


何気にホロリっとくるものだ


「さぁ・・皆、これからが執念場だ・・見ていて。」


踊る文字に触れて・・千里すぅ・・っと息を吸って


そして・・吐く


「我は言葉を操る者」


すると千里の言葉に反応して踊る文字がポォっと光り出す


その特定の踊る文字に触れ


千里はさらなる魔力の源である言霊を口にする


「汝の力を持つその力をもって我に従え」


「我・・召喚士なり」


すると、踊る文字がパァァァっと光


やがてゴゴゴゴゴっと音が鳴る


「な・・何?」


(ご・・ゴシュジン、と、扉が現れたぞ!!)


壁画から大きな扉が現れる


それは、みたことのない・・電子の世界で形成された


不思議な空間だった


「な・・なんやこれ」


旬たちはその扉の向こうをみる


ウッズは・・その光景に息をのむ・・!


「み・・みたことない・・空間ッス。

 なんッス・・これは・・?」


千里は仁王立ちして


「これは、異次元空間って奴だよ・・空間が切り離された世界に

 番人の間のがあるんだ」


「・・・!」


つまりこの電子の世界・・異次元空間に、その番人の間があるというわけか。


「いい?僕も呼ばれてここに入ったのはいいけど

 奇襲にあってその向こうまでは行っていない

 ・・・正直いって、危ないかもしれない

 それでもよい?」


危ない?


そういうのは俺は慣れている


「・・・ああ。大丈夫さ・・強敵遭遇はいつもだから。」


旬の言葉にラミアもうなずく


「うちも。危ない目にあうのは・・好きやから」


「じ・・自分はそうじゃないッスけど 

旬の力になるッス!!」


震えながらも旬の力になると宣言するウッズ


(アニマハゴシュジンノタメナラナンデモスルサ)


アニマは意思のある強い獣の瞳で答える


それぞれの答えに千里はフゥっとため息を吐く


やがて・・嬉しそうに笑って


「・・・いい仲間に出会えたね。旬

 毎度、羨ましいかぎりさ。」


「頼もしいと思うだろ?千里」


すると・・千里は頼もしいかぎりさっと口にだす


「ああ。当たり前だよ・・着いてきて

 ここからは危険地帯だから」


千里の後についていく旬たち


しかし・・驚くな・・これは。


電子で形成された世界だ


異次元空間でもあるけど・・やはり、驚くほどの文明の進んでいる・・!


これはどういうことなのか


もはや、分からないのだ


理屈には遠くに過ぎて・・分からない


旬とウッズは話す


ウッズは辺りを見て


「ここから繋がっているんすな・・なんていうか

 機械ばかりッス」


「うん。機械ばかりだけど・・よくみれば分からない文字が浮かんでいる」


「恐らく、古代文字やな・・」


古代文字・・か。


どんな風に変化を遂げてこのようになっただろう・・?


少し興味は沸いたのだった


そんな、旬たちより少し前にいる


千里とアニマは・・。


(ナァ、センリ。ココハ・・フツウノセカイジャナイナ。

 アリエナイ・・トオモワナイノカ?)


アニマの言葉に千里は・・。


「確かに、普通じゃない。でも、まだまだ普通じゃないことも

 あるんだよ。ここは・・。」


「・・・?」


進んでいくと・・千里は杖を取り出して


辺りを警戒する


ピタっと止まる足


「どうしたの千里?」


千里は辺りをキョロキョロっと見て


やがては旬に振り向いて


「・・・旬、武器を取って。」


「えっ・・。」


その時・・ラミアはハッとする


「なんや・・このガチャ・・ガチャっと機械のような音が聞こえる」


ガチャ・・ガチャっと聞こえる


確かに、何か機械のような足音が・・聞こえる!!


ガチャガチャ・・・ガチャ!!


そこには・・・!!


「・・・・なんや、こいつら・・。」


目の前にいたのは・・・


「人間・・?」


そこには、人間がいた

でも・・瞳は違う


瞳は綺麗なんだけど・・無機質だ


なんていうか・・何か・・まるで・・造られた感じ


そう・・機械のような・・。


その時、ラミアはとあることに気付く


「いや、違う・・人間じゃない・・こいつら、人形や!!」


千里は、杖を敵である人形たちに向けて


に・・人形!?


自動人形(オートマタ)・・意思があるとんでも人形さ

 僕ら、こいつらに襲われたのさ」


じ・・自動人形(オートマタ)!?


旬達は呆然の目の前の敵に・・呆気をとられていたのだった。


次回、機械人形たちと戦い

戦闘描写です。お楽しみに

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