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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 三幕 ドライアド ~番人に守られる国~
388/485

少年、古の遺跡

今回は、旬は遺跡を冒険します。

旬たちは遺跡の入り口から少し歩いていくと・・

そこには、驚くべきモノが広がっていた


旬はそれを見て一言・・。


「遺跡って、俺石ばかりで何もないとか思っていたけど

 実に言えば・・歴史そのものだよ。」


旬が感慨深そうだ


「そうやな・・驚くことばかりや」


旬たちがみたのは・・・。


壁画に文字が書かれているのだ


それも入り口から少し歩いただけなのに

見たことのないほどに、壁に文字がビッシリだ。


「人形が踊っているね・・これが文字?」


人の形をした文字が躍っているような文字だ


初めてみる文字に旬たちは感慨深い気持ちになりながら眺める


「・・・これは、古代文字やな」


ラミアは、その文字を見て答えると

ウッズは、ほぉっと腕を組んだ


「古代文字ッスか?あの(いにしえ)の古き字ッスか。」


(コダイモジ、アニマタチノジダイカラアルカラナァ)


アニマの時代・・かなり古そうだ


「アニマは読めるの?」


すると、アニマはふるふるっと首を横に振る


(アニマハ、ソコマデキヨウジャナイ。モジハワカリヅライ)


「確かにッス・・こんなにグニャグニャリっと曲がった文字は解読は

 難しいッスな」


ウッズたちは難しいと答えるが旬は違った


「・・・でも、召喚士なら可能だと思うだよね」


「召喚士?」


旬は、思い当たる人物を思い出してクスっと笑う


「・・そう。元々魔法もそうだけど・・召喚士は古き文字を読み取ることで

 召喚魔法を使うことができる」


「それじゃ、旬もできるんじゃ・・?」


しかし、俺にはできない


なぜなら・・・。



「難しいね。このグニャリっと曲がって人の形のような文字

 解読できるかどうか・・。」


「確かにうちでも無理や。こんな字・・しかし、壁にその文字がズラズラ

っと並んでいるから何か意味があるんやろうな」


「絵は・・ないッスな。」


「壁画だけどね。絵というより踊る文字があるくらいだし。 

 とにかく、先に急ごう。」


「うちも同感。行くで?」


ラミアと旬が先に行ってしまった


ウッズとアニマは・・ジッと壁画を眺めている


その人形のような字を・・。


「そうッスな・・しかし、まぁ・・なんて書いてあるッスかねぇ?」


理解不可能なウッズは目をこらしても理解できない


アニマはその字を見て


(ナンカ、チュイシロトイウカンジダゾ?)


「注意ッスか?」


コテリっと首をかくしげるウッズ


(ナンカ・・ソンナカンジガスルケド)


「ふぅんッスか・・何に対してなんッスかねぇ?」


う~むっと悩むウッズ


しかし、アニマも分からないのか


(サァ?アニマデモワカラナイゾ)


「ウッズさーん」


旬の声の呼ぶ声が聞こえる


「あ、旬が呼んでいるッス。行こうッス」


(ソーダナ。)


ウッズとアニマは対してその話題について

深く考えなかった。


そう・・旬たちはその文字の意味に気付くことはなかった


なぜなら、読めないという理由で。


その時・・・特定の踊る文字が、ピカっとが光った


しかし、旬達はその文字に気付くこともなく


歩いている


もし、気付いていたら恐らくこの遺跡から離れるだろう


ちなみに、その文字の意味は後に大変な出来事になる一歩になるのだった。


                  ****



俺は遺跡の中を歩いていく


やはり・・感じるね


強い強い魔力


杖が反応している。


旬の杖は、振動が続く


この杖は、強い敵に反応しているだろうか?


前の時はそういうことなかっただけど・・・。


やはり、パワーアップしているよねより精密的に。


いつパワーアップしたのか知りたいくらいだけど・・。


さて・・感じるこの大きな魔力


なんていうか規定外すぎる。


番人というのはケタ違いの存在なのかな?


でも、変だ。


妙な感じがする強い気配は感じるけど


大きな魔力は動くことはない。


まるで・・・いやでも、現に邪魔をする魔力の存在がある


これは、俺が知っている魔力だけども


ぶつかろうとするけど避けている・・か


恐らく、戦いを避けるためにあえて逃げている可能性が高い


でも・・なんでだ?


どうして逃げているだろうか?


何か理由があると俺は思うだけど・・・。


駄目だ・・考えているけど答えが見つからない


旬は考えば考える程、答えが見つからないことにため息を吐く


その時・・


「旬、階段を見つけたッスよ!」


旬が考え事をしているとウッズたちが階段を見つけたようだ


「えっ・・階段?」


旬は前を見ると・・下へと降りる階段を見つけてはしゃいでいる

ラミアたちを見た


気付かずうちに既に・・か。


「ここから、遺跡の奥の奥まで下っていくことができそうやで?」


ラミアはにっこりと笑う


「そうッスねー・・闇すぎて怖いッスけど」


(アニマモー。ヤミダラケデコワイ。)


階段の下を覗きこむと・・確かに、真っ暗だ。


闇が広がっている


震えているアニマとウッズ


ラミアは旬に提案する


「旬、光の魔法や。視界が少しでも明るくした方がええ。」


「あ、うん」


旬は杖を見て・・呟く


「ルーチェ」


すると、杖から灯りがポォっと浮かびあがる


その光を頼りに旬たちは階段を慎重に下りる


「下から下へとくるわな・・こら、灯りがないと分からんな。」


「確かに灯りがないと危ないし、それに、長いッスな。」



闇で見えないのか


それぞれが、慎重に階段を下りているのが分かる


しかし、ウッズさん・・膝ガクガクだね。


そう、ウッズは膝ガクガクで階段を下りている


何気に危ない。


アニマは獣の姿でも闇に恐怖で怯えているのか


旬の後ろから着いてきている。


(ドコニツナガッテイルダロウ・・?)


「さぁ?俺もそれは分からない・・でも、暗いね・・。」


トントンっと・・階段を下りる旬たち


そんな光を当てないと前に進めないほどの真っ黒な闇の中で


ウッズたちは先ほどの話しをする


「そういえば、先ほどの話に戻るッスけど

 結局、ここの遺跡はなんで踊る文字があったッスかね?」


「そうやな。うちもそれは理解不可能や。

 なぁ、アニマ・・ほんまにここにおるんか?

 番人が?」


(イルゾ。アニマダッテカンジル。)


アニマはラミアの問いに肯定で返す


しかし、ラミアは疑問がまだ残っている様子で・・。


「でも、変や。敵がおらんのが・・ここには、番人がおるんやろ?

 なんで・・敵がいないやろう?」


「はっ・・そうッスよ!!」


「そういえば・・。」


それぞれがハッとする


「・・そや、重要な所やで?敵がいないということは

 異質なんや。」


その言葉を聞いた旬は腕を組んで考える


「・・・敵・・か。」


確かに、おかしい。


ここは、番人もいるし


あいつらもいる


先ほどから違和感がどうもある。


いや・・待てよ


あの踊る文字に何か手掛かりがあったんじゃ・・。


もう一度調べるべきだろうか・・?


旬はそう考えて


ラミア達に言おうとすると・・。



ズシ



「えっ・・?」


今、なんか音がした?


「旬?」


「あ・・・。」


ズシ・・・ズシ


何かの重みの音


音がする間違いない!


「やはり音がする・・!」


重みの音だ・・。

何の重みの音だ?


ズシズシっと歩く音


そうだ・・まるで、石が地面歩いているような音だ



「どこからッスか?」


「なんか、上から・・音がしたんだけど?」


そう上からだ


上には先ほど、俺たちがいたんだ


でも・・今は全員ここにいる・・!


旬は思わず見上げる


階段の上を・・。


ズシ・・ズシ・・


近づくにつれ・・音が大きくなる


まるで・・俺達に伝わるように


「ほ・・本当や・・?」


ラミアは戦闘態勢に入ろうとする


「ち・・近づいてくるッス・・何ッス?この音」


ウッズさんの膝がガクガクと泣いている


横でアニマは警戒している


「近づいてくる・・・!」


すると・・・旬達の前に現れたのは・・・


「グガァァァァ」


姿を現したのは・・・


見たことのない泥人形


その泥人形を見た途端ウッズが叫ぶ


「・・・・な、なんっすかぁぁっぁあれぇぇぇぇ」


泥人形を指をさすウッズ


その顔は驚愕だ。


(ゴ・・・。)


アニマは信じられないような様子だ


「なに、アニマ・・ゴって?」


(ゴーレムダァァァ!)


その言葉に旬たちは叫ぶ


その言葉で旬たちは思わずゴーレムを見て


「「「何ぃぃぃぃぃ!!」」」


叫んだ


そこには泥人形・・もとい、ゴーレムが姿を現した



泥人形なんだけど・・石で覆われていて、怖い


しかも、強そうだ


ズシ・・・ズシーンっと音を立て


旬たちを襲うようだ


ウッズは恐怖で叫ぶ


「ひぃぃぃ!」


「マジカ!?」


「嘘だぁぁぁ」


それぞれ、悲鳴と驚愕な感じで驚いて動かない


しかし、アニマが叫ぶ


(アレハ、ゴーレムダ!!キヲツケロ!!

 ツチノチカラヲツカウカラニゲロ!」


確かに・・!


逃げないと・・。


旬は皆を見て叫ぶ


「は・・走ろう、ここでは戦えない!」


ここでは無理だ。


戦うにも危なすぎる


「ほんまや!!狭いゆえに階段やから危ない

 こちらに攻撃が来る前に下へと逃げるでぇぇ」


ラミアたちはバタバタっと音をたて


「ひ・・・・ひぃ」


ウッズはガクガク震える足で走る


アニマのその後を追う


それぞれが階段の下へと下へと走りながら階段を下りていく


そんな走っている途中にウッズが問いかけてくる


「な・・なんでこんなことになってるすぅぅ!?」


「うちかて分からん・・・わ!!」



その時・・アニマが、思い出したのか


(ソウイエバ・・アノオドルモジ・・モシカシテ

 ナニカチュウイノコトバモアッタゾ)


それは、俺も少し考えていた


踊る文字に何か意味があるかと


でも・・意味が分からないから放っておいたことが悪かった


だが、ラミアたちは驚愕の瞳になっている


「嘘や!?」


「あの踊る文字が!?」


(オソラク、シンニュウシャタイクサクダ!

 タトエバ”ゴーレムチュウイ”トカ)


その言葉に全員が顔を見合わせる


「あの踊る文字にそんなの混じっていたんか!?」


(スイソクダンカイ。)


推測段階?


むしろ、当たっているじゃないの?


この推測!!


「うわっ、もう、推測段階でも否定できないよ!

 というか、上から岩石が降ってきたぁぁぁ

 逃げろぉぉぉ」


ゴーレムが勢いよく旬たちに攻撃を繰り出してきたのだ


旬達は勢いよく階段を勢いよく走って下りる


後ろからゴーレムが旬たちに迫ってくる中で、ウッズが旬に叫ぶ


「旬、どーにかしてあれを足止めしてくださいッス」


足止め!!?


いやいや、現状混乱しているだけど!?


足止めをお願いされるが、旬としても結構、混乱していて


何の魔法を使えばいいのか分からない


「足止め・・!?何を使えばいい!!」


それを、それぞれ聞くと、ラミアが何か思いついたのか


「それなら旬!!ミストや!!霧で視界を見えなくするのが

 一番ええ。」


しかし、ウッズが叫ぶ


「ラ、ラミアさん、それだと自分たちも視界が危ないッスゥゥ」


「そ・・・そうだよ!!」


確かに、霧で飛散させると、俺達も見えなくなる


これは、使い方を考えないと危ない魔法だ


「それが好都合や。どちらにしろ、逃げる方が先決やから!」


「うっ・・確かに、とにかく急がないと!!」


逃げるしか今、方法がない


戦うことができないのなら


逃げるのが先決!


それなら仕方ない


(ゴシュジン、クルゾ!!)


アニマが叫ぶ


どうやらゴーレムは既に迫っているようだ


旬は光の魔法を同時に続けながら


杖を向ける


「霧よ・・”ミスト”」


すると、辺りに霧が飛散する


「今や!!逃げるで」


「霧で前が・・・!」


「見えない・・ッスぅぅぅ」


「当たり前や・・とにかく、敵が見えへんなら

 ウチらも同じ、下へと逃げて・・広い所で

 勝負をつけるやぁぁ」


その言葉と共に、旬たちは勢いよく下へと階段を下りていくのだった。

次回、ゴーレムに追われた旬たちの運命は・・?

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